<情事と事情>倉科カナ“愛里紗”「不都合な事情からは目をそらせばいい」繊細な演技だからこそ際立つ強烈なラストシーン
倉科カナが主演を務めるドラマ「情事と事情」の最終回となる第8話が1月23日にLeminoで独占配信された。最終回では、倉科演じるミステリアスな主人公・愛里紗が“意外な一面”を見せ、衝撃のラストで完結を迎えた。(以下、ネタバレを含みます)。
明らかになった過去の事情
同ドラマの原作は、小手鞠るいによる同名小説。7人の男女がそれぞれ抱える事情が複雑に交錯し、やがて意外なつながりを見せていく、“情事と事情”が絡み合う大人の恋愛群像劇だ。
倉科は、裕福な家庭の娘として生まれ、装幀家としても活躍する主人公・結城愛里紗。また、双子の妹・島崎英里華も演じる。ほか、自分を律し過ぎているフリーライター・中条彩江子役をさとうほなみ、カメラマンとして独り立ちするために売り込み中の世良晴人役を佐藤寛太、フリーターとしてホテルのティーラウンジでピアノを弾いている玉木まりも役を森香澄、恋人の営むバーでピアノを弾きながら気の向くままに暮らしている佐藤玲門役を寺西拓人、愛里紗の夫で、まりもと愛人関係にある結城修役を金子ノブアキ、ピアノバーの経営者バーテンダーで親子ほど年の違う玲門の恋人・水無月流奈役を真飛聖が務める。
彩江子、ショック…好きな相手の家で「パパ~」
前もって告げずに晴人の部屋を訪れた彩江子が見たものは、子どもの靴だった。そして「パパ~」と呼ぶ女の子の声。その女の子は、晴人の5歳になる娘だと分かった。
晴人が伝えることができなかった、隠していた過去の事情。彩江子が「だましてたの」と捉えてしまうのも仕方ない。彩江子は離婚歴を明かしていたのだから。
動揺する彩江子は、さらに机の上にあった晴人が撮影した愛里紗の写真を見てしまう。撮影した場所は、晴人の部屋だ。信じられないという思いがありありと分かる目で晴人を見つめる彩江子は、その写真を晴人に投げつけ、さらにその近くにあったカメラを窓ガラスに向けて投げた。これが前回のラストの真相だ。
晴人の娘の泣き声で我に返った彩江子は、よろめきながら部屋を出ていった。晴人は立ち尽くしたまま。
「今度は、私が盗ってみるのもいいかもしれない」
ちょうどそのとき、愛里紗もタクシーで晴人のアパートに向かっていた。タクシーの中で、彩江子が元夫を浮気相手に盗られたことを回想していた愛里紗は「今度は、私が盗ってみるのもいいかもしれない」と思い、ゆっくりとほほ笑んだ。
第5話で、愛里紗が妹・英里華からかなわぬ恋をしていることを打ち明けられた過去シーンで、「そんなに欲しいなら、盗っちゃえばいいじゃない」と言っていたのが伏線だったのだとよぎる。
ところが、彩江子が窓ガラスを割ったことで騒動になっており、タクシーを降りずにそのまま自宅に引き返し、ワインをゴクゴクと飲む。これまであまり感情が表に出てこなかった愛里紗。息遣いも少し荒めで、感情が揺れ動いているのが分かった。倉科の繊細な演技の賜物だ。
それでも場面が変わって、海外出張から戻った修に「留守の間、何か変わったことあった?」と質問されると、「いいえ、何も。いつも通り、いたって平和でした」と何事もなかったように答えたのは、取り繕っているのか、落ち着いたのか、やはり愛里紗はミステリアスな人なのだと思えた。
この後、登場人物たちがそこにつながっていたのか、またそうつながったかとなりながら、彩江子や英里華に新たに生まれた事情にも驚きながら、終焉へと向かう。「美しいものだけ見ればいい。不都合な事情からは目をそらせばいい」という愛里紗の最後の行動は、とても衝撃的だ。
倉科の演技が見事だからこそ余計に際立つ余韻というのか、脳裏に焼き付いて、見終わってからもその行動について不意に繰り返し考えてしまう、ミステリアスな愛里紗にふさわしいラストが待っている。
「情事と事情」はLeminoにて全8話独占配信中。(※1~2話は無料配信)
【制作・編集:WEBザテレビジョン編集部】
記事提供元:Lemino ニュース
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