「結果を出さないといけない状況に追い込まれていた」 吉田優利が苦悩の米ルーキーイヤーで学んだこと
<Vポイント×SMBCレディス 2日目◇22日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6668ヤード・パー72>
地元&ホステス優勝に向けて、独走状態を築いた。吉田優利が8バーディ・ボギーなしの「64」をたたき出し、トータル12アンダーの単独首位。2位に8打差の大量リードで、2023年「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」以来の通算4勝目に手をかけている。
この日の平均スコア「74.0755」というなかで記録した驚異的なスコア。前の組を回っていた渋野日向子も「やばいですよね。考えられない。優利ちゃんのゾーンに入ったときの怖さはすごい。やっぱりレベルが高い」と驚くしかない。同コースで行われた22年「日本女子オープン」を制した勝みなみも「違うゴルフ場を回っているみたい」と脱帽しきりだ。そんな難コースでの「64」は吉田にとって自己ベストスコア。とはいえ、「そう言われてみればそうだな~という感じ。きょうは集中できていた」と、淡々と振り返る口調はいつもと変わらない。
1番でカラーからパターを選択し、フックラインを決めてバーディ発進。58度のウェッジで直接入れた3番からは4連続バーディを奪い、後続を突き放しにかかった。後半に入ってもその勢いは衰えず、117ヤードから3メートルにつけた13番から3連続。14番はこの日“3度目”のチップインで、ギャラリーを魅了し続けた。
まさしくゾーンに入ったような好プレーで優勝に大きく近づいたが、胸中は穏やかだ。「結果を求めなくても、勝手についてくるものだと思う。いまのゴルフや考えを優先すべきなのかなと」。そう考えるようになったきっかけは、昨年、米国女子ツアーを主戦場にした経験から。「結果を出さないといけない状況に追い込まれていた。そのなかで自分のゴルフができないのがすごく悔しかった」と回顧する。
最終予選会を突破し、ルーキーとして挑戦した昨年は、序盤から予選落ちが重なった。CMEグローブ・ポイントランキングは102位に終わって今季は上位の出場カテゴリーに入れず、12月には再び、最終予選会に出場した。今季はここまで2試合に出場。「ファウンダーズカップ」を23位、「ブルーベイLPGA」を25位で終え、着実に結果を積んでいる。
「(昨年は)結果的には良くなかった1年、とまとめると思うけれど、いろいろなことにトライしたり、できなくなったことにも気づけた。絶対に行ってよかった」。この日は12番パー5で「行きたい(攻めたい)気持ちもあったけれど、それを押し殺して…」と手堅くマネジメントを組んだ。これは昨年できなかったこと。米ツアーで学んだことは確実に生きている。
独走状態とはいえ、慢心はない。「8打差ありますけど、どの位置のどの選手がわたしみたいなプレーをするか分からない。あしたもフィールドで一番いいプレーができるように準備したい」。自身が納得するゴルフをすることができれば、おのずと最高の結果はついてくる。(文・笠井あかり)
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