六車日那乃は“地面反力”で飛距離を出し、右ヒジで弾道をコントロールする【注目ルーキーのスイング診断】
2025年の国内女子ツアールーキーのスイングをツアープロコーチの石井忍が解説。今回はアマチュア時代からレギュラーツアーで活躍してきた六車日那乃のスイングを深掘りしていく。
アマチュア時代の20年に「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でローアマチュアを獲得。同年にJGAナショナルチームに入り実績を残した。21年から上田桃子らを指導していた辻村明志コーチに師事。2024年ステップ・アップ・ツアー「あおもりレディス」では単独2位に入り、同年のプロテストで合格を果たした。
そんな六車は、154センチと小柄ながら「地面反力を使って飛ばすスイング」と石井は分析する。バックスイングからトップスイングにかけては「右の股関節に乗りながら上半身を回し、トップの位置で右足はつっかえ棒のように斜めになって耐えることができている」と、地面に力を加える準備を行う。
そして、ダウンスイングでは手元が腰の位置まで下りてくるまで下半身で踏ん張り、そこから「インパクトでは右ヒザと左ヒザが伸び上がる」動きで地面反力を使う。地面反力とは、歩いているときにも起きている現象のひとつで、地面を押して返ってくる力のこと。その動きをスイングに入れることで体重以上の力を生み出し、飛距離アップを期待できる。
上半身の動きに目を向けると、ダウンスイングで「右ワキが体についてくることでインサイドから下りてくる」。反対に悪い例としては、右ヒジが背中側に外れると、上半身の起き上がりや体の回転に対して手元が遅れてくるため「振り遅れやすい」。フェースを開けばスライス、それを嫌がればチーピン、ダフリ、トップなど、あらゆるミスを誘発する。
六車は切り返しで顔の向きを変えずに左腰を低く回していくため、トップスイングの位置から手元が真下に動き、手元が胸下のところに来たときに右ヒジが体についてくる。そこからヒジの位置、顔の向きも変わらずに体の回転でボールを捉えることで「再現性の高いドローボール」が打てるのだ。
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