Suicaでタッチもきっぷも不要に? 上越新幹線新潟駅・長岡駅で「ウォークスルー改札」実証実験へ
JR東日本は、将来的な「ウォークスルー改札」の実現に向けて、顔認証技術を活用した新たな改札機の実証実験を、上越新幹線の新潟駅および長岡駅で2025年秋から開始します。
顔認証システムを搭載するとどうなる?
「顔認証システム」は、駅改札の移動をよりスムーズに利用するための次世代技術として注目されています。実現すれば、改札機に切符の投入やICカードのタッチをする必要がなく、非接触で通過が可能に。手荷物が多い旅行者や高齢者にとって便利なだけでなく、感染症対策としても有効です。
顔認証システムと言えば、例えば羽田空港や成田空港の国際線では既に、顔認証ゲートでチェックインから搭乗まで完結するシステム「Face Express」を導入しています。
鉄道でいち早く顔認証システムを導入したのは、新交通システム「山万ユーカリが丘線」。改札機に設置されたタブレット端末に顔を近づけ、認証されると改札機を通過できます。
【参考】山万ユーカリが丘線などで「顔認証乗車システム」6月15日からついに本格始動(千葉県佐倉市)
https://tetsudo-ch.com/12963459.html
また、成田空港へのアクセスに便利な京成電鉄のスカイライナーでも、2025年1月から、顔認証乗車サービス「Skyliner e-ticket Face Check in Go」を導入しました。
【参考】京成電鉄が「AI顔認証でスカイライナーに乗車できる」新サービスを導入 2025年1月下旬から
https://tetsudo-ch.com/12993376.html
いよいよ、JR東日本も「ウォークスルー改札」へ一歩前進!?

JR東日本は、「Suica Renaissance」の推進に向けた取り組みのひとつとして、ウォークスルー改札の導入に向けた検討を進めてきました。その一環として、上越新幹線の新潟駅(新幹線東改札)と長岡駅(新幹線改札)で、顔認証技術を用いた改札機の設置と実証実験を実施すると発表。実施時期は2025年秋ごろから2026年春ごろとなる見込みです。
対象者は、新幹線定期券「FREX」にSuicaの機能が付いた「Suica FREX」もしくは「Suica FREXパル」を利用するモニター参加者。主な評価項目としては「顔認証技術そのものの精度確認」「照度・カメラ角度・環境といった機器設置環境」「改札機を通過する歩行速度やカメラと歩行者の距離、改札機と顔認証センサーの連動確認」を挙げています。
技術開発は、JR東日本メカトロニクス株式会社と日本電気株式会社(NEC)、パナソニック コネクト株式会社の3社が共同で推進。新潟駅では既存の改札機に顔認証システムを追加設置、長岡駅では専用改札機を新設予定です。
「ウォークスルー改札」の本格導入は今後10年以内が目標

モニターの募集方法など詳細は、2025年夏ごろに改めて発表される予定です。JR東日本は、今回の実証結果をもとに、大人の休日倶楽部など特定の会員や、さらには新幹線eチケット利用者まで対象を広げた実験も検討しているとのこと。また、2027年春には顔認証以外の技術を用いた実証実験も在来線で実施予定。今後10年以内の本格導入を目指しています。
改札通過時の操作を完全に省く、タッチもきっぷもいらない「次世代改札」が実現されれば、両手が塞がっていても、ベビーカーを押していても、スムーズに移動ができるようになります。「ウォークスルー改札」がJR東日本エリアでもいよいよ現実のものとなるのか、今後の動向に注目しましょう。
(画像:JR東日本)
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記事提供元:鉄道チャンネル
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