大西魁斗が振り返る米下部ツアーの“過酷さ”「呼吸困難になりました…」
2024年、米国男子下部のコーン・フェリーツアーを戦い抜き、PGAツアーのツアーカードを手にした大西魁斗。下部ツアーで戦った過酷な2年間を「本当に全てが大変でした」と振り返った。
下部ツアーでは、米国や南米を転戦する中、時には舗装されていない山道を走ることもあったという。「泥の上を車がずっとバンバン跳ねながら、送迎が30分。当然、辛かったです」。
特に中米のパナマや南米のコロンビアでは、治安への不安も大きかった。「リュックを前に背負って守るのは当然で、ホテルに戻っても落ち着かなかったですね。コロンビアは標高がすごく高いので、夜に寝られず“呼吸困難”になりました」。日本とは大きく異なる環境で、必死にプレーを続けた。
それでも、大西にとって異国での経験は大きかった。「日本より『いいな』と思う国はほとんどなかった。いかに恵まれた環境で育ったか分かりました。こういう経験が人としての成長につながったと思いますし、本当にタメになりました」。異国の地で揉まれた日々が、26歳を大きく成長させた。
6月の「UNCヘルス選手権」で下部ツアー初優勝。ポイントランキング25位で終え、念願のPGAツアー昇格を果たした。「2年目でやっと昇格できたことは、とてもうれしいです。でもここがスタート地点。来年活躍しないと、また(下部ツアーに)戻る可能性もあるので、ベストを尽くしていきたい」と決意を新たにする。
来季は星野陸也、金谷拓実とともに、日本人3人がPGAツアーに新規参戦する。その3人にとっての憧れの存在といえば、ツアー通算10勝を誇る松山英樹だろう。「来年は松山プロと練習ラウンドをやらせていただきたいです。どういうゴルフをされるのか、練習ラウンドでどんなことを気にしているのかを学び、自分のゴルフに生かしたいと思います」。2021年のマスターズ覇者から“技”を盗むつもりだ。
「世界を戦った選手たちが集うフィールドで、自分がどれだけ成長できるのかとても楽しみです。本当に大変だと思いますが、スポーツ選手は結果が全て。まずは引き締めて頑張っていきたい」。経験を積み重ねた26歳が、いよいよ世界最高峰の舞台に飛び込む。(文・神吉孝昌)
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