マノエル・ド・オリヴェイラ特集、本予告編・著名人コメント公開。先行上映会も決定
巨匠マノエル・ド・オリヴェイラの没後10年に合わせ、「アブラハム渓谷 完全版」「訪問、あるいは記憶、そして告白」「絶望の日」「カニバイシュ」「夜顔」の5作(うち3作は国内劇場初公開)を4Kスキャンを施したデジタルリマスター版で上映する〈オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集〉が、4月18日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次開催される。
このたびオリヴェイラを敬愛する俳優の柄本佑をトークゲストに迎えた「訪問、あるいは記憶、そして告白」の先行上映会を、4月2日(水)にBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で行うことが決定。また、アザービジュアル、著名人コメント、本予告編が到着した。
〈コメント〉
2015年4月2日。マノエル・ド・オリヴェイラ監督が亡くなられたその日僕はポルトガルにいました。
ドヌーヴ主演で新作を撮影中というデマを吹き込まれていた僕は「散歩してたら撮影現場に出会したりして」なんてちょっと本気で思ってましたが当然お会いできるわけもなく。
その後縁あって監督のお墓参りをさせていただく機会に恵まれた時監督の棺を前にして「ついにお会いできた」と興奮し、これからも作品を通じて監督とお会いし続けると確信した次第です。
4月。監督作に再会する機会があります。僕は通い詰めます。大らかで、過激で、Hなマノエル・ド・オリヴェイラ監督が僕の1番好きな映画監督です。
──柄本佑(俳優)
ゆるりと流れるドウロ河、それを見下ろす葡萄園、北部特有の重厚な屋敷、オリヴェイラ監督の私的な記憶が詰まる自邸、奇天烈な悲喜劇オペラが繰り広げられる宮殿。瞬きするのも惜しい、ポルトガルの美が詰まった作品群。
──木下眞穂(翻訳家)
何と言うか……凄すぎる。世界のどこかにはこんなのがあったのだ。
──黒沢清(映画監督)
※「カニバイシュ」について──著書『映画はおそろしい』(青土社、2001)所収「あまりに無茶なオペラ」より抜粋
演技はドキュメンタリー、映像と音は別物、涙はグリセリン⋯⋯、「映画とは何か」があからさまになるほどに、その謎は深まる。『アブラハム渓谷』で奈落に落ち、『カニバイシュ』で昇天すべし。伝説的傑作のつるべ打ち!
──濱口竜介(映画監督)
ポルトガルは小さな国で、映画の歴史は慎ましいものです。しかし、60年代、70年代、80年代、90年代から今に至るまで、我々全てのポルトガルの映画作家は、どこかで必ず、巨峰オリヴェイラと向き合わなければなりません。
──ペドロ・コスタ(映画監督)
※2010年7月26日にアテネ・フランセ文化センターで行われた講演「砂漠の小さな花 ポルトガル映画史について」での発言より
多くの才能ある監督たちが「新約」の物語を撮ったのに対し、オリヴェイラだけは独り、「旧約聖書」の物語を撮った。人間の原罪と愚行を見つめつつも、その彼方にある無垢と智慧を描き続けた。
──四方田犬彦(映画・比較文学研究家)
提供:キングレコード 配給・宣伝:プンクテ
記事提供元:キネマ旬報WEB
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