品川駅で行われている品川駅街区や北口、西口地区、環状4号の整備事業など2025年初の状況を紹介 広域品川圏の中心駅周辺
品川駅を中心とした、広域品川圏では、大規模な再開発事業が続いています。今回は、そんな品川駅の高輪口前、新年2025年に入った現状をお伝えします。
京急品川駅のホーム地平化と品川駅西側の大改良工事
まず品川駅高輪口の2025年初めの状況は以下の写真のようになっています。
高輪口駅前にあった荷捌きスペースやタクシープールは、現在は無くなっています。JRの改札へつながる中央自由通路から西の国道15号に出るための階段の位置は、2024年9月の工事により以前の場所よりも南側に移動をしており、これにより中央自由通路の延長などが進められるようになります。
写真右側奥の建物、京急品川駅前にあったウィング高輪EASTは、駅改良工事に伴い2020年3月に閉店していますが、駅の壁面などを含め建物外観は、まだそのまま残っています。
もう少し左側、歩道橋から北東方向を見ると下記の写真のような景色です。ここにあった貸会議室などが入ったビルも2021年頃に撤去され、現在は大きなクレーンなどと、柱のようなものが並んでいるのが分かります。
実はこの、国道15号線沿いの一帯から京急の線路上の場所にかけては、京急の線路とホームの地平化に合わせて、「品川駅街区」として、新しく整備される計画となっています。
品川駅街区の開発概要
京急品川駅の線路とホームが2階から地上階へ降りることにより、現在2階JRの改札口がある広い通路・中央自由通路をそのまま西側に延長し、新しい京急の線路上とその西側の国道15号線までのスペースをに、大きな建物を建てるという計画になっています。(上記の赤線で囲まれた場所で、品川駅街区の再開発と呼ばれています)
大きくは、来た街区、南街区に分けられて開発され、完成後のイメージ図は以下のように、大きな船にビルが乗っているようなイメージなっています。下図の北側の高層ビルの途中で、北街区・南街区が分かれます。
全体で約33500㎡の敷地に、北街区には地上28階・地下3階の約150mの高さの建物が建ち、駅施設の他に事務所や店舗が入る計画です。南街区は、地上28階(南-a)150mの高い建物と、中層の地上9階約47mの南-bで構成さえる予定で、駅施設・事務所・店舗の他に宿泊施設や集会場も予定されています。北街区と南街区の南-aは2026年3月着工で、北街区は2030年度竣工、南-aは2037年度の竣工を予定しています。南-bは2030年度とやや遅れて着工になり、2032年度の竣工予定です。
国道15号線上空のデッキの整備
再開発で新しくなる品川駅街区地区と接する、国道15線の上空には、国土交通省が主体で歩行者用のデッキの新設が予定されています。
現在は国道15号線の西側から、JRや京急の品川駅へアクセスするには、地上の横断歩道の利用が主体ですが、国道の上空にデッキが出来ると、歩行者導線は大きく様変わりすることになります。
この国道上空デッキに関しては、品川駅西口広場という名称で、コンセプトを公開したという段階です。
このデッキが完成すると、道路上空を活⽤した道・駅・まちをつなぐ駅前広場となり、地上階にはバスやタクシー・シェアサイクルなどの乗降場が設置されます。今後は詳細設計や交通広場建屋・屋根の建築設計に移っていく事になります。
15号線の西側「品川駅西口地区」の再開発事業
次に、品川駅高輪口(西口)の向かい側、国道15号線の西側の現在の様子です。ここは、京急が経営を行う、京急EXホテル品川などが入っていた複合商業施設「シナガワグース」があった場所で、それ以前の2010年まではホテルパシフィックだった所です。
ここを含めた、品川駅横の国道15号線の西側は「品川駅西口地区」の土地整備事業として、A~Dの4つの地区に分けられて再開発が進められる予定です。
このうち、シナガワグース(旧ホテルパシフィック東京)敷地だったA地区(上図の緑色)には、京急とトヨタ自動車が共同で、オフィスや商業施設、ホテル、MICE(カンファレンス、多目的ホール)などが入る地下4階/地上29階の建物を整備することが発表されています。こちらは、2025年度の新築工事着工、2029年度の開業を予定しており、オフィスの一部はトヨタの新たな東京本社となります。
15号線沿いに、A地区の北側に、現在は道路を挟んで隣接するのがC地区です。
2025年1月の時点では、まだ多くのビルが稼働している様子のC地区ですが、ここも既に建築計画が発表され、完成後のイメージ画像が公開されています。高輪三丁目品川駅前地区市街地再開発組合が事業主体となり、地下2階/地上30階・約155mの建物などが、2026年度に着工され2028年度の建物竣工を目指しています。
プリンスホテルのあるB地区などは、まだ計画を検討中のようです。
JRの線路をまたぐ環状第4号線・高輪~港南区間の整備
このC地区の北側に隣接して、東京都内を繋ぐ大規模な道路、環状4号線の整備が予定されています。そのC地区の最も北側、道路が上空を通るのこの辺りになります。
この道路、環状4号線は、外苑西通りを目黒通りから西に直進し、国道1号と国道15号を通り越し、JR品川駅の北を高架で交差して、湾岸通りに至る道路です。
先ほどの歩道橋の東側・JR線路側にある解体中のビルのすぐ裏側まで、既に環状4号線の高架が進んできているのが分かります。
この道路予定地にあるビルの解体後に、国道15号線の上を高架が設置されていくのでしょう。この道路を、JR線の東側、港南口側から見ると下写真のようになっています。
道路の突き当り、JR線の上を、建設中の道路の高架が出来てきているのが分かります。この写真の港南口側では、現在ある道路の上空に高架が建設されることになっています。真ん中を環状4号の高架が通過することになる既設の道路では、JRの線路から旧海岸通りの間では、片側1車線ずつでの運用に切り替わっています。
品川駅北口の駅改良と北口駅前広場の整備
次に、品川駅周辺でのもう一つの改良工事、品川駅の北側に作られている新しい改札口・品川駅北改札と、そこに隣接する北口駅前広場に関してお伝えします。
現在のJR東日本・品川駅の北改札につながる通路を約11m拡幅して18mとして、更に北側にコンコースと新たな改札口を設けます。北側コンコースと各ホームを接続するエレベーターを8カ所増設することでバリアフリールートを拡充します。北側の臨殺地には、駅前広場が整備されます。
北コンコース上~北側には、地上10階、地下1階の駅ビルが建設される予定で、駅施設、店舗、事務所などが入居し、2030年度完成の予定で、既に建設工事が始まっています。
この建物の北側隣接で北口広場が出来るのですが、線路の上空・2階部分に人工地盤が作られて、その上に広場などが整備されます。
2025年1月初旬の下記写真では、京急線の奥、JRの線路上に人工地盤が出来ていて、その上に大きなクレーンなどがあるのが見えてます。
駅前広場は
ここの北口駅前広場には、先ほど進捗を紹介した環状4号線につながる道路が設置され、バスやタクシー交通広場が設けらる予定です
環状4号線と、北口の駅施設・駅前広場に関しては、外からだとなかなか見えにくいのですが、JR線の品川~高輪ゲートウェイ間を通る際には、橋桁などの高架の進捗を、下からならば見えるかと思います。
今回は、品川駅周辺で行われている様々な開発事業の、2025年初めの状況をお伝えしました。JRや京急の列車運行を続けながらの作業になる部分もあるため、まだ少し先の完成になるものも多いですが、徐々に外からでも目に見える部分が出てきたようです。
文・写真:鎌田啓吾
※この記事の写真は、2024年12月下旬~2025年1月初旬に撮影をしたものです。イメージ画像などは、計画段階のもので、様々な要因により変更される可能性があります。
(鉄道チャンネル)
記事提供元:鉄道チャンネル
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