「カットのことを考えていなかったの珍しいな~」 渋野日向子が6位で“3年ぶり”予選通過
<Vポイント×SMBCレディス 2日目◇22日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6668ヤード・パー72>
Vポイント(CCCMKホールディングス)とスポンサー契約を結ぶホステスプロの渋野日向子は、4バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「72」で回り、トータル2アンダー・6位タイで決勝ラウンド進出を決めた。予選カットのある日本ツアーでの週末行きは、9位で終えた2022年「樋口久子 三菱電機レディス」以来のこと。「やったー、あしたもあるよ!」と自然と頬もゆるむ。
初日に4位と好発進を切った際、「わたしは何かしらやらかすタイプなので…」と話していたことが当たってしまったかのように、2日目はトラブルからのスタートだった。「フガフガすると思ったので脱力で打とうと思ったら、あまりにも脱力しすぎた(笑)」とティショットが右の林の中へ。2打目は出すだけとなり、4オン2パットのダブルボギー発進。それでも「いままでだったらすごく慌てると思うけど、ダボだったから開き直れた」とすぐさま立て直した。
3番では手前から13メートルが決まって初バーディを奪う。「危なかったですよ、アレ。(入らなかったら)グリーンを出てましたよ」という気持ちのこもったパッティングがカップに消えたときには、驚いたように口を開けた。そして6番パー3で4メートルのバーディパットを決めて、振り出しに戻した。
「ひどいショットばかりだった」と振り返る後半は、1つ落として終盤を迎えた。この日、平均スコア「4.2925」と最も難易度の高かった17番では、3メートルをねじ込んでバーディ。最終18番では渾身のティショットがディボットに入るという不運を嘆いたが、大きな出遅れからイーブンパーにまとめた。
「ダボを打ったけど、あまりカットのことを考えていなかったので、珍しいな~と。上だけを見られていた感じはあった」。主戦場とする米国女子ツアーを含めて、これが今季4試合目。予選カットのある「ファウンダーズカップ」では、初日「75」の出遅れから巻き返しを強いられたが(予選通過を決め結果67位)、そんな状況は昨季も少なくなかった。
粘りのゴルフに手ごたえを口にし、「それが続くことが少ないので、続けていけるように気持ちと体をコントロールしたい」と振り返る。同週に開催予定だった米ツアーが急きょ中止になり、出場が叶ったホステス大会。「悪いショットが出ても切り替えて、次のホールに向き合えていた。本当にこの大会をすごく楽しみにしていましたし、今までの練習を無駄にしたくない、と始まる前は強く思っていましたね」。その気持ちがプレーにもあらわれている。
同じく米ツアーを主戦場にする吉田優利が首位を独走。2位とは8打差、渋野とは10打差がついている。「やばいですよね。考えられない」と脱帽するが、「上を目指します。まだ何が起こるか分からない。頑張ります」という姿勢は変わらない。19年「デサントレディース東海クラシック」(現・住友生命Vitalityレディス 東海クラシック)では8打差をひっくり返す大逆転優勝の経験の持ち主も、ゾーンに入ったら止まらないはずだ。(文・笠井あかり)
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