生きづらい社会を抜けて新たな人生へ。ベストセラー小説を映画化「ケナは韓国が嫌いで」
『82年生まれ、キム・ジヨン』と同じ出版社から刊行されたベストセラー小説を原作に、「ひと夏のファンタジア」の俊英チャン・ゴンジェ監督が、生きづらい韓国社会を飛び出して新たな人生を始める28歳の女性を描いた「ケナは韓国が嫌いで」が、3月7日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国で公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。
ソウル郊外の団地で両親と妹と共に暮らす28歳のケナ。大学を卒業後、金融会社に就職し、片道2時間をかけて通勤している。学生時代からの恋人であり「自分が就職したら支える」と言うジミョンに対しては、苛立ちを隠せない。だがケナの母は、家庭が裕福なジミョンとの結婚を待ち望んでいた。また、居住地の再開発による立ち退きが迫る中で、新居の購入費をケナに頼ろうとしていた。
ソウルの寒すぎる冬、地獄のような通勤、恋人との不透明な未来、仲は良いけれど息が詰まる家族。ここでは幸せになれないと悟ったケナは、ニュージーランドへの移住を決意する──。
ケナ役は「グエムル-漢江の怪物-」のコ・アソン、ニュージーランドで友人となる留学生のジェイン役は『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のチュ・ジョンヒョク。第28回釜山国際映画祭のオープニングを飾り、第45回青龍映画賞で主演女優賞&新人男優賞にノミネートされた注目作だ。
〈キャスト&監督 コメント〉
「自分が生まれた国であっても、嫌いになることだってある」
韓国の人だけでなく、誰もが共感できることを願ってケナを演じました。
穏やかな人生を手放して、見知らぬ土地で自分の道を切り開く人物を観ていただけたらと思います。
──コ・アソン
ニュージーランドでのワーキングホリデーを通じて自身のアイデンティティと向き合うジェインの姿は、実際にニュージーランドに留学していた過去の自分と重なり、私自身の経験をキャラクターに反映させました。あの頃見た風景、出会った人々、そして当時抱いていた感情を再び思い出しました。ケナの物語では、家族との関係や外国で暮らすことの孤独感といったテーマも描かれますが、そこに深く共感する自分もいました。この映画は、私個人にとっても、過去の大切な思い出と再会させてくれた特別な作品です。
──チュ・ジョンヒョク
この映画は、私が2015年11月に原作小説を読んですぐに映画化しようと決めた物語です。韓国で暮らすということはどういう意味を持つでしょうか。20代後半の未婚女性である“ケナ”は、自分を取り巻く環境を変え、韓国とは距離を置きつつ韓国での生き方を考えます。ケナの周りの人たちは彼女を理解できません。ですが、ケナは敢えて冒険の旅に出ます。そして、移動して、自ら動くことによって新しい人々と出会います。この映画は、その過程で出会う人々、彼らと過ごした時間を経て、少しずつ変化していくケナに焦点を当てています。最後にケナはどんな決断を下すことになるのでしょうか。観客の皆さんも、ケナと一緒に旅に出ていただければと思います。
──チャン・ゴンジェ監督
「ケナは韓国が嫌いで」
監督・脚本:チャン・ゴンジェ
出演:コ・アソン、チュ・ジョンヒョク、キム・ウギョム、イ・サンヒ、オ・ミンエ、パク・スンヒョン
2024年/韓国/韓国語・英語/107分/カラー
原題:한국이 싫어서 日本語字幕:本田恵子
配給:アニモプロデュース
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公式サイト:https://animoproduce.co.jp/bihk/
記事提供元:キネマ旬報WEB
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