仰天告白「オフは車いす、松葉づえを…」 臼井麗香に見た“プロ根性”【現地記者コラム】
先週の国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」最終日。インスタートの裏街道からコツコツとスコアを伸ばしてきたのが、昨シーズン、黄金世代14人目のツアー優勝者となった臼井麗香。2週前の小祝さくらのように優勝争いに絡むところまではいかなかったが、上位陣に混じって最終日のベストスコア賞(30万円、複数均等割)に迫るプレーを見せた。今季は開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で12位に食い込むなど、順調に序盤戦を戦っているように見える。だが、オフは“あるトラブル”に見舞われていた。
残すは最終9番パー4のみというところで、この日の臼井は3バーディでボギーなしの3アンダー。本人は気付いていなかったようだが、ベストスコア賞争いのトップに並んでいた。雨の影響で飛距離が出ず「2打目でウッドを持つホールも多くて、パーが狙える場所に運んで、静かにプレーしていました」と堅実なマネジメントが光っていた。
しかし最後の最後でショートサイドに外して、寄らず入らずのボギー。「もう悔しい。最後で気持ちが切れました」とホールアウト後は自身のプレーにご立腹だった。結局、ベストスコア賞を手にしたのは同じ午前7時50分スタートで“表”を回っていた岩井千怜。当然、ホールアウトもほぼ同じ時間帯で、こちらは最終18番をバーディで締めての4アンダーの「68」だった。惜しくも“副収入”は逃した臼井だが、今大会はトータル2アンダーの16位タイでフィニッシュ。現時点でメルセデスランキング32位はまずまずのシーズンの滑り出しといっていいだろう。
当然、オフの調整も順調だったのかと思いきや、ここでまさかの告白が。「宮崎でのトレーニング合宿中にケガをして3週間近く車いすか、松葉づえを使っていました」。ハードルを飛んだ際に、足が引っ掛かり転倒し、右足首を負傷。靭帯(じんたい)の損傷に加えて、足と脚をつなぐ「距骨(きょこつ)がつぶれていると言われました」と明かした。
転倒したのは2月8日で開幕の1カ月前。その後、初めてコースでプレーできたのはダイキンに向けて沖縄入りする前々日の3月1日だった。「お医者さんから開幕戦出場はストップがかかっていたんですけど、私がどうしても出たかったので出場しました。痛かったけど、12位だったので意外とやれるなって(笑)」。この時点では当初の「7割ぐらい」の痛みが残っており、ラウンド後の練習も行えない状況だった。
ちなみに3月2日には「KANSAI COLLECTION 2025 SPRING&SUMMER」(通称・関コレ)でランウエイデビューを果たしている。時系列を考えれば、相当な痛みがあったはずで、これまた大したプロ根性だ。「今の痛みは3割ぐらい。歩いている時は痛いけど、スイングはほぼ大丈夫です。痛みとの付き合い方も分かってきたし、今年は開幕から全開とはいかなかったけど、ここから頑張りたいと思っています」。早いうちに全開宣言、そしてツアー2勝目を期待したい。(文・田中宏治)
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