異才アラン・ギロディの最新作「ミゼリコルディア」など3作を一挙公開
1990年に短編でデビューし、2001年の第54回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された中編第2作が、ゴダールにその年の“カンヌの最高作”と評されて話題となった異才アラン・ギロディ。セクシュアリティやマイノリティへの偏見や先入観をいなし、愛と欲望を意表を突くストーリーで描いてきた。
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長編は7作を発表してきたが、そのうちカイエ・デュ・シネマでベストテン第1位に選ばれた最新作「ミゼリコルディア」(2024)、賛否沸騰のギロディ流社会派コメディ「ノーバディーズ・ヒーロー」(2022)、ギロディの名を知らしめたスリラー「湖の見知らぬ男」(2013)の3作を、3月22日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開することが決定。ポスタービジュアルと予告編が到着した。
「ミゼリコルディア」
2024年カンヌ国際映画祭プレミア部門出品/2024年ルイ・デリュック賞/2025年セザール賞8部門ノミネート
かつて働いたパン屋の主人の葬儀に参列するため、村に帰ってきたジェレミー。未亡人マルティーヌの家で一泊だけするつもりが、滞在は思いのほか長引く。やがて謎の失踪事件が起き、未亡人の息子ヴァンサン、音信不通だったかつての親友ワルター、奇妙な神父フィリップ、そして村の秘密を知る警官らの思惑と欲望が交錯する──。
監督・脚本:アラン・ギロディ 出演:フェリックス・キシル、カトリーヌ・フロ、ジャック・ドゥヴレ、ジャン=バティスト・デュラ、デヴィッド・アヤラ
2024/フランス/103分/カラー/2.35/5.1/日本語字幕:手束紀子
© 2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Andergraun Films / Rosa Filmes
「ノーバディーズ・ヒーロー」
2022年ベルリン国際映画祭パノラマ部門オープニング作品
独身のメデリックは、ランニング中に売春婦のイザドラに一目惚れして口説くが、嫉妬深い夫に邪魔される。同じ頃、街で大規模テロが発生。メデリックのアパートに突如現れたアラブ系の青年セリム、仕事とプライベートの区別がないフロランス、混乱する近隣住民たち、ホテルフロントの老人と少女らを巻き込み、思わぬ展開に──。
監督・脚本:アラン・ギロディ 出演:ジャン=シャルル・クリシェ、ノエミ・ルヴォウスキー、イリエス・カドリ、ミシェル・マジエロ、ドリア・ティリエ
2022/フランス/100分/カラー/1.85/5.1/日本語字幕:本多茜
© 2021 CG CINÉMA / ARTE FRANCE CINÉMA / AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA / UMÉDIA
「湖の見知らぬ男」
2013年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞&クィア・パルム賞受賞
男性たちの出会いの場となっている湖を、ヴァカンス中に訪れた青年フランク。魅力的なミシェルと出会い恋に落ちるが、ある夕方、喧嘩する二人の人物を目撃する。そして数日後、ミシェルの恋人だった男性が溺死体で発見された。捜査が始まり一帯には不穏な空気が漂うが、恐怖を情熱が上回った瞬間、欲望が迸る──。
監督・脚本:アラン・ギロディ 出演:ピエール・ドゥラドンシャン、クリストフ・パウ、パトリック・ダスマサオ、ジェローム・シャパット、マチュー・ヴェルヴィッシュ
2013/フランス/97分/カラー/スコープ/ドルビーSRD/日本語字幕:今井祥子
© 2013 Les Films du WorsoArte / France Cinéma / M141 Productions / Films de Force Majeure
配給:サニーフィルム
記事提供元:キネマ旬報WEB
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