統合はやっぱり無理? PGAがPIFの“2つの要求”を却下と報道
ドナルド・トランプ大統領の仲介もあり、PGAツアーとLIVゴルフを全面支援するサウジアラビアの政府系ファウンド『PIF』との統合は間近と伝えられてきたが、ここへきてPGAの強硬な姿勢が目立ってきた。英ザ・ガーディアン紙は3日、PGAがPIFの要望を却下したと報道した。
PIFからPGAに最近、書簡が送られ、「営利目的で設立されたPGAツアー・エンタープライズに15億ドル(約2180億円)の投資をする。そのためにはLIVゴルフは存続し、ヤシル・アルルマヤン会長がPGAツアー・エンタープライズの共同会長に就任すること」と盛り込まれた。この要求に対してPGAは、「どちらも受け入れられない」と回答。ゴルフ界の再構築はPGAが中心になるもので、LIVゴルフが現在の形で存続することは助けにならない、と周囲に話しているという。
また、ローリー・マキロイ(北アイルランド)を含むPGA選手らからは、「再統一は必要ない」との声も上がり始めた。先月、ジェイ・モナハン会長、タイガー・ウッズ(米国)とともにホワイトハウスを訪れたアダム・スコット(オーストラリア)も、「統一は難しいかもしれない」との見解を示している。
2022年6月から開幕したLIVゴルフ。同ツアーに出場する選手は、PGAをプレーすることはできなくなった。そして23年6月にPGAとPIFが統合する骨組みが電撃的に発表。しかしながら、1年10カ月が過ぎた現在も、統合合意には達していない。23年夏にPGAはストラテジック・スポーツグループから15億ドルの投資を受けており、すでにPIFからの投資は不要になったとも報じられた。
10日に開幕するメジャー今季初戦の「マスターズ」には、ジョン・ラーム(スペイン)、ブライソン・デシャンボー(米国)ら12名のLIVゴルフの選手が出場する。(文・武川玲子=米国在住)
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