気温差7度以上で「突然死」のリスク増大⁉ “寒暖差”が激しい時季はゼッタイ避けたい「ゴルフ場での3大NG行動」
日中の気温が高くなり、春の気配を感じたのも束の間。西日本の日本海側などでは強烈な寒波によって大雪に見舞われるなど、厳しい寒さが続く地域もある。一方で、関東は3連休以降、日中の最高気温が15度を超える日も増えてくる予報で、そんな気象状況だと気になるのが“寒暖差”による体調への影響だ。気象病に詳しい久手堅司先生は「こうした寒暖差があると体調を崩しやすい」と話す。
「近年は異常気象が繰り返し起き、“寒暖差”が多くの人に知られるようになりました。しかし一方で、寒暖差によって生じる体への負担やリスク、予防については周知徹底されていない、というのが私の実感です。寒暖差を簡単にいうと、温度差のことです。何と何の温度差かというと、次の3つになります」
【1】室内と屋外
【2】一日の最高気温と最低気温
【3】一週間の最高気温と最低気温
「これをゴルフに置き換えると、次のようになります」
【1】クラブハウス内とコース
【2】朝のスタート時と昼食後の午後スタート時
【3】ラウンド前日と当日
3連休後の東京の最高気温の平均は15度前後。一方で最低気温の平均は5度前後となっている。朝晩の冷え込みと日中の暖かさでは10度以上の差がある。
「前日20度の東京から翌日に気温4度のゴルフ場へ行く。朝のスタート時は4度、お昼には12度あるいは20度近くまで気温が上がる。このような気温差が出ることは珍しくありません。そしてその差が7度以上あると体への負担が大きく、不調を招きやすいので注意しないとなりません」
季節の変わり目による不調は、年齢が高くなるにつれて起こりやすくなるという。
「60代、70代ともなると、若い頃に比べて体力・筋力・機能の低下は顕著です。血管もしなやかに伸び縮みしにくく、硬く、脆くなります。血圧の急激な変化に対応できにくいため、いつ血管が切れたり詰まったりするか分からない状態です。高血圧や生活習慣病があればリスクが高いため警戒するでしょうが、普段元気だと脱水や汗をかきにくくなっているのに気づかず、不調のサインを見逃してしまうことがあります」
寒暖差によるダメージで最も深刻なのは、突然死や重篤な病気だ。血圧の急激な上下動によって、ヒートショックを招くケースもある。
「気温の変化により血圧が乱高下すると、ヒートショックといって、心筋梗塞や脳梗塞、脳内出血に大動脈解離など、心臓や血管の疾患を招くことがあります。ヒートショックは入浴時に多発することで知られていますが、ゴルフのラウンド中や後でも起こり得るため十分な注意が必要です。重篤な症状にいたらないとしても、寒暖差に体がついていけないとさまざまな不調を招くことがあります。ラウンド中やプレー後に頭痛、しびれ、胸の痛みなどの症状が出て違和感が消えない場合は、必ず病院を受診することが大切です」
【ゴルフ場で避けたい3大NG行動】
久手堅先生いわく、「最も危ないのはクラブハウスを出てから初めの30分」だという。そこで、寒暖差が激しい時季は特に避けたい、ゴルフ場でのNG行動を教えてもらった。
■早朝の薄着
朝は体を温めて血流を良くすることが最重要だ。クラブハウス内で防寒を整えてから外へ出ることと、2番目のホールが終わるまでは積極的に体を動かすことを徹底しよう。「どうせ動けば暑くなるし」と、早朝から薄着でプレーするのは厳禁。
■ランチビール
ビールは一時的に血管を拡張させて血圧を下げるものの、脱水を起こすこともあるため控えたほうが良い。また、ビールを飲んだ後に入浴すると血管が広がり血圧が下がるため、血管に大きな負担がかかり意識を失う危険もある。
■熱い風呂
暖房が効いた室内から脱衣所へ(寒さで血圧上昇)、衣服を脱いで浴室へ(寒さでさらに血圧が上昇)、熱い湯船に入る(急に体が温まり血圧低下)など、冬場の浴室では10度以上の温度差が生じてヒートショックの危険が高まる。「湯船はぬるめ(38〜41度)、腕や足に掛け湯をしてから湯に浸かる、長湯は禁物」の3点を守って急な血圧の上げ下げを防ごう。
【解説】
久手堅司
くでけん・つかさ/東邦大学附属医療センター大森病院、済生会横浜市東部病院を経てクリニック開設。せたがや内科・神経内科クリニック院長。医学博士。自律神経失調症外来、気象病・天気病外来などの特殊外来を立ち上げ、これまで7,000人以上を診察した。気圧予報・体調管理アプリ「頭痛ーる」を監修。著書に『低気圧不調が和らぐヒントとセルフケア 気象病ハンドブック』など。
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