“本物の寿司を食べたことがない”寿司職人が銀座の高級店へ!まさかの懇願をした結果…?:YOUは何しに日本へ?
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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日本を訪れる外国人たちを、空港で勝手に出迎えアポなしインタビュー!そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(月曜夜6時25分)。今回のテーマは、「メロメロメロメロSP!」。大自然にもマグロにもあの娘にも…メロメロだらけの95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?
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空港で声をかけたのは、コロンビアから来たセバスチャンさん(33歳)。首都・ボゴタで人気の寿司レストラン「SUSHIMAN」を経営する寿司職人で、カラフルな巻き寿司が地元で人気だという。

「SUSHIMAN」で一番人気のメニューは、ハンバーガー風に仕立てた寿司「スシウォーリアー」。たっぷり具材・カニカマ&アボカドなどを揚げた米で挟んだ一品だ。
しかし、ここでセバスチャンから衝撃発言が…。
「日本とは全然違うだろ。僕は寿司を16年作っているけど、本物を食べたことがないからね。寿司のビデオを見たけど、僕らが作るのとは全然違うから、本物の寿司を学びたいんだ」。まさか、本物の寿司を食べたことがなかったとは! 学ぶ様子を知りたいとお願いすると、快諾してくれたので密着決定!

後日上野駅で待ち合わせると、午後6時に予約した寿司店に行く前にもいろいろ食べたいというので、食の台所・アメ横へ。すじこやいくらなど、これまで見たことすらない食材に驚きつつ、三陸の新鮮な海鮮を提供する「魚塚」で、初のいくら丼(800円)を堪能。プチプチと弾ける食感に大感激する。
そんなセバスチャンさんが、“寿司職人”になろうと思った理由は?
世界で3番目に標高が高い(約2600m)首都・ボゴタで生まれ、料理好きが高じて中学卒業後は料理学校へ進学。そこで寿司を教わり、一目惚れしたのがそもそものきっかけだ。
卒業後はインターネットで寿司を独学し、22歳で出店。しかし、寿司ネタについては大きな課題を抱えていた。コロンビアでも海産物は獲れるが、海にはコカインを売りさばく麻薬密売人やゲリラが出没するので、命の危険から漁に出られない。
そのため、仕入れは他国で獲れた冷凍品のみ。そこで苦肉の策として編み出したのが、「スシウォーリアー」だった。生魚ではなく、フライやソースなどコロンビアの食料を使ってみたら大ヒットし、現在は5店舗に拡大。
そして今、本物の寿司を学びに来日したのは、マグロがスペインから入手可能になったから。新メニューのにぎり寿司に挑戦する前に、どうしても本物が見たかったのだ。

いよいよ旅のメイン・寿司店に行くため新橋駅へ。『銀座さいしょ』に入ると、初来店にもかかわらず店主が常連客のように歓迎してくれた。実は来日後、築地で寿司道具(サメ皮おろし板)を探して迷っていたセバスチャンさんに、親切に声をかけてくれたのが店主の税所さん。彼が職人歴30年の寿司店の大将だと知ると、現場を見たいと頼み込み、来店が実現したそうだ。なんというミラクル!
「銀座さいしょ」は、全国の旬な食材を使った絶品寿司が味わえる隠れ家的人気店。
早速、丁寧な調理の解説付きで、瞬く間にカワハギやマグロをさばく様子を見せてくれた。お刺身の盛り合わせがセバスチャンに出されると、「(刺身が)口の中で溶けるよ」と顔がほころぶ。「楽しい時間が少しでも続くように、ゆっくりゆっくり味わうんだ」と、刺身一切れを少しずつかじるように食べ進めるのだった。
続いて、アワビの柔らか煮が登場。冷凍ならコロンビアにもある食材だが、ひと口食べると、「こんなの食べたことないよ。涙が出てくるよ」と、低温で5時間煮る調理法に衝撃。
こうして次々に並ぶカニやウニなど、夢のようなフルコースを堪能した。

最後はいよいよ一番のお目当て、にぎり寿司が登場。ネット画像で見たままだというホタテのにぎりを、ワクワクしながら口へ。続いて、市場にはなかなか出ない幻のぶどう海老なども堪能。そして飛び出した感想は…「とんでもない衝撃だったよ。僕が16年間作ってきたのは寿司じゃなかったのかも」。
猛反省するセバスチャンさんは、税所さんに「僕に寿司を教えてくれませんか?」と懇願。しかしこんなムチャ振りにも、税所さんはすぐに快諾。「海外でお寿司を広めようとしてる人、僕は本当に嬉しい」と歓迎してくれた。

後日、税所さんの御用達生鮮市場「築地魚河岸」で、まずは市場での魚の目利きや買い方から学ぶ。大切な目利きの心得とは…。
■ 目利きの心得①:鮮度は目とエラでチェック!
「丸集」の太刀魚を題材に、鮮度が出るという目の濁りなどを確認。魚体には触らず、エラを軽くめくって、色と血の感じで鮮度を見分ける。
■ 目利きの心得②:マグロは熟成させるとよりウマい!
「米彦」の気仙沼マグロの切り身を題材に、まずは大トロや中トロの部位を確認。さらに、大型魚は寝かした方が旨みが出るので、水揚げが5日前のこのマグロは、見た目は悪いが味が良いと教えてくれた。

市場で学んだ後は、再び店へ。そもそもセバスチャンさんは、魚をおろした経験がまったくない。税所さんは、「(さばくのは)スタートライン。そのあとが寿司の技術になる」と伝え、3枚おろしを伝授。だが料理人として成功しているだけあり、初めてだがおろし方がうまいと褒められた。

次はマグロをばらし、いよいよ寿司修業に入る。試しにマグロで握らせた寿司を確認した税所さんは、「これは鍛えがいがある」とあっさりダメ出し。
例えばマグロを乗せて左手でシャリを握った後、セバスチャンさんは右手に移したが、これはNG。握り過ぎると体温で味が変わる恐れがあるので、作業は短時間で終わらせねばならないからだ。そしてサイショさんの握りと食べ比べ、自分の寿司はシャリがかたいと気付いた。これは握り過ぎ。力加減は「赤ちゃんの手を握る強さ」だという。


注意点を修正して握り直した結果…今度は「お客さんの前で握っていい」と、合格点と最高の誉め言葉をいただくことができた。学んだことを伝え、職人を育てていってほしいと税所さんにお願いされたところで密着は終了!
「長年の夢が叶ったよ。たくさんの技術を教えてくれた税所さんに、本当に感謝している。そして寿司に出会えたことにも感謝…」と、あふれる涙を拭うのだった。
「今日教わった握りをメニューに入れたいと思っている。コロンビアで一番美味しい寿司屋さんにしてみせるよ」と誓うセバスチャンさん。No.1目指してがんばってね!
記事提供元:テレ東プラス
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