白熱の“静岡ダービー”はジュビロ磐田に軍配! 後半2発で鮮やかな逆転勝利【2025 JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦結果】

貴重な同点弾を記録した川﨑一輝(磐田)
2025 JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦の6試合が4月9日(水)に開催された。最大の注目カードとなったジュビロ磐田対清水エスパルスの“静岡ダービー”は、2-1でホームの磐田が勝利。1stラウンド最終戦となる3回戦へ駒を進めた。
伝統の“ライバル対決”がルヴァンカップ2回戦で実現した。公式戦では2023年10月以来、ヤマハスタジアムでは19年の天皇杯以来の激突。注目のライバル対決に平日ナイトゲームながら12,533人の観衆が集結し、試合前からライバルを意識するかのようなチャントの応酬が繰り広げられるなど、試合はスタジアムに熱量あふれる状態で始まった。
磐田は5日に行われた明治安田J2第8節モンテディオ山形戦から先発を9名変更。ルヴァンカップ1回戦のFC大阪戦で得点を決めた18歳の川合徳孟や古巣対決となる川口尚紀もスタメンに名を連ね、同じく古巣戦となる松原后もベンチに入った。
対するアウェイの清水は6日の明治安田J1第9節横浜FC戦から先発を10名変更。法政大学より来季新加入が内定しているJFA・Jリーグ特別指定選手の大畑凛生やユース出身の小竹知恩と西原源樹らをスタメン起用するなど大胆なターンオーバーを敢行。また、今大会1回戦でSC相模原から公式戦デビュー弾を決めた17歳のFW土居佑至もベンチに控えた。
試合は早々に動く。開始1分、右サイドを抜け出した小竹が右足でクロス。中央に待ち構えたアフメド アフメドフが頭で合わせて幸先よく清水が先制。アフメドフにとっては待望の清水移籍後初ゴールとなり、オレンジの歓喜の輪が広がった。
出鼻をくじかれた磐田も左サイドに入った倍井謙のスピードを活かして攻勢を強める。26分、敵陣中央でボールを奪った川合が左サイドへ絶妙なスルーパス。パスを受けた倍井が右足でゴールを狙ったが、これは枠を捉えきれなかった。33分にも佐藤凌我のパスを受けた倍井が左サイドでドリブル突破を図るが、中への折り返しはクリアされてゴールにはつながらない。
対する清水も43分、中原輝のFKを羽田健人が折り返し、アフメドフがシュート。磐田GK三浦龍輝にブロックされたこぼれ球へ嶋本悠大が詰めるもシュートは右ポストを直撃してしまい、惜しくもあと一歩のところで追加点が奪えない。
磐田は前半終了間際に川合のスルーパスから右サイドの川﨑一輝が抜け出したが、中央への折り返しは清水GK梅田透吾がセーブ。その流れのCKも決めきれず、前半は清水が1点をリードして折り返した。
ホームで反撃に出たい磐田。前半から攻勢を強める中で迎えた後半8分のことだった。左サイドからカットインした倍井がファーサイドへクロス。ここで大外から走り込んだ川﨑がヘディングで押し込んで同点。試合を振り出しに戻すことに成功する。
カマタマーレ讃岐から移籍2年目の川﨑にとっては、これが磐田での公式戦初ゴール。本人も「初得点がダービーでうれしい」と相好を崩した。攻撃的なプレーヤーながら昨シーズンは主にサイドバックとして起用され、リーグ戦出場も1試合にとどまっていたが、今シーズンはスーパーサブとしてチャンスに絡むなど存在感を増していた。そして彼の一撃が試合の流れを変える。サックスブルーに染まるスタジアムに大声援が響き渡り、「ゴール後の声援でチームがポジティブな雰囲気に変わった」(川﨑)と磐田の選手たちが躍動していく。
両サイドが高い位置を取り、細かいパスワークで相手を押し込む磐田。そして迎えた80分、上原力也のFKからゴール中央でリカルド グラッサが左足であわせて逆転に成功。その後、清水の反撃を封じ込め、ホームでは実に6年ぶりとなる”静岡ダービー”での勝利を引き寄せ、ライバルを撃破して3回戦へと駒を進めた。
磐田のハッチンソン監督は「(試合開始直後の失点で)難しいスタートだったが、選手たちが失敗から立ち上がり、試合を通じて我々がやりたいサッカーにチャレンジし続けてチャンスをたくさん作った。勝利に値するパフォーマンスだった」と選手たちを称賛。同点弾をアシストした倍井も「同点にできた時間がすごいいい時間だった。本当に選手一人ひとりが戦っていたし、その姿を見てサポーターも一緒に良い雰囲気を作ってくれた」と総括した。
一方の清水はこれで公式戦3連敗。3試合続けて後半立ち上がりに失点を喫している現状に対して秋葉忠宏監督は「もちろん気をつけているとは思うが、結果がすべて。しっかりと改善して次につなげたい」とコメント。ようやく移籍後初ゴールを決めたアフメドフは「3カ月待ち望んだゴール。日本のサッカーに順応していく難しさがあったが、さらに良くなっていくと思う」と自身の公式戦初弾を喜びつつ、「チームとして非常に重要な試合を落としたという結果には満足していない」と悔しい表情を見せた。
勝利した磐田は3回戦で水戸ホーリーホック対ガンバ大阪の勝者と5月21日(水)に対戦する。
[試合結果]
ジュビロ磐田 2-1 清水エスパルス
[得点者]
(磐田)53分 川﨑一輝、80分リカルド グラッサ
(清水)1分 アフメド アフメドフ
[他会場の結果]
FC今治 2-1 徳島ヴォルティス ※1回戦延期試合
ヴァンフォーレ甲府 0-1 FC町田ゼルビア
松本山雅FC 0-2 アルビレックス新潟
レノファ山口FC 1 (PK5-3)1 鹿島アントラーズ
V・ファーレン長崎 1-2 湘南ベルマーレ
【制作・編集:Blue Star Productions】

同点弾をアシストした倍井謙(磐田)

移籍後初ゴールを決めたアフメド・アフメドフ(清水)
記事提供元:Lemino ニュース
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