勝利につながったPOでの174Yバンカー 安田祐香がどんなライでも打てる秘訣は“ギッコンバッタン”の改善にあった!【優勝者のスイング】
「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」にて、3人によるプレーオフを制し、昨年9月の初優勝に続く2勝目を飾った安田祐香。勝利を呼び込んだのは、プレーオフ4ホール目のフェアウェイバンカーからのセカンドショット。雨で水が浮き、アゴも近く、ピンまでは174ヤードとタフなショットだったが、5Uでピン奥3メートルにつけた。そのショットをはじめ、今季の安田のスイングから去年よりも大きな変化が見られるというのはプロコーチの南秀樹だ。
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「ウェットな状態なので、薄く入れたがるけど、しっかりと厚く入れてピンまで飛ばした素晴らしいショットでした。雨が降って砂が硬かったのはメリットですが、一つ間違えばダフって大きくショートする可能性もある難しいショット。スイングを改善してきたことが、あのショットにつながったと思います」。
具体的にはバックスイングで左足体重になるリバースピポットが改善されたことを挙げる。「昨年の優勝時には、ややリバースピポットの動きが見られました。もともと捻転が深くリバースになりやすかったのですが、いまはスイング軸がブレずに、リバースの動きは見られません。クラブが上から入ってくるので、曲がり幅が少なくなっていて、プレーオフのバンカーショットのような、ライにも対応できるのです」と、昨年よりもショット力が上がっているという。
「クラブが寝やすくフックに悩んでいる」、「トップで左体重になってしまう」という人は、安田のような“ブレないスイング軸”を意識したい。「頭を残そうとして、軸が傾いてしまうのがリバースピポット、ギッコンバッタンの原因です。『ボールから目を離すな!』の弊害とも言えます。バックスイングでは、頭は右に動いてOK。両ヒザの間隔をキープしながら腰を回し、肩を回転させること。理想のトップを作る反復練習をしてみましょう」。
ブレない軸のチェックには、背中側からの動画撮影が有効。「トップで頭が左に傾いていないか、体全体が“逆くの字”になっていないか確認してください。軸がブレるなら、背中全体を面で動かすようなイメージを持ち、ねじらないこと。また、肩を回す際には左肩が下がっていないか、右腰が止まっていないかも確認してください」。
リバースピポットは、トップでの左体重が改善できれば防げる動きだ。「“ギッコン”しなければ、“バッタン”は起きない」。改善できれば、カッコいいスイングとなって、飛んで曲がらなくなるなど、メリットばかり。すぐに試してみよう。
■安田祐香
やすだ・ゆうか/7歳からゴルフを始め、小学3年生から坂田塾に入塾。アマチュア時代からJGAナショナルチームに選出されるなど活躍し、2019年にプロテスト合格。昨年の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で念願のツアー初優勝を挙げた。
■南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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