米YouTuber、“禁断の地” 北センチネル島に上陸して逮捕

3月29日、アメリカ人観光客がインドのアンダマン・ニコバル諸島にある北センチネル島に不法に上陸し、同島に住む未接触部族であるセンチネル族と接触を試みたとして、インド当局に逮捕されました。

米YouTuberが禁断の地に上陸​

逮捕された24歳のアメリカ人、ミハイロ・ヴィクトロヴィチ・ポリャコフは、自らを「デンジャーツーリスト（危険観光客）」と称し、YouTubeにも動画を投稿していた人物です。YouTubeチャンネルでは、アフガニスタンのタリバン支配地域を訪問した映像などを投稿していました。

ポリャコフは、南アンダマン島のクルマデラ・ビーチを午前1時頃に出発。改造したインフレータブルボートに乗り、GPSを頼りに約40キロの海域を渡って午前10時頃に北センチネル島の北東岸に到着しました。 ​

彼は約1時間にわたりボートからホイッスルを吹いて島民の注意を引こうとしたものの反応はなく、後、約5分間島に上陸。ココナッツとダイエットコークを「贈り物」として置き、砂のサンプルを採取し、GoProで映像を撮影したとのこと。

世界最後の秘境

北センチネル島は、インドのアンダマン・ニコバル諸島にある森に覆われた島で面積は約60平方キロ。そこに住むセンチネル族は、外部からの接触を拒み続けている世界でも最も孤立した部族のひとつとして知られています。2006年には、ボートで漂着したインド人男性2人が矢で殺害され、​2018年にはアメリカ人宣教師が島に上陸し、矢で殺害された事件が国際的に大きく報じられています。

インド政府は1956年に北センチネル島への立ち入りを禁止し、島から5キロ以内の接近を禁じています。​これは、センチネル族を外部の病原体から守り、彼らの生活様式を維持するための措置です。

北センチネル島の実態は謎に包まれており、「世界最後の秘境」や「禁断の地」といった名前で呼ばれています。

ポリャコフは、これまでにも同様の試みをおこなっていたらしく、2024年10月にはインフレータブルカヤックを使用して北センチネル島への接近を試みましたが、ホテルのスタッフにより阻止されました。​また、2025年1月にはバラタン諸島でジャラワ族を違法に撮影したとされています。 ​