最年少日本アマ王者でも超至近距離パットが入らなくなる カップに取り付ける練習器具『P1P』って何?【合宿潜入】
日本ゴルフ協会(JGA)が派遣する海外試合の日本代表選手団を選考する場である「JGAナショナルチーム」の合宿がメルボルンにあるゴルフオーストラリア、PGAオーストラリアの総本山・オーストラリアンゴルフセンターにて行われた。松山英樹や古江彩佳など世界で活躍する選手を多数輩出する“ナショチの強さ”の秘密を探すために、この合宿に潜入。今回は、珍しいパター練習器具を紹介する。
11人中人8人が今年からナショナルチームに加入。全員が口をそろえて話すのは「今までにやったことのない練習で、新たな発見がある」ということ。昨年、最年少で日本アマを制し、今年の1月には米国男子ツアー「ソニー・オープン・イン・ハワイ」に出場した松山茉生(まつやま・まお)もその一人だ。
「昨年からいろいろな試合に出させてもらって、飛距離やショット力は通用するなと感じた半面、パットを決めきる力というのはまだ足りないと実感しました。パットラボで自分のクセが分かりましたし、エイムポイントや『P1P』を使った練習は役に立ちそうです」。
松山が話す『P1P』とは、『プロジェクト 1 パット』という練習器具。国内男子ツアーで戦うブラッド・ケネディ(オーストラリア)が開発したもので、カップに取り付けてボールの入り口を明確にしたり、タッチを合わせたりするのに使うという。
オレンジ色のフタは、スライスラインとフックラインで使用。スライスラインを打つときはカップの右側に、フックラインを打つときは左側に取り付けて、ボールの入り口を明確にする。ナショナルチームでは、2フィートから9フィートまでの距離を何球で終えられるかを記録していた。
また、選手たちが「意外と難しい」と話すのが、U字の赤色のフタを使った練習。傾斜機で0度の場所を探し、3フィート、6フィート、9フィートのストレートラインを打つのだが、3フィートでさえも少しずれたらカップに入らなくなってしまう。
また、カップの1/3が隠れる緑色のフタを手前にかぶせ、上りのストレートラインでカップの奥に当てて入れる練習、下りではカップ奥にかぶせたフタに当てないように入れる練習もして、傾斜のタッチを養っていた。
ショートゲームの練習を担当するクレイグ・ビショップコーチは「日本ではドライバーやアイアンなどロングゲームを練習する人が多いが、ゴルフでは60%が120ヤード以内のショット。スコアを追求するならば、練習の65%はショートゲームに注力してほしい」と語る。こういった地道な練習こそが、世界で活躍する選手を育て上げるのだろう。
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