「ベルーナ」が仕掛ける豪華ビジネスホテル…開業前倒しの舞台裏:ガイアの夜明け
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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3月21日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「ビジネスホテル戦争2~異業種からの刺客~」。
【動画】「ベルーナ」が仕掛ける豪華ビジネスホテル…開業前倒しの舞台裏
2024年の訪日外国人旅行者は3600万人を超え、過去最高に。円安効果もあって消費額は8兆1,395億円と、過去最高を大幅に更新した。それに伴い、日本のホテルも活況を呈している。
特に駅近で便利なビジネスホテルは人気が高く、国内の大手ホテルチェーンは開発を加速。海外の大手ホテルチェーンもビジネス客向けのホテルを次々と建設するなど、まさに“ビジネスホテル戦国時代”を迎えている。
そんな中、地方では今、異業種からの新興勢力も次々と参戦。業界の常識を破る画期的なサービスを武器に、大手の牙城を崩そうと奮闘する企業の挑戦を追った。
ビジネスホテル勢力図に異変 異業種が“激戦地”高崎でNo.1の謎
群馬・高崎市。関越・上信越・北関東自動車道といった高速道路や北陸・上越新幹線が通る”交通の要衝”として知られ、首都圏から多くのビジネスパーソンが訪れる。
駅周辺にはビジネスホテル大手4社がそろい、ビジネスホテル激戦地と化していた。
駅前には客室数の上位2強、トップの「アパホテル」に、2位の「東横イン」が陣取り、顧客満足度1位の「ドーミーイン」も参戦。こうした群運割拠の中、独自路線を打ち出し、大手チェーンを出し抜いたのが「ホテル ココ・グラン高崎」だ。

「じゃらん」の群馬で「泊まって良かった宿大賞」や「Yahoo!トラベル」の口コミ部門など、有名旅行サイトのランキングで軒並み1位に。受賞歴がその強さを証明している。人気の秘密は、一味違う空間作り。枕元の照明も遊び心たっぷりで、いいムードを演出している。

宿泊料金は1泊1万4000円からで、広々としたサウナ目当ての客も多い。ゴージャスなスイートルームには露天風呂やミニプールがあり、セレブ気分に浸れる。
そんな「ホテル ココ・グラン高崎」を経営するのが、1951年に創業した老舗「木本製菓」(東京・足立区)だ。本業はお菓子の製造で、2008年、人が集まるホテル事業に参入した。
しかし、勝ち組の地位も安泰ではない。「ホテル ココ・グラン高崎」の目と鼻の先に「アパホテル」が新規の開業を予定。他の大手も建設を予定しており、巻き返しに出ている。
カタログ通販最大手が札幌で大勝負!異例だらけの開業舞台裏
利用客が減ったコロナ禍では、1泊5000円台にまで下がったビジネスホテルの宿泊料金が、空前のインバウンド需要により、今では2万円を超えている。

これを商機ととらえたのが、カタログ通販の国内最大手「ベルーナ」(1968年創業 従業員3800人以上 売上高約2080億円)だ。社長の安野 清(80)さんは、次なる事業の柱として、ホテルに狙いを定めた。
安野社長は「ベルーナ」の創業者で、一代で今の地位を築き上げた。雑誌「ベルーナ」は60~70代の女性がメインターゲットで、主にアパレルを扱っている。
「モノには売れるタイミングがある」それが創業以来の理念で、安野社長は女性の社会進出を先んじて見越し、通販を軌道に乗せた。
しかし昨今は、「紙の値段や印刷代が高騰し、採算が合いにくくなってきた」と話す。
「ベルーナ」は、新たな方向転換を始めていた。

この日は、買収した「洞爺サンパレス リゾート&スパ」「定山渓ビューホテル」を視察。安野社長は「2021年から改装だけで35億円使った。まだこれから突っ込むと思う」と話す。客足は好調で資金投入に迷いなし。目利きを証明する結果になった。
そして決めた大勝負。勝負をかけるのは、都心に比べると土地や開発費用が安いとされる北海道・札幌だ。札幌の中心部は、建設ラッシュ真っ只中。ビジネスホテル戦争、最激戦区の1つになっている。
国内大手が要所を奪い合い、「マリオット」(アメリカ)や「インターコンチネンタル」(イギリス)などの外資も進出していた。
一方で切実な問題も。「雪まつり」を楽しむ日本人旅行者に聞くと、「宿が埋まっちゃって、本当にギリギリという感じだった」「取れないというより値段が高い」という声が。浮き彫りになったホテル不足。大きなイベントがあると、宿が取れないのだ。
これを好機到来と捉えた安野社長は、「東京はこれから投資金額が大変になる。そういう意味では、北海道はまだまだ開拓の余地がある」と話す。

安野社長は札幌駅近くの好立地に100億円以上を投じて、新たなビジネスホテル「札幌ホテルbyグランベル」を一から建設。全面ガラス張りの新築で、地上100メートルの26階建て、全605室ある。すでに9割方が完成し、内装工事の最終段階に入っていた。

自慢は眺望で、大浴場からも部屋からも札幌市内を一望できる。安野社長が仕掛けるホテルは全国23カ所。そのうち15がビジネスホテルで、最大の売りは、ビジネスパーソンの疲れを癒やす大浴場と露天風呂だ。

このホテルの現場責任者に大抜擢されたのが、入社12年目の岡村和樹さん(34)だ。大学時代のアルバイトがきっかけでホテルマンを目指した岡村さんは、「ベルーナ」のホテル採用・一期生。「新しいホテル事業で一緒に成長したい」との思いから入社した。

1月、「ベルーナ」本社(埼玉・上尾市)。この日はホテル事業の戦略会議が行われたが、インバウンド客が80パーセント超えを果たし、新記録を達成したというホテルの報告も。ホテル事業が好調なことから、安野社長は4月中旬に開業予定だった「札幌ホテルbyグランベル」の開業日を、3月1日(土)に前倒しすることを決断する。
「モノには売れるタイミングがある」安野社長が創業時から貫いてきた哲学だが、ひと月以上の前倒しは、ホテル業界ではありえない無理難題。早速、緊急会議が開かれた。
「もろもろ整うのが3月中旬。3月1日から2週間くらいはリネンが足りない」(岡村さん)。開業を早めると、タオルもシーツも足りないという。
加えてもう1つ、大問題が。新入社員が4月中旬以降に10人くらい入ってくる予定だが、3月1日オープンとなると、人手もギリギリになってしまうというのだ。

オープンを1カ月後に控えたこの日、岡村さんはタオルやシーツの搬入を任せている会社に向かった。無理を承知で電話で頼み込み、目の前で頭を下げて前倒しの納品をお願いするが、「1カ月前倒しっていうのは簡単なようで簡単ではない。岡村さんはすごい宿題を出すなと思った」(ザイマックスカレス北海道千歳工場 安野圭祐さん)。
しかし、そこには歯がゆい現実があった。コロナの影響が出た際、撤退するリネン業者が続出。そこからの急激な需要回復に、現在は物も作業も追いつかないという。結局、OKをもらえたのは3割だけで、問題解決は先送りに。

内装工事が終わった直後、岡村さんに最大の関門がやってきた。安野社長が、初めて内装チェックを行うのだ。
安野社長はまず、客室を精査。最上級のスイートルームは眼下に広がる絶景がポイントだが、「全部これにしちゃったんだ。背もたれがあった方がいいな、座って寄りかかりたいわけだから。こういう部屋があってもいいかもしれないけど、一律でやるのはどうなの?」と疑問を呈した。
岡村さんが設置したのは、大人数の宿泊を見据えたベッドにも使えるソファだが、背もたれがない。「デザイン的にはいいのかもしれないけど、機能的にはいまいち。チェンジだな」と安野社長。

そして、安野社長が最もこだわる大浴場へ。地下からくみ上げる天然温泉は、このホテルの目玉だ。しかしここでも、「(浴槽が)深くない?」と感想を漏らし、岡村さんは苦笑い。社長が貫くのは徹底したユーザー目線だ。

さらに温泉と並ぶ目玉となるのが、176席設けた朝食会場。社長たっての希望で、かなり余裕をもったつくりになっている。
岡村さんが思いついたのは、シェフが目の前で調理するライブキッチン。料理の品数にもこだわりたいが、課題は人手不足だった。
そんな中、地元の水産会社が中間加工の細かいリクエストを引き受けてくれることに。実は他のホテルからも注文がひっきりなしに入り、水産会社はうれしい悲鳴をあげていた。地域経済を左右するホテル業。岡村さんはこうして、ピンチを救われた。

2月26日。ホテルのオープンを3日後に控えたこの日、早朝5時半から朝食の予行練習を行う。料理は75種類と破格の品数。北海道名物のザンギに地元の玉ねぎがたっぷりはいった豚丼、ふわふわのオムレツや揚げたての天ぷら、カスタマイズできる海鮮丼もそろった。
いよいよ岡村さんが、オープン前の最終チェックに向かう。すると、突貫工事で進めた開業準備、そのしわ寄せが各所に…。「コストはかさんでもいいから早い開業を」と願う安野社長の狙いに、岡村さんは応えることができたのか。

2カ月間走り続けてきた岡村さんの目に涙が…そこには意外なドラマが待ち受けていた――。
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記事提供元:テレ東プラス
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