レオス・カラックスが「IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー」先行上映イベントで語る!
パリの現代美術館ポンピドゥ・センターは、レオス・カラックスに白紙委任する形で展覧会を構想していたが、「予算が膨らみすぎ実現不能」に。その代わりに作られたというカラックスの新作映画「IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー」が、4月26日(土)よりユーロスペースほか全国で順次公開される。
3月下旬に来日したカラックスが先行上映イベントで語る映像、グラフィックデザイナーの大島依提亜が手掛けたアナザービジュアル、著名人のコメントが到着した。
「戦争が起こりゴダールが死を決意した。たぶんこの映画にも大きな影響を与えている」「ノスタルジックになるのは好きじゃない。むしろ怒っていたい」「この映画が特別なのはフィクションではないから。すべての始まりであるカオスが生きたまま描かれている」──。メディアの前に立つことが少ないカラックスが、日本の観客の問いに答えていく姿は、まさに貴重だ。
アナザービジュアルは、不眠症でベッドに腰掛けるカラックス、ベビー・アネット、盟友ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、愛犬、娘ナスチャと稲妻、ウクライナの活動家オクサナ・シャチコのトップレス抗議活動、「ポンヌフの恋人」の撮影風景、そして目と《REGARD DES DIEUX?》の文字などをコラージュしたもの。
制作した大島依提亜は「一見すると、ジャン=リュック・ゴダール晩年の怒涛の音と映像のスタイルを“細かすぎて伝わらない”レベルで再現しているかのように思える。しかしそこはカラックス、あらゆる場面にみなぎる圧倒的映像美によって、さらにブーストし、唯一無二の映画に仕上げてしまった。そんな物量と精度(に対峙するには40分が限界じゃなかろうか)をアナザービジュアルに込めました」とコメントしている。
〈著名人コメント〉
本当に驚くべき、清々しい映画で、言葉の最良の意味で“遺産(相続財産)”と呼ぶべき作品。ゴダールを随所に感じるけれども100%レオス・カラックス映画だと思う。私はこの映画にとても心動かされた。
──イザベル・ユペール(女優) ※ニューヨーク映画祭参加時のコメント
画面から連射されるいくつもの問い。そのどれもが、手にした途端、あっさり断ち切られる。そして、また次の問いが始まるまでの一瞬の何かが、頭の深いところに刻み込まれる。まるで脳の奥でうがいをするような、そんな感じ。
──尾崎世界観(ミュージシャン・作家)
レオス・カラックスが撮れば、それが42分でも125分でも、等しく忘れられない映画体験になってしまう。
──伊賀大介(スタイリスト)
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配給:ユーロスペース
記事提供元:キネマ旬報WEB
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