【明治安田J3リーグ第5節プレビュー】前節J初勝利の高知はFW小林が絶好調。激戦必至の信州ダービーを制するのは松本か長野か

明治安田J3リーグの第5節が、3月15日と16日に開催される。開幕からひと区切りとも言える第5節は、どんな結果が待ち受けているだろうか。

4試合を終えて少しずつ勝点や順位にもバラつきが出始めた。首位を走るのは、唯一勝点を10に伸ばしたFC大阪で、その下に勝点7で5チームが並ぶ。2位は連勝中の鹿児島ユナイテッドFC、3位に3戦無敗のテゲバジャーロ宮崎が続き、4位に福島ユナイテッドFC、5位に奈良クラブ、6位に栃木シティがつける。J2からの降格組や昨季J３上位チーム、反対に下位で苦しんだチームや初昇格組と顔ぶれはさまざま。まさに群雄割拠の今季を表したような順位となっている。

そんな中、今節の注目カードは15日の高知ユナイテッド対鹿児島、16日の福島対アスルクラロ沼津のゲームを挙げたい。

今季からJ3に参戦している高知は、前節でJリーグ初勝利。ツエーゲン金沢とのアウェイゲームで小林心が前後半に1ゴールずつを決める活躍を見せて2-1でクラブ史に残る記念すべき白星を手にした。小林はJFLを戦っていた一昨季、昨季とチーム得点王に輝いており、J3でもすでに3ゴールをマーク。Jの舞台でも通用することを結果で証明している。今節で目指すのは、ホーム初勝利。高知のファン・サポーターに歓喜を届けたいところだ。

対して、降格組である鹿児島は開幕2試合こそ1分け1敗と出だしはつまずいたが、ここに来て2連勝と息を吹き返し、1年でのJ2復帰に向けて足並みがそろい始めた。第3節のSC相模原戦でアンジェロッティとンドカ・チャールズの両エースが得点を決めて初勝利をつかむと、前節は同じく降格組のザスパ群馬にホームで5-2と大勝。アンジェロッティが前半のうちに2ゴールを決めれば、ンドカ・チャールズは後半早々に決勝点をマーク。2試合連続で2トップがそろい踏みと頼もしい状態にある。

お互いに攻撃陣が上り調子の中、高知県立春野総合運動公園陸上競技場での一戦から目が離せない。

福島と沼津の一戦は、“矛盾対決”となりそうだ。前節でFC岐阜と対戦した福島は取ったり取られたりの撃ち合いを制して4-3で勝利。ここまで4試合で8失点と守備の修正は必要だが、8得点はリーグ2位と攻撃陣の充実が目立つ。反対に沼津は4試合で失点は1。もちろんリーグ最少の数字で、守備の安定が際立つ。現在は3試合連続引き分け中と勝ち切れない試合が続いており、シュート数は前々節が5本、前節が2本と少なさは気になるところだが、前線にはタレントがそろっており、爆発力はある。昨季は最後まで上位を争った両チームの今季初顔合わせが、どんな展開になるのか楽しみである。

順位やチーム状況に関わらず、因縁がぶつかり合う長野ダービーが今節で実現する。今季はお互いに新監督を迎えた中、早川知伸監督が率いる松本山雅FCはここまで2分け1敗と未勝利が続く一方、藤本主税監督が指揮を執るAC長野パルセイロは2勝2敗と五分の成績。サンプロアルウィンで、“信州のプライド”を示すのは、緑とオレンジのどちらだろうか。

その他の試合では、首位のFC大阪がアウェイで栃木SCと対戦。2位宮崎は6位栃木Cのホームに乗り込んで上位対決を戦い、10位相模原が奈良クラブと、7位ギラヴァンツ北九州が13位のヴァンラーレ八戸と、岐阜が金沢とそれぞれ対戦。未勝利が続くガイナーレ鳥取とFC琉球の両者は、鳥取が群馬と、琉球がカマタマーレ讃岐とのアウェイマッチで初勝利を目指して戦う。

【制作・編集：Blue Star Productions】