【Lemino BOXING】武居由樹が負傷を乗り越えて2度目の防衛戦へ。力石政法は念願のスーパーフェザー級王座決定戦に挑む

5月28日に横浜BUNTAIでゴングが鳴る「NTTドコモ presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」の発表記者会見が3月17日、横浜市内のホテルで開かれた。
WBOバンタム級チャンピオンの武居由樹(大橋)が同級8位ユッタポン・トンディ(タイ)と2度目の防衛戦を、IBFスーパーフェザー級3位の力石政法(大橋)が同級1位エドアルド・ヌニェス(メキシコ)と王座決定戦を行う。
昨年末に右肩関節唇損傷で全治約4週間の診断を受け、1月に予定されていたユッタポン戦を延期していた武居がリングに戻ってくる。記者会見に出席したWBO王者は「たくさんの方に迷惑をかけてしまったので、この試合で皆さんの信用を取り戻したい。ケガはほぼ完璧に治っている。相手がどうこうよりも復活したい。バチッと倒したい」と完全復活を誓った。
右肩の負傷は手術をせず、注射による治療とリハビリで回復を目指した。右でパンチを打てるようになったのは1月末ごろで、それまでは左を徹底して磨いたという。その結果、「右利きのサウスポーで、ずっと左は得意じゃなかった。この期間で左が良くなったと思います」と武居。体のケアへの自覚も高まり、ボクサーとしてもアスリートとしても成長を遂げた。
さらにこの期間は、自分のスタイルを見つめ直すこともできたようで、「去年は勝たなくちゃいけないというプレッシャーを背負って自分らしさがなかった」と自己分析。「今年に入って吹っ切れた。前と同じように1ラウンドから3ラウンドくらいしかないつもりでいきます」と持ち味だった野性味を取り戻すこともアピールした。
バンタム級は日本人選手が主要4団体の王座を独占しており、今後は他団体王者との統一戦や、那須川天心(帝拳)との元キックボクサー対決に注目が集まる。ケガの間、他団体王者や那須川の活躍を「悔しい思いで見ていた」という武居は「出遅れを取り戻すためにも、この試合をしっかり勝ちたい」と世界戦初のKO勝ちに意欲満々だった。

力石はジム移籍2戦目にして世界初挑戦のチャンスを手に入れた。記者会見では「世界チャンピオンになるために30年間生きてきた。人生の集大成です。この試合に勝ったらいつ死んでもいいと思っているくらいの意気込みです」と不退転の決意を口にした。
対戦相手のヌニェスは27勝(27KO)1敗という戦績を誇る強打者だ。力石は「振り回すだけじゃなくボディ攻めもしてくる嫌なタイプ」とその実力を認めながらも、「対策はめっちゃしている。100パターンくらい対策をしている」と言うから頼もしい。
兄のIBFライトフライ級王者、矢吹正道(LUSH緑)は今月29日、階級を上げてIBFフライ級王者アンヘル・アラヤ(メキシコ)に挑戦する。子どものころから切磋琢磨してきた兄と兄弟同時世界王者を夢見る力石は「まずは兄に勝ってもらいたい」とエールを送り、自分も必ず続くと心に誓った。

試合の模様はLeminoプレミアムでライブ配信される。同日は世界戦2試合のほかに、日本スーパーフェザー級王者の奈良井翼(RK蒲田)に前日本同級王者の原優奈(真正)が挑む日本タイトルマッチの開催も発表された。
取材・文=渋谷 淳
[開催概要]
NTTドコモ Presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ
武居由樹 vs ユッタポン・トンデイ & エドアルド・ヌニェス vs 力石政法
開催日:2025年5月28日(水)
会場・横浜BUNTAI
配信:Leminoプレミアム
<対戦カード>
◎メイン
WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
武居 由樹(大橋) vs ユッタポン・トンディ(同級9位/タイ)
◎セミファイナル
IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦
エドアルド・ヌニェス(同級1位/メキシコ) vs 力石 政法(同級3位/大橋)
◎チャンピオン・カーニバル
日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦
奈良井 翼(RK蒲田) vs 原 優奈(同級1位/真正)
※その他アンダーカードを予定。
【制作・編集:Blue Star Productions】
記事提供元:Lemino ニュース
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