笹生優花の“マキロイ愛” マスターズ制覇で快挙達成も「そんなにビックリしていない」
<シェブロン選手権 事前情報◇22日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6911ヤード・パー72>
2週間前の日曜日、笹生優花はダラスの自宅で「マスターズ」の戦況を見守った。“大好き”と公言するローリー・マキロイ(北アイルランド)が悲願の制覇を果たし、キャリアグランドスラムを達成した。
「全米オープン」でマキロイが優勝した2011年からの大ファン。彼のスイングに憧れてマネするようになり、笹生の持ち味である切れ味鋭いショットも、そこから生まれた。自身がメジャー初制覇を果たした2021年の「全米女子オープン」後には、念願の2ショットを撮影。「汗とか指紋がつかないように」とフレームに入れて、日本の自宅に大切に飾っているという。
そんな大ファンの選手が快挙を達成した。「勝てると思っていました。私はそれくらい信じていた。勝って当たり前の選手だと思っているので、そんなにビックリはしていないです。“普通でしょ”“これがマキロイでしょ”っていう感じ」。言葉こそ淡々としていたが、声色は興奮気味で、目を輝かせていた。
マキロイは2打リードで最終日を迎えた。戦況を優位に進めていた中で、アーメンコーナーの13番パー5では3打目が池に入った。それでも「It's OK」(大丈夫)と信じて疑わなかった。15番パー5でパワードローをかけて2オンさせたショットも、「マキロイなら普通でしょ?」と笑う。正規の18番をボギーとしてジャスティン・ローズ(イングランド)とのプレーオフにもつれ込んだが、最後まで落ち着いて見守っていた。
そして、ウイニングパットを沈め、膝から崩れ落ちて雄たけびを上げたマキロイの姿。「マキロイが感じる気持ちは分からない。自分がその立場に立ってないので。でも、グランドスラムを何年待ったか。10年以上も、その立場に立てるように練習してきた。その思いがこもったエモーショナル(感情)だった」としみじみと振り返った。
笹生はマスターズの週とその翌週をオフに充て、メジャー今季初戦に向けて準備を進めてきた。舞台のヒューストンには車で先週のうちに入り、近隣コースでラウンドを重ねた。ダラスでは寒さによる影響でグリーンの状態があまり良くなかったというが、「ここはいいコンディションにしてくれてありがたい」と、グリーン上の調整も急ピッチで進めている。
「すごく楽しみ。体調もいいので、いまのところいい準備はできています」と見据えるメジャー今季初戦。全米覇者は“2冠”を目指して大舞台に挑む。(文・笠井あかり)
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