トム・ブラウンみちお、「M-1グランプリ2024」決勝戦は「リズムが大事」!?:GEKIBANG
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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BSテレ東では、12月30日(月)深夜24時から「GEKIBANG」を放送!
アニメ作品を彩る構成要素の一つであり、欠かすことのできない"劇伴"の魅力に迫る、アニメ劇伴特化プログラムの第2弾!
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ゲストの劇伴作家は、関美奈子(代表作『ブラッククローバー』『キングダム』など)と、林ゆうき(代表作『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』『ポケットモンスター』『SAKAMOTO DAYS』など)。
聞き手は、アニメは大好きのみちお(トム・ブラウン)と、斉藤円香(OCHA NORMA)。進行役は、アニメに造詣の深い天津飯大郎(天津向)が務めます。
「テレ東プラス」は、収録直後のみちおと、劇伴作家の2人を直撃!
「劇伴は単なるBGMではなく、映像と共に高め合うもの」(林)
――劇伴をテーマにした番組の第2弾。収録を終えての感想をお聞かせください。
みちお「前回と同じく、とても楽しかったです! 劇伴について学んだ後でそのシーンを見ると、改めて『こんなにカッコいいんだ!』と感じて、鳥肌が立つ瞬間もありました。
例えば、怖いシーンに明るいBGMを合わせることで不気味さが増したり、明るいシーンに不穏なBGMを流すことで色々な想像をさせたり…。この番組を通じて、音楽がどれだけ映像に影響を与えるのかを知り、アニメを見る楽しさが倍増しました」
――『M-1グランプリ2024』決勝戦にも生かせる部分はありましたか?
「僕らの漫才は、『打ち込みのようだ』と言われることもあるくらい、リズムが大事なんです。M-1ラストイヤーに決勝戦に残れたので、今日得た知識や感覚を生かして頑張りました!」
――関さんと林さんは、3月に放送された「GEKIBANG」第1弾もご覧になったとのことですが、アニメの劇伴に特化したこの番組についてどう思われますか?
関「すごいことですよね。昔は劇伴が”劇の伴奏音楽”と言われ、歌物や他の独立した音楽作品よりも少し下に見られていた時代もあり、劇伴という言葉自体も、今のように浸透していませんでした。私は90年代の人間なので、”劇伴”ではなく"サウンドトラック"と言っていた時期もありましたが、それを林さんに話したら、『なんで? 劇伴って言葉の方がかっこいいじゃん!』と。そこで初めて『劇伴って、ジャンルとしてちゃんと成り立っているんだ!』と気づいたんです」
林「濁点が多い方がカッコいいですからね(笑)。僕らがいつも思っているのは、劇伴は単に映像を引き立てるためだけに存在するわけではなく、映像と共に高め合うものだということ。映像と音楽が一体となって、互いに力を引き出し合う。それが理想的な劇伴の在り方だと思って、日々作っています」
――林さんは、劇伴が主役の音楽フェス「京伴祭」の発起人。今年9月に京都劇場で行われた「京伴祭 -KYOTO SOUNDTRACK FESTIVAL- 2024」も大盛況でしたが、魅力はどこにあると思いますか?
林「日本の劇伴は単なるBGMではなく、起承転結があり、音楽として完結しています。そのため、ライブで生演奏するととても聞き応えがあると思います。普段、僕たちは映像に対して音楽を当てていくのですが、ライブでは僕たちの音楽に映像を当てるという、逆の形をとっています。これは今までになかったアプローチで、海外でもきっと評価されると思います。"大人の修学旅行"のように、作曲家の仲間たちと一緒に世界を巡りたいという夢があるので、日本でこういったライブを続けて、最終的には世界ツアーを実現したいです」
――新体操選手から劇伴作曲家に転身という、異色の経歴を持つ林さん。それまで音楽経験は無く、独学で作曲を始めたそうですね。
林「男子新体操の伴奏曲を作りたくて作曲を始めました。新体操の伴奏には競技特有のルールや曲調が求められ、それを理解しなければ作曲できませんが、僕はそのルールを把握しており、先生方との繋がりもあったので、それを生かして技術を磨こうと思いました。新体操の伴奏曲を作りながら、少しずつクラシック音楽やオーケストラについて学び、劇伴作家の道へ。今ではアシスタントも抱え、コンサートの準備などやるべきことは増え続けていますが、自分が本当に興味を持てることや、可能性を感じることに注力しています」
――プライベートでは3児のお父さん。お子さんも音楽に興味を持っていますか?
「僕はピアノ教室に通っているのですが、長男も3歳頃から一緒に習っています。今では長女もそこに加わり、次女もそのうち始めるのではと思っています。ただ、2人ともすごく熱心というわけではなく、帰りにお菓子を買ってもらえるからついて来ているという感じです(笑)。
最近、長男がこっちのけんとさんの『はいよろこんで』を弾きたいと言い出して、難しいだろうなと思っていたら、ニコニコしながらノーミスで弾き切っちゃったんです。なかなかやるなぁと思いました」
「作曲家の権利を守るためには、楽曲を特定するシステムの整備が重要」(関)
――関さんは音楽大学を卒業し、現在は音大の講師としても活躍中。若い世代の音楽への向き合い方に驚かされることはありますか?
関「DTMや機材が普及し、誰でも音楽を作れる時代です。ユニークな発想を持つ学生が増えた一方で、失敗を恐れる傾向も見受けられます。若いうちはどんどん挑戦して学ぶべきですし、私は学生たちに『失敗してもいいよ、助けるから』と伝えています。
また、新しい音楽に触れることで、私自身学ぶことも多いです。時々、学生が『この曲いいですよね』って林さんの曲を持ってくることもあり、内心『実は友達だよ』と思いながら、知らん顔して一緒に聴いています(笑)。彼らの目を通して学ぶこともたくさんあります」
――「日本音楽著作権協会(JASRAC)」の理事としても活動されている関さん。インターネット配信やサブスクの普及など、音楽業界の環境も大きく変化していますが、作曲家の権利についてどのようにお考えですか?
関「作曲家の権利を守るためには、使用された楽曲を特定するシステムを、より整備することが重要だと考えています。音楽が使用された分の使用料を、作曲家に正しく分配する仕組みを更に強化したいと思っています。
例えば、JASRACと提携している著作権管理団体が存在する国では使用料を集めることができますが、そのような団体が存在しない国では、音楽が使われても何もできません。また、YouTubeやNetflixでは比較的スムーズに収益が入ってきますが、まだ課題が残るプラットフォームも存在しています。
JASRACでの活動においては、実際に現場で活動している作家の意見を上層部に届けることも私の役割の一つだと思っています。作家目線でJASRACの役に立てたらと思っています。」
――新たな作品が次々と生み出され、林さんは2025年の1月クールアニメ「SAKAMOTO DAYS」(テレ東)の劇伴も担当されています。みちおさんは、最近どんなアニメにハマりましたか?
みちお「今年一番ハマったのは、『シャングリラ・フロンティア』です。ゲームの配信を観ているような新感覚のアニメで、本当に面白いんです。他にも、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『葬送のフリーレン』など、今年話題の作品をたくさん見ました」
――2025年にやりたいことや、目標を教えてください。
関「実は、演奏したいと思っています。これまで一人で演奏したり、人に呼ばれてちょっと弾いたりすることはありましたが、バンドや他の人と一緒に演奏する機会がなかったんです。林さんともぜひご一緒したいです」
林「やりましょう! 来年も『京伴祭』を開催したいですし、自分のコンサートもやりたいです。僕の好きな言葉に『大人が本気で遊ぶと、それが仕事になる』というものがあって、僕たちは本当に楽しんで作っているので、来年も健康に続けられたらいいなと思っています」
みちお「僕は曲を作ってみたいと思っています。絵を描いたり、小説を書いたりはしてきましたが、音楽はリズム感がないからと避けてきたんです。でも、林さんが独学で作曲をされたのを知って、自分も挑戦してみたいと思いました。簡単なメロディから作ってみようと思います」
――最後に、視聴者に向けてメッセージをお願いします。
関「本当に楽しい番組ですし、劇伴の魅力を精一杯伝えたつもりです。皆さんのアニメライフに彩りを添えるお手伝いができたら、とても嬉しいです」
林「実は、放送日が僕の誕生日なんです! お祝いしながら見てもらえたら嬉しいです」
みちお「アニメ作品がいかに劇伴で彩られているのかを感じられる番組です。アニメファンはもちろん、音楽ファンの皆さんにも楽しんでもらえる内容になっていますので、ぜひご覧下さい!」
【みちお(トム・ブラウン) プロフィール】
1984年12月29日生まれ。北海道出身。
高校時代の先輩である布川ひろきとトム・ブラウンを結成。「M-1グランプリ2018」決勝に進出し、その特異な芸風で注目を集める。オールナイトニッポンPODCAST「トム・ブラウンのニッポン放送圧縮計画」毎週金曜日配信中。誰でも考えたくなる「正解の無いクイズ」(テレ東)、「道産人間オズブラウン」(札幌テレビ)に出演中。
【関美奈子 プロフィール】
1973年1月28日生まれ。東京都出身。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学を経て、同大学院修士課程修了。ゲーム会社に勤務後、フリーランスとなりアニメ、ゲーム、ドキュメンタリー、報道番組などの音楽制作に携わる。インストゥルメンタルやオーケストラサウンドに加え、エレクトロニック、ロック、メタル、民族音楽など、さまざまなジャンルを取り入れた作品を手掛ける。近年は音大教員や職能団体役員としても活動する。
【林ゆうき プロフィール】
1980年生まれ。京都府出身。
元男子新体操選手。競技者としての音楽の選曲から伴奏音楽の世界へ傾倒。音楽経験は無かったが、大学在学中に独学で作曲活動を始める。
大学卒業後、hideo kobayashiにトラックメイキングの基礎を学び、競技系ダンス全般の伴奏音楽制作を本格的に開始。さまざまなジャンルの音楽を取り込み、元踊り手としての感覚から、映像との一体感に重きを置く、独自の音楽性を築く。
記事提供元:テレ東プラス
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