南沙良(主演)×武田綾乃(原作)×井樫彩(監督)で贈る“⻘春逃走劇”「愛されなくても別に」
浪費家の母に振り回される大学生の宮田は、ある同級生との出会いにより人生を変えていく──。『響け!ユーフォニアム』の武田綾乃による第42回吉川英治文学新人賞受賞小説を、カンヌ国際映画祭出品短編「溶ける」で注目された井樫彩がメガホンを執り、「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の南沙良が主演を務めて映画化した「愛されなくても別に」が、7月4日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開される。
“クソ”のような日々を送る宮田陽彩(南沙良)。大学に通いながら、浪費家の母に代わって家事をこなし、家に月8万円を入れるためアルバイトに明け暮れている。遊ぶ時間も金もなく、親や友人に何かを期待したことはない。
そんな宮田には、バイト先が同じ江永雅という同級生がいた。金髪でピアスをつけた江永は、地味な宮田とは対照的な存在だ。ある日、宮田の耳に噂が入る。
「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」
誰とも普通の関係を築けないと思っていた二人。その出会いが日常を一変させる──。
〈コメント〉
南沙良(主演)
お芝居している中で、自分が不幸であることを他人との物差しとして用いてしまう陽彩を抱きしめてあげたくなりました。
誰かと出会うこと、何かを失うこと、なにかを信じること。
ただ生きることがこんなにも難しいこの世界で、未来を見ることが出来なくても、今を生き抜く力を持てたら、と強く思えた作品でした。
井樫彩(監督)
あらすじから暗くて重い話なのかと思われがちなのですが、決してそれだけの物語ではありません。
苦しんだり傷ついたりしながら、だれかの手を振り払ったり…ときに手を取ったりして
力強く歩んでいこうとする陽彩と雅という、ふたりの人間の物語です。
ふたりに会いに、ぜひ劇場にお越しいただけたら嬉しいです。
佐藤慎太朗(プロデューサー)
社会問題をテーマにした題材はどうしても重たくなりがちですが、武田先生の描くこの物語にはそれだけではなく、作品全体を包み込む不思議なポップさがありました。
原作が持つその独特な世界観を大切にし、なおかつ鑑賞後に清々しさを与えられるような映画にしたいと、井樫監督にこの企画を持ち込みました。
同年代で同じ時代を生きてきた井樫さんとだからこそ、この映画が作れたと思います。
生きていくうえで不安や悩みはつきものですが、登場人物たちの勇気が、誰かに寄り添い、救うことを願います。
「愛されなくても別に」
出演:南沙良
監督:井樫彩
原作:武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫)
脚本:井樫彩、イ・ナウォン
企画・プロデュース:佐藤慎太朗
製作幹事・制作プロダクション:murmur
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©武田綾乃/講談社 ©2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会
記事提供元:キネマ旬報WEB
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