新基準原付、EVスポーツモデル、二輪初の電動ターボ......専門家が勝手に選んだ!! 「モーターサイクルショー」の推しバイク7選
【推しバイク 第1位】ホンダ CB1000Fコンセプト 大反響のCB1000F コンセプトにまたがるホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長。その出来栄えに終始ホクホク顔だった
バイクシーズンの幕開けを告げるモーターサイクルショーが3月21日の大阪を皮切りに、東京、名古屋の順で3週連続開催された! 衝撃モデルがめじろ押しで、大きな話題に。というわけで、現地を取材して回ったモーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏がギンギンになった珠玉モデルを一挙大公開!!
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■伝説カラーが令和に復活!――栄えある第1位はどれ!?
青木 ホンダのCB1000Fコンセプトです! 1983年にWGP(ロードレース世界選手権)で史上最年少の世界チャンピオンに輝いたフレディ・スペンサーが、全米選手権時代に駆っていたCB750F改のボディカラーが、シルバーの車体にブルーのグラフィックデザインでした。以降、これが〝スペンサーカラー〟と呼ばれるようになったのです。
――そんな伝説カラーが、今回披露されたCB1000Fコンセプトに採用されました。ファンの反応は?
青木 青木の耳には、世界中の二輪ファンから歓喜の雄たけびが届いています!
――市販化の予定は?
青木 ホンダモーターサイクルジャパンの室岡克博社長は、「近い将来、お客さまにお届けできるように現在開発を進めています。ぜひご期待ください」と語りました。
――なるほど。スペックは?
青木 詳細は明かされていませんが、ベース車両は今年1月に発売された新CB1000ホーネットであることが見てわかります。心臓部はスーパースポーツCBR1000RR譲りの水冷4発エンジンで超パワフル!
ちなみに担当者は、「車重、操縦性、音、そのすべてを高次元でバランスした最高のパッケージング」と胸を張りました。
――ホンダがCB1000Fコンセプトに総力を結集した背景には何があるんですか?
青木 59年に誕生した初代以来、〝CB〟はホンダを代表する歴史あるシリーズです。そのフラッグシップがCB1300スーパーフォア。ところが、厳格化する環境規制のため生産終了へ。
――つまり、CBのフラッグシップの系譜を受け継ぐモデルなんですね。CB1000Fコンセプトのライバルは?
青木 近年、市場を席巻しているカワサキのZ900RSです。そこに二輪業界の〝大巨人〟ホンダの切り札が満を持して登場するわけです。
【推しバイク 第2位】カワサキ Z900SE 4月12日から発売されたカワサキの新型Z900SE。デザインは、ほぼリニューアル。エンジンなどにも手が!
――早く公道で乗ってみたい! 続いて2位は?
青木 カワサキの新型Z900SEを選びました。CB1000Fが市販化された場合、クラシカルな雰囲気のスタイルに現代のテクノロジーを融合したネオレトロスタイルのZ900RSと共に、今回選んだ〝ストリートファイターモデル〟の新型Z900SEが迎え撃つからです。
――Z900SEの魅力は?
青木 948㏄の並列4気筒エンジンを搭載。つり目でにらみを利かせたクラウチングスタイルは、猛獣が獲物を狩るときのように鋭くイカツイ。
電子制御を大幅に進化させ、ギアチェンジ時にクラッチレバー操作がいらないクイックシフターや、スロットル操作なしに巡航できるクルーズコントロールなど、先進的なライディングサポート技術がギガ盛り状態なのも注目です。
【推しバイク 第3位】スズキ DR-Z4S 日本初公開となり注目の的だったのがスズキのニューモデル2台
【推しバイク 第3位】スズキ DR-Z4SM
――3位は?
青木 スズキがヨンヒャクのデュアルパーパス(街乗りから本格的なオフロードまでこなすバイク)を復活させました。
具体的には、フロントに大径21インチホイールを履き、オフロードにもめっぽう強いDR-Z4Sと、前後17インチでサーキット走行まで楽しめるDR-Z4SMです。
オフローダーは軽量が有利であることから250㏄以下がほとんど。その常識を覆し2000年にデビュー、豪快なパワーでライバルを蹴散らしたのが先代のDR-Z400S。〝ヨンヒャクのオフローダー〟の復活をファンは待ち望んでいました。特に熱狂的スズキファンは感涙必至!
■噂の新基準原付はカブからスタート!
【推しバイク 第4位】ヤマハ オフロードカスタマイズコンセプト ヤマハブースに展示され、謎すぎると話題を呼んだのが、オフロードカスタマイズコンセプト。その正体は!?
――4位はどうなった!?
青木 突如展示された正体不明のヤマハのトレール(オフロードモデルのシリーズ名)。車名などの説明は一切なしに、〝オフロードカスタマイズコンセプト〟とナンバープレートにあるだけ。会場やネットをザワつかせましたが、その正体は海外仕様のWR155Rとみて間違いない。
20年にセローのファイナルエディションを発売して以来、ヤマハの国内向けラインナップからナンバー付きトレールは絶滅。復活を望むファンの声が増していただけに、今後の展開に期待です!
【推しバイク 第5位】ホンダ スーパーカブ110ライト いわゆる新基準原付の先陣を切るのがホンダのスーパーカブ110ライト。発売日などの公式アナウンスはまだない
――お次は5位です。
青木 最高出力4kW(5.4馬力)以下に抑えた新基準原付に適合した、スーパーカブ110ライトがついに初公開されました! 110㏄エンジンを搭載しながら、原付免許や普通自動車免許で乗れる噂のモデルです。
ちなみに50㏄エンジンを搭載するスーパーカブは、今年10月に生産打ち切りとなりますが、ホンダモーターサイクルジャパンの室岡社長は、「日本の社会インフラとも言える原付一種カテゴリーのこれからに対するご心配の声を感じた。従来のスーパーカブ50同様の使用感で扱いやすく、頼れるコミューターとしてお届けする予定です」と力を込めていました。
――スーパーカブ110ライトの注目ポイントは?
青木 時速30キロを超えるとメーター右上の速度警告灯が点灯するほか、ふたり乗りできないようタンデムステップが取り外されていました。ホンダは、創業者である本田宗一郎が生み出したスーパーカブから〝新基準原付〟をスタートさせます。さらにディオなどのスクーターも発売予定という情報も!
【推しバイク 第6位】ホンダ EVファンコンセプト ホンダのEVスポーツモデル「EVファンコンセプト」。近未来的な見た目だが、「来年にも市販化」という報道も......
――6位をどうぞ。
青木 本邦初公開となったEVファンコンセプトは、ホンダ初のEVスポーツモデル。バイクの市販車で、電動はまだスクータータイプがほとんど。そんな中、40年代にはすべての二輪製品でのカーボンニュートラル達成を目標にしているホンダがスポーツタイプにも着手!
【推しバイク 第7位】ホンダ 電動過給機付きV型3気筒エンジン 脱炭素時代にホンダが渾身の新型エンジンを披露し、ファンから喝采を浴びた。どんな仕上がりになるのか注視したい
――7位もホンダです。
青木 モーターサイクルとして、世界初となる電動過給機(ターボ)を採用。前2気筒+後1気筒の完全新作の水冷75度V型3気筒エンジンを日本初公開。
展示車にはまだ外装が備わっていないものの、主要パーツのみで構成された姿だけでも、抜群の戦闘力の持ち主であることは一目瞭然です。ちなみにホンダのV3エンジンは1985年のNS400R以来40年ぶりとなります。
【推しバイク 注目】QJモーター SRK400RS 欧州や北米マーケットを席巻している中国バイク大手のQJモーター。今年、ついに日本市場へ進撃開始。その実力は!?
――ほかにも注目車が?
青木 大いに気になったのが、中国バイク大手のQJモーター製のスーパースポーツSRK400RS。正規輸入元となるQJモータージャパンの西 浩二取締役によれば、「同じ400㏄4気筒エンジンを搭載するカワサキ ニンジャZX-4R(118万8000円)より低価格に設定し、早ければ6月発売を目指す」とのこと。
――最後に総括を。
青木 ニューモデルが大豊作の年になりそうですよ!
撮影/青木タカオ
記事提供元:週プレNEWS
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