『スリクソン ZXi ハイブリッド』 はHS40m/sでもスピンと高さで止められる!
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
ダンロップは、『スリクソン ZXi ハイブリッド』を2024年11月9日に発売。ロフト角17度の#2、19度の#3、22度の#4、25度の#5、28度の#6という幅広いラインアップになっています。
『スリクソン ZXi ハイブリッド』のコピーは、“進化したフェース構造「i-FLEX」がスリクソン史上最速のボールスピードを生み出す。大きな飛距離と高弾道で、もっと攻めてピンを狙えるZXi ハイブリッド。”です。
『スリクソン ZXi ハイブリッド』のテクノロジーで注目すべきは、コピーでも最初に触れている「i-FLEX」です。ハイブリッドのために専用に設計して、インパクト時におけるヘッドの過剰な振動を防ぎ、スムーズなたわみを促すことで効率良く最大限のエネルギーを生み出すそうです。
そして、けっこう忘れがちなのが、ハイブリッドでは強く影響する傾向が強い弾道調整システムの「QUICK TUNE SYSTEM」です。フェース角、ライ角、ロフト角を自分に合うように、または、打ちたい弾道に合わせてセッティングすることで、『スリクソン ZXi ハイブリッド』は機能が最大になります。
ハイブリッドには搭載していないものが多いので、注目すべきポイントとなります。
「REFINED TOUR SHAPING」は、いわゆるアドレスビューに統一感を感じさせて、安心感を与え、狙いやすくする工夫です。個人的にヘッドのシェイプはクラブの機能の一つだと考えているので、『スリクソン ZXi ハイブリッド』が今回、名称をつけて追求したことは、打つ前から高評価です。
『スリクソン ZXi ハイブリッド』は、スリクソンというツアーユースに応えなければならない宿命を背負いつつ、28度の#6まで用意されているというやさしさも感じさせます。契約している女子プロの評価も高いので、アマチュアゴルファーにも良いハイブリッドとなる可能性が高いと言えます。
ハイブリッドは多弁なクラブですので、試打するのが楽しみでした。試打した『スリクソン ZXi ハイブリッド』は、#3、#4、#6の3本で、#3と#4は「Diamana ZXi for HYBRID」のカーボンシャフト、Sフレックスと、#6は「N.S.PRO 950GH neo」のスチールシャフト、Sフレックスでした。ボールは打ち慣れていてクラブだけの影響に集中出来る『TOUR B X』を使用。当日のコンディションは、11℃~19℃で、曇り、微風、グリーンはやや柔らかめでした。
【打感・打ち応え】
『スリクソン ZXi ハイブリッド』の打音は、やや抑えめの音量で、音質は濡れた鞭系と硬質系のミックスでシャープな音質。打ち応えは、軽く、カチッとした印象。手応えは、芯感がクリアで敏感です。
【弾道・球筋・スピン性能】
『スリクソン ZXi ハイブリッド』の弾道は、低めの高弾道です。ややボールを捉える挙動がありますが、基本はストレートに飛ぼうとします。スピンはかかるほうで、曲がりにも敏感ですが、大きく曲げるのは不得意なクラブに仕上がっています。
【距離性能】
『スリクソン ZXi ハイブリッド』の平均飛距離は#3=185ヤード、#4=175ヤード、#6=150ヤード。ロフトより少し飛ぶ印象です。しっかりとキャリーで飛ばせます。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『スリクソン ZXi ハイブリッド』は、女子プロの使用も考慮しているようで、ヘッドスピード40m/sでも機能します。
事前の説明と違うと感じた点は、ヘッドが大きいことで安心感を得られる、ということです。ヘッドは大き過ぎず、スッキリしています。つまり、大きめのヘッドが好きなゴルファーには合わない可能性が高いということになります。個人的には小さめのヘッドが好みですが、少しフェースが長めで、馬面っぽい感じがのヘッドは、嫌な感じはしませんでした。
そういう好みの部分とは別に、狙い通りに構えやすいようにネックや塗装など細かいところまで作り込まれている点は大きなプラスポイントだと感じました。アドレスビューを総括すると、とても良かったのです。初めて構えたときから、狙いやすい意味での安心感でノンストレスで打つことが出来ました。
『スリクソン ZXi ハイブリッド』でもう一つ感じたのは、グリーンを狙っていけるハイブリッドになっている、ということです。スピンと高弾道で止める弾道が意識せずに打てます。ボールを拾いやすい特徴は、やさしく打てることに繋がります。比較的フェースの下側に当たっても飛距離が極端には落ちないので、スイープに打って、安定させるのが、オススメの打ち方になると思います。
とはいえ、打ち込んでもしっかりと仕事をしてくれます。ただ、曲がりに敏感な部分が強く出やすくなるので注意が必要です。
『スリクソン ZXi ハイブリッド』は、アイアンから流れにも、ウッドからの流れにも合わせやすく出来ています。癖がなく、必要なやさしさを発揮してくれます。シンプルな分、腕前が出やすいクラブだとも言えますが、高性能で信頼できるハイブリッドとして『スリクソン ZXi ハイブリッド』をオススメします。
自分に合ったら、ずーっと長く使えそうな予感をさせる『スリクソン ZXi ハイブリッド』は、興味があったら打って見るべきクラブです。
【試打ギアスペック】
『スリクソン ZXi ハイブリッド』
ヘッド素材 ボディ マレージング鋼
フェース素材 HT1770M
ロフト角 #3/19度、#4/22度、#6/28度
ライ角 #3/59度、#4/59.5度、#6/60.5度
シャフト Diamana ZXi for HYBRID カーボンシャフト (S)
N.S.PRO 950GH neo スチールシャフト(S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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