【5分で分かる】『フォートナイト』とは? 大谷翔平コラボで話題、“ゲーム版YouTube”となる可能性
Epic Gamesが配信しているオンラインゲーム『フォートナイト』が、User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の発表の場として「メタバース」的な存在感を急速に増しています。
総ユーザー数は5億人以上いると言われている『フォートナイト』。2025年にはメジャーリーガーの大谷翔平選手とのコラボも実現。そうした単なるインフルエンサーコラボに留まらず、企業や自治体との連携事例が急増し、なおかつ個人のゲーム開発者が「フォートナイト内ゲーム」を発表する場としても発展しています。
今回は大谷翔平選手もコラボする、メタバースとしての『フォートナイト』のスケール感やその新しさについてご紹介します。
ゲームとしての『フォートナイト』
メタバースとしての『フォートナイト』の新しさに触れる前段として、まずはフォートナイトがどのようなゲームなのか簡単にご紹介します。
『フォートナイト』はEpic Gamesが2017年にリリースしたオンラインゲームです。最大100人が戦う「バトルロイヤル」モードが代表的で、プレイヤーは武器や素材を集めながら最後の1人を目指して戦います。「建築」要素を取り入れた戦略的な防御や移動も特徴です。
また、創意工夫を凝らした建物やコースの作成に特化した「クリエイティブ」モードも人気です。ユーザーがフォートナイトの空間内で独自のゲームや建物を作れる無限の広がりが、ゲームの世界に深みを強く与えています。

無料でプレイ可能な上、PS5やSwitch、PCやモバイルなど多様なデバイスで遊べる点も人気の理由のひとつでしょう。
フォートナイトは『ゲーム版YouTube』なのか? メタバース空間としての進化
バトルロイヤルとしての『フォートナイト』はそれ単体でももちろん非常に楽しいゲームですが、フォートナイトの奥深さは単なるゲームに留まらず、メタバース空間としても注目を集めている点が挙げられます。
具体的には「クリエイティブモード」の存在や「UEFN(Unreal Editor for Fortnite)」の導入で、ユーザーが独自のワールドやゲームを制作・共有できるプラットフォームへと発展し、フォートナイト内ワールドやフォートナイト内ゲームが自由自在に発展できる空間へと発展したのです。
先にも述べた通り、フォートナイトのユーザー数は5億人とも言われます。5億人がいる空間にワールドやゲームを発表できるインパクトは言うまでもありません。これによって、フォートナイトは「ゲーム版YouTube」とも呼ばれ始めるようになってきました。

UEFNは、フォートナイト内でユーザーがオリジナルのゲームやワールドを作成・公開できるPC向けアプリケーション。アイデア次第で高度なカスタマイズが可能で、独自のゲームルールや世界観を自由に作成し、自作ゲームを世界中のプレイヤーに公開可能です。
また、UEFNは収益プログラムも用意されており、総収益の40%がクリエイターに還元される仕組みとなっています。配分はコンテンツのプレイ時間やアクティブユーザー数などによって変わるため、プロのゲーム開発者から学生クリエイターまで、幅広い層がゲーム内経済圏に参加できるエコシステムが構築されつつあります。
フォートナイトの大企業や有名人とのコラボ事例
『フォートナイト』は企業やアーティストとのコラボレーションも活発です。コラボは「ゲーム内にアイテムが登場する」といったものから、メタバース空間そのものを作成したり、その空間内でのライブを行うといったものまで多岐にわたります。
大谷翔平
2025年3月、MLBシーズンの開幕に合わせてフォートナイトと大谷翔平選手のコラボイベントが開催。大谷選手がフォートナイトの世界に登場しています。

イベントでは、大谷翔平選手のゲーム内キャラクター(コスチューム)や、愛犬の「デコピン」をモチーフにしたアイテムなどがゲーム内のショップに登場。また、野球をテーマにしたミニゲームや、大谷選手の活躍を再現したクエストなどを楽しめます。
クエストをクリアすることで、大谷選手をモチーフにしたアイテムやゲーム内ポイントが手に入り、大谷選手ファンはもちろん、フォートナイトプレイヤーも楽しめる内容となっています。
ナイキ
フォートナイトはスポーツ用品を扱うナイキとのコラボも実施しています。

2021年には「NIKELAND」と呼ばれる専用マップがゲーム内に実装され、プレイヤーはナイキのブランドワールドを体験することができます。このマップでは、実際のナイキ製品をモチーフにしたアイテムが登場したり、スポーツミニゲームが楽しめたりします。
また、2024年にはフォートナイトとナイキがコラボしたカスタマイズ「Kicks」が公開に。リアルで人気のシューズがゲーム内のスキンとして登場したことで大きな反響を集めました。
星野源
『フォートナイト』は「SOUNDWAVE」という、ゲーム内でアーティストを紹介する音楽ショーシリーズを開催していますが、2022年6月にはこのシリーズにミュージシャンの星野源さんが登場。『不思議』『恋』など人気楽曲6曲を披露しました。
クリエイティブモード内に構築されたインタラクティブ空間で楽曲に連動した光の演出と3Dオブジェクトが同期する独自の体験が設計され、プレイヤーは音楽に合わせてジャンプしながらステージ上を移動する没入型のライブを体感でき、大きな注目を集めました。
フォートナイトと地方自治体、行政とのコラボ事例
フォートナイトと地方自治体、行政とのコラボ事例もご紹介します。
熊本県は、人気キャラクター「くまモン」をテーマにしたゲームコンテンツ「くまモン島」をフォートナイト内で公開しています。このゲームは、プレイヤーがくまモンとともに熊本の名所を巡りながら、熊本城の復興を目指すシミュレーションゲームです。
ゲーム内では、熊本特産のトマト、イチゴ、スイカなどが登場するほか、黒川温泉でのリラックス体験や球磨川でのアクティビティも楽しめます。フォートナイト初心者でも楽しめるように設計されており、ゲームを通じて熊本の魅力を体感できるのが特徴です。
【島コード: 0507-8727-1071】
茨城県は、デジタル産業の活性化を目的として、人気ショッピングモール「イオンモール水戸内原」をモデルにしたゲームマップを制作しました。この取り組みは、eスポーツやメタバースを活用したデジタル人材の育成、そして地域産業の振興を目指す茨城県の戦略の一環です。
さらに、茨城県は若年層のデジタルスキル向上と地域への関心を高めるため、「FORTNITEいばらきコンテスト」というマップ制作コンテストの取り組みも行っています。選ばれた優秀作品は、茨城県主催のフォートナイト親子大会で使用されるなど、地域とゲームを結びつける試みも行われています。
【島コード:2218-2873-9358】
『フォートナイト』はYouTubeを超える波になるかも?
フォートナイトのユーザー生成コンテンツ(UGC)は、誰もが自由にゲームを制作し、世界中のプレイヤーがそれを体験できます。つまりYouTubeが個人の動画発信を可能にし、影響力を持つように、フォートナイトはゲームの投稿プラットフォームとして、新たな文化を築きつつあるといえるでしょう。
なお、日本では2020年頃にも「メタバース」が注目され、多くの日本企業が独自の3D空間を構築しました。しかし実際にはユーザー不足に悩むケースが目立ちました。
そのユーザー不足の最大の原因は、2025年現在の視点から振り返ると、世界中で数億人のユーザーを抱えるRobloxやフォートナイトのような既存のプラットフォームを活用するという選択肢が、「当時は十分に認識されていなかった」ことに尽きるでしょう。
5億ユーザーを獲得しているフォートナイトがYouTubeのように「UGC」の発表の場となった意義は非常に大きいです。今後、UEFN(Unreal Editor for Fortnite)ツールの敷居がさらに低くなったり、開発を支援する個人・企業が増えることで、『YouTube』が巨大プラットフォームへと発展したように、数年後にはフォートナイトが『ゲーム版YouTube』として確立される可能性は十分にあります。
日本のクリエイターにとっても、最初から5億人がいるグローバルプラットフォームに対してコンテンツを公開できることは、大きな魅力となるでしょう。
※サムネイル画像は(Image:「フォートナイト 公式(@FortniteJP)」youtubeより引用)
記事提供元:スマホライフPLUS
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