使用法が分からないと機能をフルに使えない!? 慣れれば“異常なほどに”真っすぐ飛ぶ『ELYTE MAX FAST アイアン』
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
キャロウェイは『ELYTE MAX FAST アイアン』を2025年2月21日に発売。『ELYTE アイアン』『ELYTE X アイアン』が先行で発売され、『ELYTE MAX FAST アイアン』はしんがりの発売です。
『ELYTE MAX FAST アイアン』のコピーは“Ai 10x FACEと軽量化で、持てる力を最大限の飛距離に変換”です。7番アイアンのロフトは28度。ロフト的には飛び系アイアンとぶっ飛び系アイアンの中間になります。
『ELYTE』のアイアンは、開発する際にAIの力をフルに発揮できるように、それぞれのアイアンごとにターゲットを明確にし、データを入力したそうです。『ELYTE MAX FAST アイアン』は、ヘッドスピードが平均、または、平均よりも遅めのプレーヤーを対象として開発されました。『ELYTE MAX FAST アイアン』の注目すべき最初のテクノロジーは、コピーでも触れている「Ai 10x FACE」ですが、専用に開発されていますので、飛距離と高弾道が出やすいように、より大きくたわむようになっているそうです。
更に、シャフトを含めた軽量化がヘッドスピードを最大化します。ヘッドの内側で見えませんが、外周を支える「ニュースピードフレーム」は、前モデルでも好評だった構造をより進化させて、空洞部分の形状を見直したことで、衝撃を受け止め、薄目のトップブレードが可能になりました。
最後になりますが、内部の振動を低減して、打感を良くする「ウレタン・マイクロスフィア」と、抜けが良く、ライを選ばないと評判が良い「トライレベル・ソールデザイン」も採用して、アイアンとしての基本性能のアップを狙っています。
『ELYTE MAX FAST アイアン』は、インバッグビュー(バッグの中に入った外観)で、未来的なデザインが目立ちます。フェースの長さもあり、中空アイアンだとわかります。カッコいいけれど、やさしさも感じさせるアイアンです。
試打した日は、快晴で、気温は-6℃℃~7℃、微風でした。打ち慣れていて、クラブ影響だけに集中できる『TOUR B X』を使用しました。
【打感・打ち応え】
『ELYTE MAX FAST アイアン』の打音ですが、音量はやや抑えめです。濡れた鞭系で残響が少ない静かでおとなしい音です。打ち応えは、軽めです。手応えは鈍感で、不思議な感覚です。
【弾道・球筋・スピン】
『ELYTE MAX FAST アイアン』の弾道は、高弾道で、伸びがない棒球です。とにかくストレートに飛ぼうとして、曲げようとしても戻ってくるような感覚がありました。スピン性能は、まあまあの効きで、ミドルアイアンで1ピンぐらいは前に行く感じです。
【距離性能】
『ELYTE MAX FAST アイアン』は、クラシックなアイアンよりちょうど2番手飛び、ロフトよりも飛びました。ぶっ飛び系アイアンとして十分の飛距離性能に、ミスを助けてくれる性能が融合しています。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『ELYTE MAX FAST アイアン』は、使用法がわからないと機能をフルに使えない可能性がある高性能ぶっ飛び系アイアンです。
良い球が出ているのに、フィニッシュがちゃんと取れません。これは、フェースのどこに当たったかがわかりにくく、かつ、感触も経験したことがない手応えで、反射的にミスショットをした、と身体が反応しているのです。4ホール目まで、結果は良いのに、フィードバックが違いすぎて、本当に戸惑いました。
打ち応えと手応えに慣れてくると、それを無視して、しっかり振れるようになります。ミスに強く、優しさ満点のアイアンで、しっかりと安定した飛距離も出ます。落ちてからの転がりが少しある計算が出来るようになれば、スコアが計算できるぶっ飛び系アイアンとして『ELYTE MAX FAST アイアン』はオススメです。
シャフトがやわらかく、ヘッドが効いている感じでしたが、ヘッドが大きく見えすぎない工夫があって、狙いやすく、安心してアドレスできます。
最大のプラスポイントは、いわゆる直進性能です。ストレートに飛ぼうとする能力は、群を抜いて優秀で、異常だと感じたシーンもあったほどです。これが『ELYTE MAX FAST アイアン』を使い熟す第一歩になります。出球を整えることに集中すれば、方向性のブレを制御することが出来ます。
キッチリと飛距離が出るので、徐々に安心感が育っていきます。試打ラウンドでも、後半になってからは、毎ホール狙ったところに楽々打てるようになり、自分のクラブのように使用しました。
『ELYTE MAX FAST アイアン』は、ヘッドスピードに自信がないゴルファーのために作られたアイアンです。飛距離性能と直進性能のハイレベルを使い熟せば、かなりの好スコアを支えてくれると確信しました。
感性は、機能とは無関係だという考え方もあります。打音は良いですが、打ち応えは不思議な感じです。鈍感な人でも、2ラウンドもすれば、変な感じだと思ったことを過去にして、新しい歴史を作っていけるはずです。
『ELYTE MAX FAST アイアン』は、搭載できる機能を絞って、本当に必要な機能だけで武装した最新のアイアンです。パワー不足でアイアンの機能を引き出せずに、スコアが停滞しているゴルファーに使って欲しいアイアンです。
【試打ギアスペック】
『ELYTE MAX FAST アイアン』
ヘッド素材 17-4 ステンレススチール+ウレタン・マイクロスフィア
※ #5~8のみ MIMタングステン・ウェイト
フェース素材 17-4 ステンレススチール/Ai 10x フェース/フェースカップ
ロフト #6/25度、#7/28度、#8/32度、#9/37度、PW/42度
シャフト N.S.PRO ZELOS 7(S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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