熊本で21週公開のロングラン 大切な人を亡くした男の癒やしと再生の物語 「骨なし灯籠」東京公開決定

2024年3月に熊本のミニシアターで先行上映がスタートし、異例の21週公開というロングランヒットとなった映画「骨なし灯籠」が、2025年5月16日より東京で劇場公開されることが決まった。
「骨なし灯籠」の主人公は、亡き妻の骨壺を抱え、死に場所を探してさまよう一人の男。男は、古き時代のたたずまいを残す、熊本豊前街道の温泉町「山鹿(やまが)」に流れ着き、和紙のみでつくられる繊細な「山鹿灯籠」に出会う。そこへ亡き妻の双子の妹が現れるという物語が展開される。
「第18回トロント国際女性映画祭 最優秀初監督賞(カナダ)」「第5回チネチッタ国際映画祭 観客賞第3位(オランダ)」「ロサンゼルス映画賞(October2023) 最優秀初監督賞、予告編賞、俳優特別賞(水津聡)」など、多くの海外映画祭で正式上映され、受賞も果たしている。

木庭撫子監督、出演する水津聡、まひろ玲希のコメントも公開された。コメントは以下の通り。
【コメント】
■水津聡(すいつさとし)
昨年の春、熊本で。なんの後ろ盾もなく封切られたこの映画は、観た人が、知人を誘って再び観に来てくれて、また観た人が人を呼んで…というふうに、人から人へとつながった結果、夏まで延長上映が続きました。もしかしたら想像以上に、この映画を必要としている人が、いるのかもしれません。それはここ東京でも(またこれから展開してゆくだろう地方でも)。だったら一人でも多くの人に届きますようにと、願ってやみません。
■まひろ玲希(まひろたまき)
熊本での舞台挨拶の初日、一番前に座っていらした女性が嗚咽をこらえながら涙を流していました。思いが伝わり、私も会場を後にするまで涙が止まりませんでした。後日、一緒に泣いてくれてありがとうと頂いたお手紙には、「最後のセリフは主人が私に言ってくれたんだと感じました。映画館を出たとき、少し心が軽くなりました」と。
大切な人を亡くされた方の心が少しでも軽くなり、優しく背中を押すことができるなら私たちも嬉しいです。
■木庭撫子(こばなでしこ)監督
プロデューサーである夫は、24年前に最愛の前妻を亡くしました。時を経ても哀しみは残ることを知るわたしたちが、遺された者の「生」を見つめた映画です。舞台となった山鹿(やまが)に住む人々や生きものだけでなく、路傍の小さな花や、風鈴を鳴らす風も「生きて」います。周りを見渡せば、そこにある「いのち」の美しさ、優しさを、この作品を通して感じてもらえたら・・・東京の空も、違う色に見えるはず。あなたの心に、『骨なし灯籠』の灯りがともることを願っています。
【作品情報】
骨なし灯籠
2025年6月16日(金)~29日(木) 恵比寿ガーデンシネマにて公開、6月3日(火)~6月22日(日) 東京都写真美術館ホールにて上映(※月曜休館)
配給:熊本やまが映画プロジェクト
記事提供元:映画スクエア
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