有意義な仕事を得るには”感情の消去”が必要 ”浄化”を決意する女性 「けものがいる」本編映像
2025年4月25日より劇場公開される、第80回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で上映された映画「けものがいる」から、本編映像の一部が公開された。
公開されたのは、人間の感情は不必要とされ、有意義な仕事を得るには”感情の消去”をしなければならない2044年のAI中心の社会で、レア・セドゥ演じる孤独な女性ガブリエルが、疑問を抱きながらも”浄化”を決意し、実行しようとしているシーン。レア・セドゥが、主人公ガブリエルの心の迷いや不安を繊細に演じている。
「けものがいる」は、イギリスの文豪ヘンリー・ジェームズの中編小説「密林の獣」を翻案した作品。2044年、AI中心の社会で人間の感情は不必要とされ、有意義な仕事を得るには”感情の消去”をしなければならなかった。孤独な女性ガブリエルは”感情の消去”に疑問を抱きながらも、仕事に就くために浄化を決意する。そして、トラウマとなった前世を送った1910年、2014年へとさかのぼり、それぞれの時代で青年ルイと出会う。ルイにひかれていくガブリエルだったが、「何かが起きる」という強い恐れにさいなまれる。
監督は、「SAINT LAURENT サンローラン」「メゾン ある娼館の記憶」などのベルトラン・ボネロ。主人公ガブリエルをレア・セドゥが演じ、相手役のルイ役をジョージ・マッケイが務めている。第80回ヴェネチア国際映画祭では、公式批評スコアで1位を獲得した。
一足先に本作を鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】 ※50音順・敬称略
■葦沢かもめ(SF作家・慶應SFセンター研究員・AIエンジニア)
AIに管理された未来で、あなたは愛に飢えた「けもの」に出会う。
あなたの心の中にいる「けもの」に。
■五十嵐太郎(建築評論家)
異なる時空で繰り返される逢瀬、
そこで映像の詩というべき、美しい構図と色彩による鮮烈な場面の数々を目撃する 。
■石橋英子(音楽家)
素直になれず、感情を表せず、待ち続けたけものが走る荒野はあるのだろうか。
監督が作曲したスコアが我々の心を試しているようだ。
ニコラス・ローグの映画のように鮮やかに区切られていく時間にただ身を任せてください。
■伊藤千晃(歌手・タレント)
人間の良さ、らしさとは何なのか。
AI技術が進む現代、近い未来に起きてもおかしくないリアルさを感じ、感情の尊さを考えさせられる映画でした。
映像のお洒落さや仕掛け、そしてレア・セドゥ好きな私としては、演技だけでなく、ファッションやヘアメイクも楽しめる魅力的な作品でした。
■ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン・アーティスト)
ニューロマンティックバンドのヴィサージの『Fade to Grey』が大音量で流れ、’80sファッションで盛り上がる「1980」というクラブ。これはX.ドランの『わたしはロランス』のディスコシーンのパーフェクトな再現!
前世の記憶を巡る本作は、もうひとつわたしたちのドラン体験の記憶にも触れる!
■岸裕真(アーティスト)
ひとは映画に感情を委ねる。
けものはそれを外からじっと視ている。
■辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
スピリチュアルでスペクタクルな輪廻のダンスムービー!
この作品を観たあとは、来世に遺恨を残さないためにとりあえず会う人全員に親切にしたくなります。
■ジム・オルーク(音楽家・プロデューサー)
時間とその無常について、劇場を出た後も長く心に残る作品。
2020年代に見た映画の中で、これを超える作品は思いつかない。
■中野京子(作家・ドイツ文学者)
こんなレア・セドゥをスクリーンで観るのは初めてだ!
最高の演技!!最高の演出!
たまらない…たまらなすぎる!時空を超えた予想も出来ないストーリー展開!!
キャスティング、音楽、衣装、美術、全てが素晴らしく美しい…!
何度でも観たい映画!観終わってもまだ感動が醒めない!
頭が破裂しそうだ…!すごい監督に出会ってしまった…
怖いほどロマンチック!いとおしくくるおしい!サイコー!
竹中直人(俳優・映画監督)
実にフランス映画らしい不思議な雰囲気の中で、
レア・セドゥの圧倒的魅力がほとばしる。
■平野啓一郎(小説家)
構成力が際立つが、映画を成立させているのは、やはり役者の演技力だ。
映画制作技術の批評でもある作品。
■山崎まどか(コラムニスト)
愛を求めて凶暴化する人が「けもの」なのか
愛を差し出すのを恐れる人が「けもの」なのか
衝撃的なエンドタイトルと共に、永遠の謎が残る。

【作品情報】
けものがいる
2025年4月25日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
配給:セテラ・インターナショナル
©Carole Bethuel
記事提供元:映画スクエア
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