「相撲」を愛する小学生がブラジル代表として再来日!世界少年相撲大会に参戦:世界!ニッポン行きたい人応援団
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時)。
今回は、ブラジルの親子の来日の様子をお届けします。
【動画】「世界!ニッポン行きたい人応援団」最新回
紹介するのは、ブラジル在住の「相撲」を愛する小学4年生のエンゾくんと、父・エウジェニオさん。

三月場所で幕内優勝した大の里関をはじめ、若手力士たちの活躍で、日本中を熱狂させている大相撲。起源は1500年以上前、その年の収穫を占う神事として始まり、鎌倉時代になると武士の鍛錬として力自慢を競うように。江戸時代には、現在の大相撲に繋がる興行も行われるようになりました。
相撲を愛するエンゾくん親子がブラジルで稽古場にしているのは、相撲歴20年の祖母マリアさんのお宅。幅3メートルほどのガレージにマットを敷き、近所の子どもたち30人と稽古をしています。
親子が暮らすのは、サンパウロ市でも世帯収入が低い地域。「ニッポンが大好きで行きたいっていう夢は持っているけど、僕の家はお金がないからニッポンのテレビが来てくれただけで嬉しいです」とエンゾくん。

相撲歴23年の父・エウジェニオさんのもと、姉・ラファエラさんとともに小さい頃から英才教育を受けてきたエンゾくん。ブラジルで開催された全国大会では、小学3年生の部で3位に! 「僕は体が小さくて大きい相手に負けちゃうので、ニッポンの道場で小兵の戦い方を学びたいです」と話します。そんなエンゾくん親子を、去年ニッポンにご招待しました。
あれから1年、ブラジル代表としてニッポンで行われる世界大会に出場するため、再び来日! 大会前に、どうしても来日を報告しておきたい方々がいるそう。
翌日、訪れたのはブラジルとの気温差約24℃の青森県。めったに見られない雪にひとはしゃぎしてから向かったのは、1年前にお世話になった「五所川原相撲教室」。津軽半島の玄関口となる五所川原市で、高校相撲界の名門・木造高校でも指導している高橋道尊監督のもと、小学生を中心に週5日の稽古に励んでいます。
青森県は土俵の鬼と呼ばれた初代若乃花をはじめ、歴代6人の横綱を輩出。角界のロボコップと呼ばれ、人気を博した高見盛も五所川原相撲教室で稽古をしていたそう。
他にも、東北大会で優勝した葛西海琉愛くんなど将来有望な子どもたちが所属。中でも一番の期待の星が、身長184センチ、体重140キロの小学生横綱・岡山裕弥くん。国内の主要大会で2年生から9冠を達成、すでに相撲部屋からも注目されている逸材です。
そして、エンゾくんの良きライバルになったのが、同い歳で体格も近い岩田龍くん。去年エンゾくんが訪れた際、初めての取り組みで負けて涙を流しましたが、仲良くなることができました。

あれから1年、エンゾくん親子が相撲教室を訪れると、生徒たちはサプライズにびっくり! 初めてのニッポンで深い絆ができた仲間たちと、久しぶりの再会を果たしました。
「1年前に一緒に練習したのを思い出した」と話す龍くんに、「僕も昨日のことのように思い出すよ」とエンゾくん。龍くんは身長が7センチ、エンゾ君は6センチ伸びました。
エウジェニオさんが、去年ここで学んだ稽古をブラジルで広めていると伝えると、「嬉しいですね」と高橋監督。「この子たちも頑張っていて、エンゾくんが来てから刺激になったと思う」と話します。
龍くんは、この1年で相撲も急成長。去年行われた県の大会では準優勝を果たすなど、教室の期待の星に! 大相撲界も注目する岡山くんは中学1年生になり、身長も190センチ近くまで伸びました。
さらに、小学2年生の山形心瑚ちゃんも新しい仲間に。同じ小学校の先輩・龍くんが才能を感じ、スカウトしたそう。
ここで、エンゾ君が「ブラジル代表として世界大会に出る」と報告。出場するのは、両国国技館で行われる「白鵬杯 世界少年相撲大会」で、ニッポンを中心に、世界15の国と地域から1000人以上の少年力士たちが参加します。元横綱・白鵬の宮城野親方が現役時代から主催し、今回で15回目を迎える世界最大級の大会です。
今年のブラジル代表を決める全国大会では、エンゾくんが、五所川原で学んだ技と帰国後の猛稽古が実を結び優勝。ブラジル代表の座を掴み、ニッポンでの本大会への切符を手にしました。

そんなエンゾくんのニッポンの恩師が、元幕内・誉富士などを育てた三浦武正師範。55年前、高校相撲日本一に輝いた青森相撲界の重鎮です。三浦師範は「男前になったな」と再会を喜んでくださいました。
去年の初来日では、四股の踏み方から指導してくださった三浦師範。四股は股関節を開き、膝が90度近くになるまで腰を落とす「腰割り」の姿勢から、片足に全体重を乗せて土を掴み、足を踏み込むかなりきついトレーニング。最初はおぼつかなかったエンゾくんも、100回繰り返す頃には「うまい」と褒められるほどに。
ぶつかり稽古では、「脇を締めたらもっといい」とアドバイス。脇に手を入れられると負けやすくなるのです。エンゾくんの実力を見るため、あえて大きい相手と取り組みをすると「あたりが弱いから相撲取らないうちに終わっちゃう」と指摘が。あたりが弱いとまわしが取れないそう。

ブラジルでも「自分より大きい相手だと、すぐ押し出されてしまう」と悩んでいたエンゾくん。体重差の不利を跳ね返すポイントは、頭から低い姿勢でぶつかり、相手の体勢を崩すこと。小兵の自分が一番知りたかったことを教えていただき、猛特訓! 「頭からぶつかるのはあまりやったことがなくて。一生懸命頑張ります」と意気込みます。
その後も、課題克服のため三浦師範と稽古。しかし、なかなかコツを掴めず、体が引けてしまったまま。同じ体格の龍くんには優勢ですが、自分より大きい相手になるとすぐ不利な体勢に持ち込まれ、やられっぱなしに。頭からぶつかることに恐怖心がある様子。
そんなエンゾくんを力づけようと、相撲教室の皆さんが歓迎会を開いてくださいました。
先生や保護者の方々が朝から4時間かけて作ってくださったのは、ホタテの貝殻を鍋代わりに、海鮮を卵でとじた津軽の郷土料理「貝焼き味噌」や「馬肉鍋」。三浦師範特製、醤油味のちゃんこ鍋も! たくさん食べるのも、相撲にとっては稽古の一つ。エンゾくんもみんなと一緒に美味しくいただきました。
こうして、9日間にわたって行われた稽古。終盤になると、頭からぶつかっていけるようになり、毎日切磋琢磨してきた同い年の龍くんと稽古の成果を見せることに。すると、エンゾくんにまだ1回も勝てていなかった龍くんが初勝利! 実は、ライバルにどうしても勝ちたいと、いつも近くで稽古をしていました。
その後の取り組みでも、力はほぼ互角。「2人は良い感じですよね」と高橋監督。三浦師範からも「頭と頭がゴツンとあたってる。ものすごい進歩」とお褒めの言葉が。
先生たちからもお墨付きをもらい、五所川原での稽古は終了。エンゾくんは皆さんに「先生や皆さんのおかげで成長できたし、本当に感謝しています」と伝えました。
そして今年。「大会前にもう一度、五所川原相撲教室で稽古がしたいです」というエンゾくんの希望で、他のブラジル代表チームより一足先に来日。三浦師範に教えを乞い、エンゾくんと同じ世界少年相撲大会に出場する五所川原の仲間と切磋琢磨することに!
1年ぶりの恩師や仲間との稽古。まずは四股踏みから。フラフラだった四股も、安定して高く上がり、しっかりと腰割りもできています。課題だった立ち合いのぶつかりは、脇を締め、頭から力強くぶつかれるように。

「去年教えたことをお父さんがブラジルでも教えたから強くなったんじゃないの」と話す三浦師範に、「師範の教えの賜物です」とエウジェニオさん。エンゾくんも「ニッポンで学べたおかげで、大きな相手にぶつかるのも怖くなくなりました」と、立ち合いにはすっかり自信がついたよう。
ここからは、下の学年から三番勝負! まずは龍くんがスカウトした2年生の心瑚ちゃんから。入門2カ月にもかかわらず、年上の相手にもまったく引けを取らない逸材です。
心瑚ちゃんの相撲を見て、「めっちゃ強いんだけど」と気合が入ったエンゾくん。ライバルの龍くんと1年ぶりに対戦します。

1戦目では龍くんが勝ち、間を空けずに2戦目。頭でぶつかる良い立ち合いでしたが、龍くんの出し投げが決まり、エンゾくんは2連敗。最後の一番でも、去年は互角だった龍くんに全く歯が立ちません。
「先生! 龍くんの立ち合いが強かったので去年教わった出し投げを狙ったんですが、すぐに返されてしまいます」とエンゾくん。
去年、出し投げを教えてくださったのは、女子相撲の個人戦・団体戦で世界2位の実績を持つ今 日和(こんひより)選手。三浦師範と同じ青森県鰺ヶ沢町出身で、小学1~6年間、三浦師範に相撲の基礎を徹底的に叩きこまれました。
出し投げは、相手の押す力を利用して投げる、小兵力士にうってつけの技。「狙ってできたら天才だし、まずは前に出る。押してったらチャンスがどんどん作れるから」と今選手。小柄なエンゾくんのためにと、手取り足取り伝授してくださいました。
そして教わった出し投げをブラジルで磨いてきたエンゾくんでしたが、技の途中で返されてしまうそう。

「相手を引きつけなきゃダメ」と三浦師範。「引きつけ」とは、相手を引き寄せ密着することで自由を奪い、技をかけやすくすること。エンゾくんは引きつけが甘く、体が離れたまま技をかけようとしているため、簡単に返されてしまうのです。
そこで今度は、引きつけを特訓していただくことに。三浦師範を相手に10回のぶつかり稽古を行うと、少しずつ強く引きつけられるようになり、稽古初日が終了しました。
滞在中は観光も。この日は稽古前に、五所川原の隣町にある津軽中里駅へ。龍くんに誘われて乗り込んだのは、冬景色の津軽半島を走るノスタルジックな「津軽鉄道ストーブ列車」。車内の暖房は、石炭をくべる昔ながらのだるまストーブです。ストーブで焼くスルメイカに、エンゾくんは「とても面白い」と興味津々。
列車は、文豪・太宰治が生まれた金木地区へ。「もしかしたら、あそこに俺の家が見えるかも」と話す龍くんに、エンゾくんが「遠すぎるよ!」と笑う場面も。

「でも龍くんといると楽しい! たくさん笑えるから元気が出る!」と話すエンゾくん。
龍くんとの仲がさらに深まり、新しい相撲仲間の心瑚ちゃんとも鬼ごっこをして遊ぶなど、すっかり仲良しになりました。
その後も、3日間にわたって行われた猛稽古。課題の引きつけと出し投げのコツを教えていただき、引きつけに必要な腕力の鍛錬もみっちりと。
そして、3連敗中の龍くんと再び勝負。今度は、寄り倒しでエンゾくんの勝利! 果敢に前に出て、引きつけで投げを封じました。次の一番でも技を出す隙を与えず、この日は龍くんを完封。その後も1戦ごとに勝敗が入れ替わるほど、互いにめきめきと成長した2人は、さらに良きライバルに。
三浦師範から「すごい相撲をとった、ちゃんと鋭く前に出てた」と嬉しい言葉をいただいたエンゾくん。「先生に教わったことを大会で絶対に出します」と意気込み、五所川原での特別稽古が終了しました。

最後にエンゾくんから、「ブラジルの幸運のお守りだよ」と、一人一人にプレゼントが。
白鵬杯での健闘を祈って手作りしたブレスレットです。
そして、高橋監督に招かれ白鵬杯の決起会へ。用意してくださったのは、山菜などが入った郷土料理「けの汁」や、13時間煮込んだ五所川原の定番「馬肉カレー」。以前「馬肉カレー」を食べた生徒が大会でも好成績だったことから、五所川原相撲教室では試合前の験担ぎになっています。青森のローカルコンビニ「オレンジハート」の名物、巨大なメガバーガーも登場しました。
心づくしの料理をお腹いっぱいいただいたところで、「大会に出る前に、みんなの目標、今の気持ちを伝えてほしい」と高橋監督。

「恩返しとして大会でも良い相撲を見せることができれば」とエウジェニオさん。そしてエンゾくん、「先生方に感謝しています。教室のみんなもありがとう…」と伝えると、涙が…。
「『ありがとう』と言って泣く選手はいなかったなぁ。なんか嬉しいな」と高橋監督。
三浦師範からは「自分の持っている力を試合で全部出し切ってください」と激励の言葉をいただきました。
1年ぶりの五所川原で、さらに相撲の技を磨いたエンゾくん。白鵬杯での健闘を誓い合い、向かったのは東京・浅草。ここでブラジル代表チーム、日系2世のトオル・コサイヒラ監督やキャプテンのサミュエルくんが待っていました。コーチを務める日系2世のタカヒロ・ヒグチさんによると、エンゾくんはニッポンでの色々な経験をみんなに教えているそう。
「ブラジル勝つぞ!」と気合を入れる代表チーム。いよいよ、少年相撲の世界一を決める白鵬杯に挑みます。
大会当日、やってきたのは大相撲の聖地・両国国技館。こちらで行われるのが、元横綱・白鵬の宮城野親方が主催する世界最大級の少年相撲大会「白鵬杯 世界少年相撲大会」です。
先月の三月場所で幕内優勝した大関・大の里関も中学時代に優勝。さらに、初土俵から所要3場所で新入幕した令和の怪物、伯桜鵬関も中学時代に優勝。大相撲への登竜門になっています。

「この場所に戻ってこられて興奮しています!」とエンゾくん。
◆
去年、初来日した時は、大会事務局の計らいで番組代表として出場。小学3年生の部で、同い年の龍くんの他、世界から参加した96人で優勝を争いました。
4つのブロックで予選を行い、各ブロックを勝ち抜いた4人が決勝トーナメントに進出しますが…ここで運命のイタズラが。なんと、エンゾくんと龍くんが同じ予選ブロックに! 1回戦に勝てば、次はシード枠の龍くんと対戦することになります。
まずは1回戦、エンゾくんは対戦相手の欠場により不戦勝。この結果、大舞台でライバル対決が実現! 頭からぶつかり、引き落としでエンゾくんが勝利しました。
予選ブロックのベスト8に進出し、あと3回勝てば本土俵での決勝トーナメント。しかし、5キロ以上重い相手とあたり、残念ながら敗退。悔しがるエンゾくんに、「一生懸命だった、良かった」と三浦師範。
一方、小学6年生の岡山くんは予選を勝ち上がり決勝トーナメントに進出。モンゴル代表のテムージンくんを強烈な押し倒しで破り、準決勝では上手投げで決勝進出。
相手は、去年岡山くんに決勝で敗れた秋田の佐々木くんです。健闘したものの、わずかな差で先に体が土に。岡山くんは、公式大会1年ぶりの敗戦で、準優勝となりました。

大会の結果を受け、「悔しいならもっと練習しなきゃダメ。絶対にこの負けを忘れちゃダメ」とみんなに伝える高橋監督。負けることは成長への財産だと。大会を通じて学ぶことができました。
◆
あれから1年。いよいよ成長を見せる舞台が開幕! 今年は国内152チームを含む15の国と地域から、過去最多の1100人以上が出場します。
ブラジル代表チームがいるのは、めったに入ることができない支度部屋。普段は力士が髷を結ったり化粧廻しをつけたりする場所で、横綱や大関といった番付が上位ほど、上座で支度を。大会当日は、相撲に情熱を燃やす子どもたちのために、鉄砲柱やお風呂場なども特別に開放しています。
そこへ、三浦師範が激励に。エンゾくんが「先生の教え通り、相手をしっかり引きつけて勝ちます」と伝えると、「勝てるから! 頑張れ!」と力強い言葉をくださいました。
さらに青森から、龍くんをはじめ、五所川原相撲教室の仲間も。「自分の相撲を取れる大会にしたい」と話す龍くんに、「きっと出来るよ」とエンゾくん。
2人が出場する小学4年生の部には、128人が参加。去年は予選ブロック2回戦にしてライバル対決となってしまいましたが、今年はさすがに予選ブロックが離れています。決勝トーナメントまで、ライバル対決はおあずけに。

そしていよいよ、エンゾくんの1回戦。相手は、ほぼ同じ体格の東くん。エウジェニオさんと三浦師範の応援を受け、寄り倒しでエンゾくんの勝ち。立ち合いで積極的にあたり、三浦師範に習った、引きつけで相手を崩す相撲をとることができました。早速、ニッポンでの稽古の成果が現れているようです。「強くなった、この1年で」と高橋監督。
一方、ライバル龍くんの1回戦の相手は、体重が20キロ以上も重い高橋くん。体重差のある相手に粘ったものの、エンゾくんと対決する夢は持ち越しに。
中学生の部の予選には、元小学生横綱・岡山くんが出場。相手は、1つ年上の寺口くん。中学生は1~3年生まで一同に予選を行います。
寄り倒しで相手を圧倒した岡山くんは、続く2回戦でも2つ年上の田島くんを相手に、押し相撲からの上手出し投げで勝利。
しかし、あと2回で決勝トーナメントに進出というところで、去年の中学総体・鳥取代表の河本くんの力強い相撲に押され、3回戦敗退。「やっぱり練習をしないとダメですね。来年は決勝トーナメントに出て、優勝します」と話してくれました。
ちなみに中学生の部の決勝戦は、去年の全国大会で優勝した片桐くんと、鳥取の名門・因幡相撲クラブに通うモンゴル出身のテムージンくん。実はテムージンくん、去年の小学6年生の決勝トーナメントで岡山くんと対戦。強烈な一撃で土をつけられましたが、今年は1年生ながら決勝戦に進出。見事優勝し、特典として豚一頭が贈られました。
そして、いよいよエンゾくんの2回戦。相手は体重が1.5倍ある濵村くん。去年のわんぱく相撲全国大会の静岡代表です。
三浦師範は審判員も務めているため、別の会場へ。エウジェニオさんは「全力だ! エンゾ!」と熱い声援を送りましたが…エンゾくんの左手が、わずかに先に土へ。軍配は濵村くんに上がりました。

龍くんとハグを交わし、「お互い残念だったけど、団体戦頑張ろう」とエンゾくん。白鵬杯には団体戦もあるのです。2人の戦いはまだまだこれから!
そしてついに、ブラジル代表の初戦がスタートしました。舞台は、大相撲の力士たちもしのぎを削る本土俵です。エンゾくんの相手は、1学年下でも体重が2倍ある日向くん。果たして、勝負の行方は!? さらに、龍くんが覚醒! 後編もお楽しみに!
月曜夜8時からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団スペシャル」を放送!
▼ブラジルチームが浅香山部屋で特別稽古
ブラジル代表として“白鵬杯”に出場、個人戦では惜しくも2回戦で敗退してしまったエンゾくん(10)。実は大会前…ブラジル代表チームは通算1047勝☆歴代2位の偉大な記録をもつ元大関・魁皇の浅香山部屋で特別稽古を!本物の力士たちの稽古を間近で見学し相手の腕を絞り上げて攻撃力を封じる“おっつけ”など勝つための技術や勝負の付け方を教わる!
▼憧れの力士たちが目の前に!
大会を主催する元横綱・白鵬の宮城野親方が海外チームのために自らお手本となり合同稽古を!さらに、大会当日には1100人以上の少年たちを激励しに憧れの力士たちが続々と目の前に♪去年来日した際、五所川原で対面した尊富士関と再会!他にも、中学時代に“白鵬杯”で優勝した伯桜鵬関、今年引退した元横綱・照ノ富士親方と対面!夢のようなひと時を過ごし、いざ“団体戦”へ…。
▼白鵬杯“団体戦”開幕☆
世界9の国と地域の代表チームと国内の相撲教室などから選抜された102チームが参加!5人VS5人の“団体戦”が開幕!頂点を目指しブラジル代表チーム&五所川原チームそれぞれの戦いが始まる…すると、五所川原チームではエンゾくんの同い年ライバル“岩田龍くん”が大活躍☆一方、ブラジル代表チームはお笑い芸人・あかつさん率いる相撲道場とのまさかの対戦が…!?
今回は、ブラジルの親子の来日の様子をお届けします。
【動画】「世界!ニッポン行きたい人応援団」最新回
五所川原相撲教室の仲間たちと1年ぶりに再会
紹介するのは、ブラジル在住の「相撲」を愛する小学4年生のエンゾくんと、父・エウジェニオさん。

三月場所で幕内優勝した大の里関をはじめ、若手力士たちの活躍で、日本中を熱狂させている大相撲。起源は1500年以上前、その年の収穫を占う神事として始まり、鎌倉時代になると武士の鍛錬として力自慢を競うように。江戸時代には、現在の大相撲に繋がる興行も行われるようになりました。
相撲を愛するエンゾくん親子がブラジルで稽古場にしているのは、相撲歴20年の祖母マリアさんのお宅。幅3メートルほどのガレージにマットを敷き、近所の子どもたち30人と稽古をしています。
親子が暮らすのは、サンパウロ市でも世帯収入が低い地域。「ニッポンが大好きで行きたいっていう夢は持っているけど、僕の家はお金がないからニッポンのテレビが来てくれただけで嬉しいです」とエンゾくん。

相撲歴23年の父・エウジェニオさんのもと、姉・ラファエラさんとともに小さい頃から英才教育を受けてきたエンゾくん。ブラジルで開催された全国大会では、小学3年生の部で3位に! 「僕は体が小さくて大きい相手に負けちゃうので、ニッポンの道場で小兵の戦い方を学びたいです」と話します。そんなエンゾくん親子を、去年ニッポンにご招待しました。
あれから1年、ブラジル代表としてニッポンで行われる世界大会に出場するため、再び来日! 大会前に、どうしても来日を報告しておきたい方々がいるそう。
翌日、訪れたのはブラジルとの気温差約24℃の青森県。めったに見られない雪にひとはしゃぎしてから向かったのは、1年前にお世話になった「五所川原相撲教室」。津軽半島の玄関口となる五所川原市で、高校相撲界の名門・木造高校でも指導している高橋道尊監督のもと、小学生を中心に週5日の稽古に励んでいます。
青森県は土俵の鬼と呼ばれた初代若乃花をはじめ、歴代6人の横綱を輩出。角界のロボコップと呼ばれ、人気を博した高見盛も五所川原相撲教室で稽古をしていたそう。
他にも、東北大会で優勝した葛西海琉愛くんなど将来有望な子どもたちが所属。中でも一番の期待の星が、身長184センチ、体重140キロの小学生横綱・岡山裕弥くん。国内の主要大会で2年生から9冠を達成、すでに相撲部屋からも注目されている逸材です。
そして、エンゾくんの良きライバルになったのが、同い歳で体格も近い岩田龍くん。去年エンゾくんが訪れた際、初めての取り組みで負けて涙を流しましたが、仲良くなることができました。

あれから1年、エンゾくん親子が相撲教室を訪れると、生徒たちはサプライズにびっくり! 初めてのニッポンで深い絆ができた仲間たちと、久しぶりの再会を果たしました。
「1年前に一緒に練習したのを思い出した」と話す龍くんに、「僕も昨日のことのように思い出すよ」とエンゾくん。龍くんは身長が7センチ、エンゾ君は6センチ伸びました。
エウジェニオさんが、去年ここで学んだ稽古をブラジルで広めていると伝えると、「嬉しいですね」と高橋監督。「この子たちも頑張っていて、エンゾくんが来てから刺激になったと思う」と話します。
龍くんは、この1年で相撲も急成長。去年行われた県の大会では準優勝を果たすなど、教室の期待の星に! 大相撲界も注目する岡山くんは中学1年生になり、身長も190センチ近くまで伸びました。
さらに、小学2年生の山形心瑚ちゃんも新しい仲間に。同じ小学校の先輩・龍くんが才能を感じ、スカウトしたそう。
ここで、エンゾ君が「ブラジル代表として世界大会に出る」と報告。出場するのは、両国国技館で行われる「白鵬杯 世界少年相撲大会」で、ニッポンを中心に、世界15の国と地域から1000人以上の少年力士たちが参加します。元横綱・白鵬の宮城野親方が現役時代から主催し、今回で15回目を迎える世界最大級の大会です。
今年のブラジル代表を決める全国大会では、エンゾくんが、五所川原で学んだ技と帰国後の猛稽古が実を結び優勝。ブラジル代表の座を掴み、ニッポンでの本大会への切符を手にしました。

そんなエンゾくんのニッポンの恩師が、元幕内・誉富士などを育てた三浦武正師範。55年前、高校相撲日本一に輝いた青森相撲界の重鎮です。三浦師範は「男前になったな」と再会を喜んでくださいました。
去年の初来日では、四股の踏み方から指導してくださった三浦師範。四股は股関節を開き、膝が90度近くになるまで腰を落とす「腰割り」の姿勢から、片足に全体重を乗せて土を掴み、足を踏み込むかなりきついトレーニング。最初はおぼつかなかったエンゾくんも、100回繰り返す頃には「うまい」と褒められるほどに。
ぶつかり稽古では、「脇を締めたらもっといい」とアドバイス。脇に手を入れられると負けやすくなるのです。エンゾくんの実力を見るため、あえて大きい相手と取り組みをすると「あたりが弱いから相撲取らないうちに終わっちゃう」と指摘が。あたりが弱いとまわしが取れないそう。

ブラジルでも「自分より大きい相手だと、すぐ押し出されてしまう」と悩んでいたエンゾくん。体重差の不利を跳ね返すポイントは、頭から低い姿勢でぶつかり、相手の体勢を崩すこと。小兵の自分が一番知りたかったことを教えていただき、猛特訓! 「頭からぶつかるのはあまりやったことがなくて。一生懸命頑張ります」と意気込みます。
その後も、課題克服のため三浦師範と稽古。しかし、なかなかコツを掴めず、体が引けてしまったまま。同じ体格の龍くんには優勢ですが、自分より大きい相手になるとすぐ不利な体勢に持ち込まれ、やられっぱなしに。頭からぶつかることに恐怖心がある様子。
そんなエンゾくんを力づけようと、相撲教室の皆さんが歓迎会を開いてくださいました。
先生や保護者の方々が朝から4時間かけて作ってくださったのは、ホタテの貝殻を鍋代わりに、海鮮を卵でとじた津軽の郷土料理「貝焼き味噌」や「馬肉鍋」。三浦師範特製、醤油味のちゃんこ鍋も! たくさん食べるのも、相撲にとっては稽古の一つ。エンゾくんもみんなと一緒に美味しくいただきました。
こうして、9日間にわたって行われた稽古。終盤になると、頭からぶつかっていけるようになり、毎日切磋琢磨してきた同い年の龍くんと稽古の成果を見せることに。すると、エンゾくんにまだ1回も勝てていなかった龍くんが初勝利! 実は、ライバルにどうしても勝ちたいと、いつも近くで稽古をしていました。
その後の取り組みでも、力はほぼ互角。「2人は良い感じですよね」と高橋監督。三浦師範からも「頭と頭がゴツンとあたってる。ものすごい進歩」とお褒めの言葉が。
先生たちからもお墨付きをもらい、五所川原での稽古は終了。エンゾくんは皆さんに「先生や皆さんのおかげで成長できたし、本当に感謝しています」と伝えました。
そして今年。「大会前にもう一度、五所川原相撲教室で稽古がしたいです」というエンゾくんの希望で、他のブラジル代表チームより一足先に来日。三浦師範に教えを乞い、エンゾくんと同じ世界少年相撲大会に出場する五所川原の仲間と切磋琢磨することに!
1年ぶりの恩師や仲間との稽古。まずは四股踏みから。フラフラだった四股も、安定して高く上がり、しっかりと腰割りもできています。課題だった立ち合いのぶつかりは、脇を締め、頭から力強くぶつかれるように。

「去年教えたことをお父さんがブラジルでも教えたから強くなったんじゃないの」と話す三浦師範に、「師範の教えの賜物です」とエウジェニオさん。エンゾくんも「ニッポンで学べたおかげで、大きな相手にぶつかるのも怖くなくなりました」と、立ち合いにはすっかり自信がついたよう。
ここからは、下の学年から三番勝負! まずは龍くんがスカウトした2年生の心瑚ちゃんから。入門2カ月にもかかわらず、年上の相手にもまったく引けを取らない逸材です。
心瑚ちゃんの相撲を見て、「めっちゃ強いんだけど」と気合が入ったエンゾくん。ライバルの龍くんと1年ぶりに対戦します。

1戦目では龍くんが勝ち、間を空けずに2戦目。頭でぶつかる良い立ち合いでしたが、龍くんの出し投げが決まり、エンゾくんは2連敗。最後の一番でも、去年は互角だった龍くんに全く歯が立ちません。
「先生! 龍くんの立ち合いが強かったので去年教わった出し投げを狙ったんですが、すぐに返されてしまいます」とエンゾくん。
去年、出し投げを教えてくださったのは、女子相撲の個人戦・団体戦で世界2位の実績を持つ今 日和(こんひより)選手。三浦師範と同じ青森県鰺ヶ沢町出身で、小学1~6年間、三浦師範に相撲の基礎を徹底的に叩きこまれました。
出し投げは、相手の押す力を利用して投げる、小兵力士にうってつけの技。「狙ってできたら天才だし、まずは前に出る。押してったらチャンスがどんどん作れるから」と今選手。小柄なエンゾくんのためにと、手取り足取り伝授してくださいました。
そして教わった出し投げをブラジルで磨いてきたエンゾくんでしたが、技の途中で返されてしまうそう。

「相手を引きつけなきゃダメ」と三浦師範。「引きつけ」とは、相手を引き寄せ密着することで自由を奪い、技をかけやすくすること。エンゾくんは引きつけが甘く、体が離れたまま技をかけようとしているため、簡単に返されてしまうのです。
そこで今度は、引きつけを特訓していただくことに。三浦師範を相手に10回のぶつかり稽古を行うと、少しずつ強く引きつけられるようになり、稽古初日が終了しました。
滞在中は観光も。この日は稽古前に、五所川原の隣町にある津軽中里駅へ。龍くんに誘われて乗り込んだのは、冬景色の津軽半島を走るノスタルジックな「津軽鉄道ストーブ列車」。車内の暖房は、石炭をくべる昔ながらのだるまストーブです。ストーブで焼くスルメイカに、エンゾくんは「とても面白い」と興味津々。
列車は、文豪・太宰治が生まれた金木地区へ。「もしかしたら、あそこに俺の家が見えるかも」と話す龍くんに、エンゾくんが「遠すぎるよ!」と笑う場面も。

「でも龍くんといると楽しい! たくさん笑えるから元気が出る!」と話すエンゾくん。
龍くんとの仲がさらに深まり、新しい相撲仲間の心瑚ちゃんとも鬼ごっこをして遊ぶなど、すっかり仲良しになりました。
その後も、3日間にわたって行われた猛稽古。課題の引きつけと出し投げのコツを教えていただき、引きつけに必要な腕力の鍛錬もみっちりと。
そして、3連敗中の龍くんと再び勝負。今度は、寄り倒しでエンゾくんの勝利! 果敢に前に出て、引きつけで投げを封じました。次の一番でも技を出す隙を与えず、この日は龍くんを完封。その後も1戦ごとに勝敗が入れ替わるほど、互いにめきめきと成長した2人は、さらに良きライバルに。
三浦師範から「すごい相撲をとった、ちゃんと鋭く前に出てた」と嬉しい言葉をいただいたエンゾくん。「先生に教わったことを大会で絶対に出します」と意気込み、五所川原での特別稽古が終了しました。

最後にエンゾくんから、「ブラジルの幸運のお守りだよ」と、一人一人にプレゼントが。
白鵬杯での健闘を祈って手作りしたブレスレットです。
そして、高橋監督に招かれ白鵬杯の決起会へ。用意してくださったのは、山菜などが入った郷土料理「けの汁」や、13時間煮込んだ五所川原の定番「馬肉カレー」。以前「馬肉カレー」を食べた生徒が大会でも好成績だったことから、五所川原相撲教室では試合前の験担ぎになっています。青森のローカルコンビニ「オレンジハート」の名物、巨大なメガバーガーも登場しました。
心づくしの料理をお腹いっぱいいただいたところで、「大会に出る前に、みんなの目標、今の気持ちを伝えてほしい」と高橋監督。

「恩返しとして大会でも良い相撲を見せることができれば」とエウジェニオさん。そしてエンゾくん、「先生方に感謝しています。教室のみんなもありがとう…」と伝えると、涙が…。
「『ありがとう』と言って泣く選手はいなかったなぁ。なんか嬉しいな」と高橋監督。
三浦師範からは「自分の持っている力を試合で全部出し切ってください」と激励の言葉をいただきました。
ブラジル代表と合流! 世界少年相撲大会へ
1年ぶりの五所川原で、さらに相撲の技を磨いたエンゾくん。白鵬杯での健闘を誓い合い、向かったのは東京・浅草。ここでブラジル代表チーム、日系2世のトオル・コサイヒラ監督やキャプテンのサミュエルくんが待っていました。コーチを務める日系2世のタカヒロ・ヒグチさんによると、エンゾくんはニッポンでの色々な経験をみんなに教えているそう。
「ブラジル勝つぞ!」と気合を入れる代表チーム。いよいよ、少年相撲の世界一を決める白鵬杯に挑みます。
大会当日、やってきたのは大相撲の聖地・両国国技館。こちらで行われるのが、元横綱・白鵬の宮城野親方が主催する世界最大級の少年相撲大会「白鵬杯 世界少年相撲大会」です。
先月の三月場所で幕内優勝した大関・大の里関も中学時代に優勝。さらに、初土俵から所要3場所で新入幕した令和の怪物、伯桜鵬関も中学時代に優勝。大相撲への登竜門になっています。

「この場所に戻ってこられて興奮しています!」とエンゾくん。
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去年、初来日した時は、大会事務局の計らいで番組代表として出場。小学3年生の部で、同い年の龍くんの他、世界から参加した96人で優勝を争いました。
4つのブロックで予選を行い、各ブロックを勝ち抜いた4人が決勝トーナメントに進出しますが…ここで運命のイタズラが。なんと、エンゾくんと龍くんが同じ予選ブロックに! 1回戦に勝てば、次はシード枠の龍くんと対戦することになります。
まずは1回戦、エンゾくんは対戦相手の欠場により不戦勝。この結果、大舞台でライバル対決が実現! 頭からぶつかり、引き落としでエンゾくんが勝利しました。
予選ブロックのベスト8に進出し、あと3回勝てば本土俵での決勝トーナメント。しかし、5キロ以上重い相手とあたり、残念ながら敗退。悔しがるエンゾくんに、「一生懸命だった、良かった」と三浦師範。
一方、小学6年生の岡山くんは予選を勝ち上がり決勝トーナメントに進出。モンゴル代表のテムージンくんを強烈な押し倒しで破り、準決勝では上手投げで決勝進出。
相手は、去年岡山くんに決勝で敗れた秋田の佐々木くんです。健闘したものの、わずかな差で先に体が土に。岡山くんは、公式大会1年ぶりの敗戦で、準優勝となりました。

大会の結果を受け、「悔しいならもっと練習しなきゃダメ。絶対にこの負けを忘れちゃダメ」とみんなに伝える高橋監督。負けることは成長への財産だと。大会を通じて学ぶことができました。
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あれから1年。いよいよ成長を見せる舞台が開幕! 今年は国内152チームを含む15の国と地域から、過去最多の1100人以上が出場します。
ブラジル代表チームがいるのは、めったに入ることができない支度部屋。普段は力士が髷を結ったり化粧廻しをつけたりする場所で、横綱や大関といった番付が上位ほど、上座で支度を。大会当日は、相撲に情熱を燃やす子どもたちのために、鉄砲柱やお風呂場なども特別に開放しています。
そこへ、三浦師範が激励に。エンゾくんが「先生の教え通り、相手をしっかり引きつけて勝ちます」と伝えると、「勝てるから! 頑張れ!」と力強い言葉をくださいました。
さらに青森から、龍くんをはじめ、五所川原相撲教室の仲間も。「自分の相撲を取れる大会にしたい」と話す龍くんに、「きっと出来るよ」とエンゾくん。
2人が出場する小学4年生の部には、128人が参加。去年は予選ブロック2回戦にしてライバル対決となってしまいましたが、今年はさすがに予選ブロックが離れています。決勝トーナメントまで、ライバル対決はおあずけに。

そしていよいよ、エンゾくんの1回戦。相手は、ほぼ同じ体格の東くん。エウジェニオさんと三浦師範の応援を受け、寄り倒しでエンゾくんの勝ち。立ち合いで積極的にあたり、三浦師範に習った、引きつけで相手を崩す相撲をとることができました。早速、ニッポンでの稽古の成果が現れているようです。「強くなった、この1年で」と高橋監督。
一方、ライバル龍くんの1回戦の相手は、体重が20キロ以上も重い高橋くん。体重差のある相手に粘ったものの、エンゾくんと対決する夢は持ち越しに。
中学生の部の予選には、元小学生横綱・岡山くんが出場。相手は、1つ年上の寺口くん。中学生は1~3年生まで一同に予選を行います。
寄り倒しで相手を圧倒した岡山くんは、続く2回戦でも2つ年上の田島くんを相手に、押し相撲からの上手出し投げで勝利。
しかし、あと2回で決勝トーナメントに進出というところで、去年の中学総体・鳥取代表の河本くんの力強い相撲に押され、3回戦敗退。「やっぱり練習をしないとダメですね。来年は決勝トーナメントに出て、優勝します」と話してくれました。
ちなみに中学生の部の決勝戦は、去年の全国大会で優勝した片桐くんと、鳥取の名門・因幡相撲クラブに通うモンゴル出身のテムージンくん。実はテムージンくん、去年の小学6年生の決勝トーナメントで岡山くんと対戦。強烈な一撃で土をつけられましたが、今年は1年生ながら決勝戦に進出。見事優勝し、特典として豚一頭が贈られました。
そして、いよいよエンゾくんの2回戦。相手は体重が1.5倍ある濵村くん。去年のわんぱく相撲全国大会の静岡代表です。
三浦師範は審判員も務めているため、別の会場へ。エウジェニオさんは「全力だ! エンゾ!」と熱い声援を送りましたが…エンゾくんの左手が、わずかに先に土へ。軍配は濵村くんに上がりました。

龍くんとハグを交わし、「お互い残念だったけど、団体戦頑張ろう」とエンゾくん。白鵬杯には団体戦もあるのです。2人の戦いはまだまだこれから!
そしてついに、ブラジル代表の初戦がスタートしました。舞台は、大相撲の力士たちもしのぎを削る本土俵です。エンゾくんの相手は、1学年下でも体重が2倍ある日向くん。果たして、勝負の行方は!? さらに、龍くんが覚醒! 後編もお楽しみに!
月曜夜8時からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団スペシャル」を放送!
▼ブラジルチームが浅香山部屋で特別稽古
ブラジル代表として“白鵬杯”に出場、個人戦では惜しくも2回戦で敗退してしまったエンゾくん(10)。実は大会前…ブラジル代表チームは通算1047勝☆歴代2位の偉大な記録をもつ元大関・魁皇の浅香山部屋で特別稽古を!本物の力士たちの稽古を間近で見学し相手の腕を絞り上げて攻撃力を封じる“おっつけ”など勝つための技術や勝負の付け方を教わる!
▼憧れの力士たちが目の前に!
大会を主催する元横綱・白鵬の宮城野親方が海外チームのために自らお手本となり合同稽古を!さらに、大会当日には1100人以上の少年たちを激励しに憧れの力士たちが続々と目の前に♪去年来日した際、五所川原で対面した尊富士関と再会!他にも、中学時代に“白鵬杯”で優勝した伯桜鵬関、今年引退した元横綱・照ノ富士親方と対面!夢のようなひと時を過ごし、いざ“団体戦”へ…。
▼白鵬杯“団体戦”開幕☆
世界9の国と地域の代表チームと国内の相撲教室などから選抜された102チームが参加!5人VS5人の“団体戦”が開幕!頂点を目指しブラジル代表チーム&五所川原チームそれぞれの戦いが始まる…すると、五所川原チームではエンゾくんの同い年ライバル“岩田龍くん”が大活躍☆一方、ブラジル代表チームはお笑い芸人・あかつさん率いる相撲道場とのまさかの対戦が…!?
記事提供元:テレ東プラス
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