今年はテニス界のレジェンドたちが相次いで引退! A・マレー、R・ナダルのゴルフ事情は?
2024年、男子テニス界の偉大なプレーヤーたちが次々とコートから去り、輝かしいキャリアに幕を下ろした。彼らが引退後に選んだ新たな挑戦や趣味の一つとして注目されているのがゴルフだ。長年、ラケットを握り続けてきたレジェンドたちは、ゴルフクラブを手にどのようなプレーを見せているのだろうか。彼らのゴルフ事情に迫る。
まずは、37歳の英国人、アンディ・マレー。05年にプロ転向を果たすと、12年の「全米オープン」で四大大会(グランドスラム)初優勝を果たした。翌13年の「ウィンブルドン選手権」では英国人男子で77年ぶりとなる優勝を挙げるなど、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)とともに『BIG4』の一角として、テニス界をけん引してきた。
16年「リオデジャネイロ五輪」では2度目の金メダルを獲得。ウィンブルドンでも2勝目を挙げて世界ランキング1位まで登り詰めたマレーだったが、度重なるケガに苦しめられてきた。そして、今年8月の「パリ五輪」を最後に現役を引退することになった。「試合に出てプレーするのはこれが最後だから感慨深かった。今は純粋にうれしい」。ファンによる“アンディ”の大歓声に包まれながら、コートを後にした。
そんなテニス界のレジェンドだが、ゴルフ好きとしても知られている。9月、DPワールド(欧州)ツアーのフラッグシップ大会「BMW PGA選手権」(イングランド、ウェントワースC)の開幕前日に行われたプロアマ戦に初出場。「かなり緊張したよ。腕と足の感覚がほとんどなかった」と、大舞台を何度も経験してきたビッグスターでもさすがに緊張したようだ。
プロアマ戦は、同じスコットランド人のロバート・マッキンタイアらとプレーを楽しんだ。キャディは父のウィリアムさんが務め、「事前に練習場でボールを打たなかったよ。ラウンドが進むにつれて、感覚は良くなった」。バーディパットを決めると、時折ガッツポーズを見せたマレー。大勢のギャラリーがプレーを見守った。
「テニスとはまた違う神経を使ったね。緊張感が違ったよ。今後もたくさんプレーして、たくさん練習して、いいパフォーマンスをしたい」
以前に引退後のキャリアプランとして、ゴルフのキャディに興味があると英国メディアのインタビューに答えていた。「ゴルフツアーでキャディをやるのもいいんじゃないかと思っている。この2つの競技はメンタル面などで共通点がある。ゴルフ選手の手助けができたらいいね」。友人のローリー・マキロイ(北アイルランド)のキャディバッグをマレーが背負う時が来るかもしれない。
そして、BIG4の一人であるナダルも今年11月に現役から引退した。38歳のサウスポーは、01年にプロ転向。グランドスラム通算22勝を誇る。特にクレーコートで行われる「全仏オープン」では驚異的な強さを見せ、シングルス戦で116試合を戦って、わずか4敗。史上最多となる14回の優勝を挙げ、“赤土の王者”の異名をとった。
マレーと同じくナダルも、かなりのゴルフ好き。休養中には地元スペインのマヨルカ島で開催されたチャリティ大会で優勝したり、プロも参加する大会で6位に入ったこともある腕前である。ちなみにゴルフをプレーするときは右打ちだ。
さらに、ゴルフ界のレジェンドであるタイガー・ウッズ(米国)と深い親交がある。ナダルが出場していた全米オープンの試合を、ウッズが現地観戦しているところが目撃されていた。
19年4月にウッズが「マスターズ」でケガからの復活優勝を挙げた際、ナダルは「彼は僕の憧れのスポーツマンだ。復帰までにどれほど必死に努力していたのか、僕には何となく分かる。とても感動した」。ナダル自身も度重なるケガとの戦いを繰り広げてきた。さまざまな困難に直面してきたウッズと自分自身を重ね合わせていた。
ほか、BIG4の中で唯一現役選手であるジョコビッチは、昨年「ライダーカップ」の開幕前に行われたオールスターエキジビションマッチに出場。22年に引退したフェデラーもゴルフをするところを自身のSNSに投稿するなど、第二の人生を楽しんでいる。いつか、この4人が一緒にゴルフをプレーする日が来ることを待ち望みたい。(文・神吉孝昌)
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