暗闇と隙間の開いたドア、誰もいない階段 子どもには何かが見える 「スキナマリンク」本編映像
わずか15,000ドルの制作費にもかかわらず、北米公開692館で上映され、約200万ドルの最終興行収入となったホラー映画「SKINAMARINK/スキナマリンク」(劇場公開中)から、異質な空間に閉ざされてしまった主人公の子供たちが、不可思議な出来事に惑わされる様子を描いた本編映像が公開された。
映像では、目の前に広がる暗闇と隙間の開いたドア、誰もいない階段が映し出される。静寂が続く中、突然、階段を見ていた子供が、「隠れているの?」とゾクっとする一言を口にする。どうやら子供には“何か”が見えているようだ。だが、その問いかけには何の反応もない。謎が多く想像力をかき立てる、恐ろしいシーンとなっている。
本作で描かれる恐怖について、カイル・エドワード・ボール監督は“リミナルスペース”とのつながりを語っている。「“リミナルスペース”の定義は簡単で、例えば誰もいない暗闇の廊下、階段、部屋の一室、学校、廃墟などで、独特な雰囲気を醸し出す異質な空間を指しています。北米で公開された時は、特に廊下のシーンで恐怖を感じたという感想が多かった印象です。インターネットカルチャーが発展したことにより、形がない、定義がない、不気味な場所といった要素が増えているので、面白い展開になっていると思います」と恐怖の根源を明かしている。
「SKINAMARINK/スキナマリンク」は、ケヴィンとケイリーという2人の子供の視点から描かれたホラー映画。彼らが真夜中に目が覚めると、家族の姿と家の窓やドアがすべて消えており、ゆがんだ時間と空間に混乱しながら、暗闇にうごめく影と悪夢のような恐ろしい光景に飲み込まれていくという内容の作品となっている。カイル・エドワード・ボール監督の長編デビュー作で、現実と悪夢の境界をさまようような実験的な映像と解釈を委ねるミニマリスティックな演出で、見るものを魅惑的でおぞましい映像体験へと誘う。

【作品情報】
SKINAMARINK/スキナマリンク
公開中
配給:ショウゲート
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記事提供元:映画スクエア
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