昨年ティーチングプロ資格も取得 淺井咲希の妹・美希がマイネクデビューを決めたワケ「出ると出ないでは全然違う」
<マイナビネクストヒロインゴルフツアー 開幕戦 マイナビカップ 初日◇13日◇成田ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6411ヤード・パー72>
これまでの自分を乗り越えたい。そんな想いを胸に、淺井美希は今年からプロテスト合格を目指す25歳以下の選手が参加する「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」で戦うことを決めた。初ラウンドの感想は、「はじめはすごい緊張しました」。このプレッシャーを常に感じ、それに慣れることを大事なミッションにしていく。
先日、中国で行われた米女子ツアーで優勝した竹田麗央や、今季の女王候補のひとりと言われる桑木志帆ら、ツアーで“ダイヤモンド世代”とも呼ばれる選手たちと同じ2003年生まれ。姉はツアー通算1勝で黄金世代のひとりの淺井咲希だ。姉と同じツアープロの道を志し、これまでに日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストを4度受験してきたが、合格には手が届いていない。
昨年まではアマチュア選手として活動してきたが、「出られる試合もほぼなくて、苦しんでました」という現実にも直面。今年1月1日付で、JLPGAのティーチングプロフェッショナル資格A級を取得したことで“@”を外し、プロとしての道がスタートした。
プロテスト会場で見た、マイネクでプレーする選手たちの姿が、今回の参戦を後押ししたという。「マイナビさんの試合に出てる選手のみなさんが、本人たちも言ってたんですけど、プロテストでまったく緊張してなかったんです。私は震えていたのに。それで『なんで緊張しないんですか?』って聞いたら、『マイネクで鍛えられてるから』って。出ると出ないでは全然違うと思ったんです」。
ツアーと違ってギャラリーこそいないが、マイナビネクストヒロインの会場には中継カメラやスチールカメラが、自分を映し出している。「緊張をしっかりさせてくれる試合でした。メンタル的に鍛えられてよかったです」。この経験を大一番につなげるのが狙いだ。
そのための準備をしようとしていたオフだったが、立て続けにインフルエンザ、ノロウイルスに罹患し、思うように調整ができなかった。一時は体重も5キロほど減り、飛距離も「2番手くらい」落ちていた。ようやく本格始動できたのは2月末。「姉、兄、吉川桃プロに、合宿に誘ってもらって、そこでやっとラウンドができました。最初は『80』も切れないくらい打てませんでした」。急ピッチで調整し、無理矢理、体重も増やしなんとか開幕戦には間に合うことができた。「体調は今は大丈夫。もう、これ以上はかからないくらい、かかってきたので」と明るい笑顔を見せられるまで回復している。
目標はもちろん「プロテスト合格」だが、講習などで取得までに3年間を要し、努力のすえにつかんだティーチングプロとしての情熱も消さない。「(JLPGA)ティーチングプロ競技会で15位以内になれば、QTが受けられるので、そこも目指して。ツアーに出ることで、ティーチングで習ったこととはまた別の視点でみなさんに教えることがと思ってます。教えることは絶対に忘れないように、両立していきたいです」。二足のわらじを履く事もいとわない。
ここ2年間は調子も落ち、それを試合のなかで戻したいという思いもある。また、「(兵庫県出身で)ずっと関西の試合に出ていたけど、ここに出れば、より多くの選手とコミュニケーションが取れるし、緊張もほぐれるかなと思ってます」というのも大事に考えていく。拠点は兵庫だが、姉の所属コースの小杉カントリークラブ(富山)でもお世話になっており、さらに今年からは関東も行き来することになる。
「きょうは緊張したし。あしたはもっと緊張すると思います」。このドキドキが当たり前になった時、プロテスト合格が大きく近づいてくるかもしれない。(文・間宮輝憲)
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