市川紗椰が2024年に心動いたものを表彰する市川的2024アワード「のど自慢の神回は、奈良県天理市」
年末のロケにて。滋賀・彦根城のひこにゃん公と!
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、市川紗椰が2024年に心動いたものを表彰する「市川的2024アワード」をお届け。
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2024年もいよいよ終盤。年内最後の『ライクの森』は、毎年恒例の振り返り企画をお届けします。昨年はベストバイ(買って良かったもの)を発表しましたが、今年は「市川的2024アワード」という形で締めくくります。今年触れたもので「優秀だな」と思ったものや、心が動いたものを勝手に表彰します。偉そうにすみません。
まずは、「のど自慢ベスト回賞」。今年も『NHKのど自慢』をしっかりウオッチングしました。日曜の昼下がりにぼーっと見るのに最高な『のど自慢』は、生放送ならではのプチプチハプニングや「え、今のは!?」と目を疑うような愉快すぎる一般人芸の宝庫です。地域特有のノリや選曲の傾向を勝手に分析したり、強引に共通点を発見するのも楽しい。
さて今年の神回は、奈良県天理市。サービス精神(家から忌野(いまわの)清志郎さんのコスプレで来たお父さんや、勢いだけでTHE ALFEE(ジ アルフィー)さんを熱唱した会社の先輩・後輩組、自分たちの出番の後もとてつもない熱量で全員のパフォーマンスを応援!)、歌唱力(見事なこぶしで都はるみさんを歌い上げた高1の女の子は可能性しかない!)、感動(亡き夫が見立てた着物姿で美空ひばりさんを熱唱したおばあちゃん)と、見応えたっぷりでした。
さらに印象的だったのは、ゲストの天童よしみさんに似ている、という理由だけで応募したふたり組。本当に似ていて、生放送に"3よしみ"が並ぶ奇跡が起きました。トップバッターで松浦亜弥さんの『Yeah!めっちゃホリディ』を程よいフリコピで歌った女子大生も良かったですね。
でも、私のお気に入りは天理大学でラテンアメリカについて教えている教授の方。自分の専門分野にちなんで、メキシコの帽子・ソンブレロにポンチョを着て登場。小道具はマリアッチ風なギターと、ドンタコスのキャラクターを彷彿(ほうふつ)とさせるつけヒゲ。愉快さマックスな風貌で彼が歌ったのは、なぜかチューリップさんの『青春の影』。南米要素ゼロで優しく歌い上げてくれました。見た目と歌の世界観に脳が混乱する、静かなカオス。全体的には、お客さんを楽しませたいサービス精神満載、でも悪ノリに走りすぎない見事な回でした。
続いては、「最優秀柑橘(かんきつ)賞」。受賞者は、髙島屋発行の冊子『髙島屋 CLUB TAKASHIMAYA』で担当した連載『やさしい、選択~Ethical Message~』でお邪魔した、愛媛・宇和島のミカン農家「清五郎農園」で出合った「河内晩ばん柑かん」という柑橘類の品種。見た目や大きさはグレープフルーツに似ていますが、苦みは少なく、甘いけどさっぱりしてるのが特徴です。
そのままでもジュースにしてもとてもおいしいですが、焼酎と割るとより素晴らしい! 爽やかな後味と華やかな香り、さっぱりした甘みがめちゃくちゃ合います。レモンサワーならぬ河内晩柑サワー、最高です。全国の居酒屋の皆さま、オススメです。
......と、気づいたら、おいしいミカンと、のど自慢のお気に入りの回だけで終わってしまいました。ほかにもたくさん考えてたのに......。来年の抱負はタスクマネジメントですかね。続きは2025年で! 皆さん良いお年を。
●市川紗椰
1987年2月14日生まれ。米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。生バンドの演奏じゃないのど自慢にはまだ慣れてない。公式Instagram【@sayaichikawa.official】
記事提供元:週プレNEWS
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