「双子のママとして優勝したい」 4度の賞金女王、アン・ソンジュが5年ぶりに日本ツアー復帰のワケ
<北海道meijiカップ 事前情報◇31日◇札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)◇6568ヤード・パー72>
日本ツアー通算28勝、賞金女王は初めて戴冠した2010年から4度。アン・ソンジュ(韓国)が5年ぶりに日本ツアーに帰ってきた。2019年の最終戦「LPGAツアー選手権リコーカップ」以来となる復帰に「すごくドキドキ、ワクワク」と変わらない様子で声を弾ませた。
コロナ禍による影響で、20年から主戦場を韓国ツアーに戻した。そして21年4月には男児と女児の双子を出産。日本ツアーでは産休制度を利用してシード選手の権利を保持し、当時は22年から復帰する意欲を示していた。だが、「子どもが小さかったし、双子で早めに生まれて入院が長かった。それが心配で」。しばらくは母国でプレーする事を決意した。
そして今季から日本に復帰することを目論んでいた。ただ、ここでひとつの誤算があった。出産日から36カ月以内という申請期限を理解しきれず、シード権を喪失してしまった。「自分がルールを分かっていなかったのでしょうがない。日本には感謝の気持ちがいっぱいあるから、挨拶はしたくて、推薦をいただければ出たかった。北海道にも来たかったので、本当にありがたかったです」。そして、推薦での今大会出場が決まった。
昨年のQTを受けていないことから、今年、推薦で出られる試合は3試合のみ。今週と来週の「NEC軽井沢72」、そして10月の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」を予定している。その結果次第では、年末のQT受験も視野に入れている。
「1カ月に1回くらいは日本ツアーに出たいという気持ちがあった。練習環境が良くて、ここでは練習しないといけないと思わせてくれる」。子育てや韓国ツアーと両立しながら、日本ツアーに“完全復帰”したいという思いも強くある。
食事制限なども行って5年前から15キロほど体重を減らし、トレーニングにも励んでいる。「ドライバーの飛距離は15ヤード減った。でも歩くのがラクになったコトがすごくいい。ゴルフ人生がもっと長くできるようになる」と言う。久々に顔を合わせた仲間からは『アンちゃんって分からなかったよ!』と、その変貌ぶりを驚く声も多くかけられていた。
もちろん、あと2勝で得る永久シードも目標のひとつ。そして「双子のママとして優勝したい」というのが夢だ。「韓国にいるときも、日本ツアーをずっと見ていた。若い子たちのレベルが高くなっている。復帰戦だし、まずは雰囲気に慣れながら予選通過をしたい」。賞金女王に4度輝いたトッププレーヤーが、新たな道をスタートさせる。(文・笠井あかり)
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