淡路島で500年続く伝統芸能「淡路人形浄瑠璃」にポーランド人が挑戦:世界!ニッポン行きたい人応援団
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時 ※12月16日は夜6時25分)。今回は、ポーランドからの初来日の様子をお届けします。
【動画】「世界!ニッポン行きたい人応援団」最新回
紹介するのは、ポーランド在住の「人形浄瑠璃」を愛するマルタさん。

江戸時代に花開いた「人形浄瑠璃」。魂を宿したかのように感情を表したり、目の動きだけで邪悪さを表現したりと、世界にも類をみない高度な人形劇です。3人で1つの人形を操る「3人遣い」は、人形浄瑠璃で初めて行われたといわれています。
頭と右腕を動かす主遣い、左腕を動かす左遣い、足を動かす足遣い、この3人が息を合わせて人形を操り、いきいきとした人形の動きを実現。その技と多彩な表現は世界で高く評価され、大阪の「人形浄瑠璃文楽」はユネスコ無形文化遺産に登録されています。
幼い頃から役者として舞台に立っていたマルタさん。18歳の時、勉強のために観た日本映画「道成寺」が転機に。アニメーション作家の川本喜八郎さんが制作した映画で、浄瑠璃人形をコマ撮りして動かすことでいきいきとした描写を行い、国内外で多数の賞を受賞。この映画を観て以来、人形遣いを志すようになりました。

現在マルタさんは、ワルシャワにある演劇大学の人形劇学科で勉強中。まるで生きているかのように動く人形浄瑠璃に惚れ込み、学校にあった本や動画を参考に独学で人形遣いの練習を。2年前からは同じ学科の友人と2人だけで、定期的に人形浄瑠璃の人形を使った劇を上演しています。
まだニッポンには一度も行ったことがないマルタさん。今は人が足りず、1人で人形を遣っていますが、人形浄瑠璃本来の3人遣いを学びたいと話します。
そんなマルタさんを、ニッポンにご招待! 初めてのニッポンにやってきました。
向かったのは、兵庫県にある淡路島の南端、南あわじ市。今回は、大阪の人形浄瑠璃文楽座に並び、常時公演を行っている「淡路人形座」にお世話になります。実はマルタさん、大学から借りている本が淡路人形座から贈られたものということもあり、こちらで人形浄瑠璃を学ぶことが夢でした。
約500年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財にも指定されている淡路人形浄瑠璃。人形遣いの百太夫が淡路島に伝えたといわれ、神に捧げる神事として人形を操っていました。
江戸時代になると、人形を操る技術と三味線に合わせて物語を語る浄瑠璃が合わさり、人形浄瑠璃に。歌舞伎と共に大衆の娯楽となり、淡路島の多くの人形一座が全国を巡業。娯楽の少なかった地方でも人気を博し、全国に人形浄瑠璃を根付かせたといいます。
そんな淡路人形浄瑠璃の常設公演を、唯一行っているのが淡路人形座。早速公演を観せていただくことに。
この日は、恋人に会うため放火事件を起こし、火刑に処された“八百屋お七”をモデルにした物語。3人が呼吸を合わせて1体の人形を操る動きは、まるで生きているかのよう。そこに物語を語る太夫と三味線の音色が合わさり、三業一体となって舞台を作り上げています。

初めてニッポンの人形浄瑠璃を目の当たりにしたマルタさんは、「映像で見ていたものよりもはるかに素晴らしかったです!」と絶賛。
座員をまとめる芸歴40年の人形遣い・吉田新九朗さんに「まるで魔法でもかけられたように人形を操る人が見えなくなって、完全に人形の演技だけに没頭してしまいました」と感想を伝えると、「黒子が見えなくなるっていうのが、僕たちにとって一番の褒め言葉です」と笑顔がこぼれます。
どうやって人形を生きているように操っているのか、特別に舞台裏を見せていただきます。舞台上で人形にとっての地面から一段低くなっているのは、「船底」と呼ばれる部分。この凹みで人形を操ることで、観客は目線の高さで鑑賞できるのです。
すると、新九朗さんから人形遣いの正装である黒子の衣装が。淡路人形座の座員として人形遣いの技を習得し、最終日に発表させていただくことに。10年以上の経験を持つ吉田千紅さん、1年目でまだ芸名のない森田陽菜さんと一緒に、3人遣いを学びます。

まず教えてくださったのは、女性の人形で最も大事な肩の動き。直線的に動かすと力強い男性的な印象になりますが、曲線的に動かすと柔らかさが出てしなやかに。「動きの全てに肩の動きが入ってくるので、一番重要な動き」と新九朗さん。
マルタさんが挑戦すると、スムーズに動かすことができません。新九朗さんによると、手首や指先など色々な箇所を使うため、説明するのが難しいとのこと。
そもそも人形には歩く・立つなどの単純なものから、見得を切る、泣くなどの感情表現まで、動作を示す型が160近くも。さらに、人形の性別や職業によって型が変化するため、覚えなければいけない動きは数え切れないほどあります。
その後もマルタさんは「とても難しいですが、練習できることが楽しいです」と、肩を揺らす練習を重ねました。
翌日は、朝から座員としての体験を。朝一の公演では、お客さんが人形や小道具を見学できる特典があるため、若手座員の皆さんと一緒にお客さんの対応をします。若手の教育係を担う人形遣いの吉田史興さんによると「人を見ることによって、いろんな表情を見ることができる」とのこと。多くの人に接することは、人形遣いの糧になるのです。
福の神である戎様が人々の繁栄を願う「戎舞」が披露され、シメに行われるのが名物の「大道具返し」。 次々と襖が変わり、最後には巨大な千畳敷の大広間が現れるという、目の錯覚を利用したからくりです。特別に襖を引く体験もさせていただきました。

午後の公演を見学した後は、夢だった3人遣いの練習を。新九朗さんが取り出したのは、高さ約20センチの舞台下駄。3人遣いの中心となる主遣いは、この下駄を履き、お客さんの目線の高さで人形を操ります。
マルタさんも舞台下駄を履き、千紅さんが左遣い、森田さんが足遣いを務め、立って歩いて回ってみることに。しかし、どうやって皆さんと連携するのか分かりません。
そもそも操る人形の中身は、頭と木の板と布で出来た胴、手足は紐でぶら下がっているだけ。この不安定な身体を生きているように動かすには、3人の連携が不可欠。足遣いは、主遣いの腰の動きに合わせて足を動かします。
さらに、立ち上がる際は主遣いが肩の動きで合図を送ることで、足や左手は立ち上がることを察知し、それに応じた動きを。「ただ立ったり歩いたりするだけでも、こんな繊細な技が使われているんですね!」とマルタさん。
3人遣いは無数にある動きの型だけでなく、それに対応した合図も覚える必要があります。通常は足を8年、左手を8年かけて習得し、ようやく全体の指揮役である主遣いを務めることができるのです。
その後も基本的な型を練習していると、人形遣いの史興さんから発表会で演じる内容が告げられました。それは、お昼休みにスーパーで買い物した時のことを、人形で表すというもの。日常的なシチュエーションの中にある人間の基本動作を、人形で表現するのが課題です。
早速千紅さんが左遣い、森田さんが足遣い、マルタさんが主遣いを務め、練習を。千紅さんと話しながらお店に向かい、着いたら合図を出して座ります。人形の手についた輪に自分の指を通し、お弁当の代わりに置いた野菜を1つ選んだら、新九郎さんが操る店員さんにお会計をしてもらい、最後にお客さんに向けて挨拶します。

一通り終わると、史興さんから「座った時は脇をしめる。左腕はこの人の背骨なので」とアドバイスが。主遣いの左腕は人形の背骨になるため、腕が浮いてしまうと人形は不自然な姿勢になってしまうのです。
さらに、人形と物の距離が近くなりすぎているため「自分が人形にならないように」との指摘も。ポーランドでは人形になったつもりで演じていましたが、これまでとは逆に、人形と自分を分けて客観的な目を持つことが大事。その後も、本番に向けてみっちり練習を重ねました。
翌日、マルタさんが訪れたのは南あわじ市の小学校。淡路人形座では、地域の伝統芸能を若い世代に伝えたいと、市の小中学校で人形浄瑠璃を教えるワークショップを開催しています。実は千紅さんも、高校のクラブ活動で新九朗さんに指導を受け、人形遣いになることを決意したそう。
淡路人形座に戻ると、楽屋を借りて自主練習。史興さんに人形の姿勢を指摘された挨拶のところです。
すると、千紅さんが公演の合間に見にきてくださいました。「全然昨日と違うのが分かる」と千紅さん。昨日は太ももの上の手がうまく重ならず、背骨も曲がってしまっていましたが、今日は手がきちんと重なり姿勢も綺麗になっています。
一方、立ち上がる際は不自然な体勢に。主遣いの体重移動を合図に他の2人も連動して動くため、立ち上がる際には合図を出さなければいけません。千紅さんによると、足遣いは主遣いについて体重移動を習い、次に左遣いを務めて肩の動きを学ぶので、習得に時間がかかるそう。マルタさんは「主遣いをやらせてもらっているのは本当に特別なことです。だからこそ最後までやり切ります」と意気込みます。
次にマルタさんが向かったのは、徳島県徳島市。実はこの地にも古くから人形浄瑠璃が伝えられ、「阿波人形浄瑠璃」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。
自分が動かす人形がどのように作られているのか知りたいというマルタさん。今回は、職人歴50年の人形師・甘利洋一郎さんが受け入れてくださいました。
甘利さんは、2015年に現代の名工、2016年には黄綬褒章を受章したニッポンを代表する人形職人。淡路人形座でマルタさんが使った人形の腕も甘利さんの作品とのことで、マルタさんは大感激!

ポーランドでマルタさんが使っている人形は、ニッポンの人形を真似て作られているため、ニッポンの人形とは様々な違いがあります。例えば、ポーランドで使っている人形の手には、人間と同じく3つの関節が。一方、甘利さんが作った女性の人形の手は、あえて関節を2つにすることで指先の動きが滑らかに。反った時の形も、自然に可愛らしく見えるようにしています。
さらに、琴を弾く専用の手や三味線を弾くための手も。5本の指が全て動き、開いたり閉じたりできる手は「掴み手」といい、歌舞伎のように見得を切るためのもの。浄瑠璃人形には手の形だけで10 種類以上あるとか。「日本の人形は非常に考えられて作られた構造だと思います」とマルタさん。
人形の頭も同様で、頭の種類だけで80種類以上が江戸時代から変わらず作られてきました。1体の頭を作るには、最低でも1カ月、約20~60万円ぐらいかかるそう。
現在製作中の作品を見せていただくと、綺麗に彫った頭を真っ二つにして中を彫り、20分余りでほぼ空洞に。そのスピードにマルタさんはびっくり!
数百本に上る彫刻刀やノミ、小刀の柄は全て甘利さんの手作り。この柄を目印に作業することで刃物を探さずにすみ、彫ることだけに集中できるのだとか。
さらに、「できるだけ軽くするように心がけてます」と甘利さん。浄瑠璃人形は重いものだと1体5キロ近くになるため、人形遣いの負担を減らそうと軽くしています。

続いて、目が入る部分に穴を。ここで失敗すると取り返しがつきません。慎重に目の穴をくり抜いたら、今度は裏側からまぶたの部分をさらに削ります。目との隙間が空くと、老けた印象に。いきいきとした顔を作るには、まぶたと目が密接していることが大事なのです。
そして、木の表面を強化するために、貝殻からできた胡粉を塗り重ねたら、目を動かす仕掛けを入れていきます。
目を動かすバネに使われるのは、クジラのヒゲと呼ばれる部分。クジラがプランクトンを漉し取るためのもので、硬くて弾力性に富み、鉄が貴重だった江戸時代に重宝されていました。今でもクジラのヒゲを使うのは、ステンレス製のバネだと金属音がするため。人形遣いの演技の邪魔にならないようにしています。この頭の製法は、300年変わっていません。

最後に「ポーランドに帰ったら使ってみてください」と、製作に10日を費やした人形の手のプレゼントが! さらに、1カ月以上かけて作った頭まで! 素敵なサプライズに「泣きそうです……」と感動するマルタさんでした。
甘利洋一郎さん、本当にありがとうございました!
淡路人形座に戻ると、翌日の発表会に向けて猛練習。実は商品を品定めする場面がどうしても上手くいかず、新九朗さんに見ていただくことに。人形の手では野菜をつかめないため、手についた指皮と呼ばれる部分に指を通し、自分の手で掴みますが、上手くいかずもたついてしまいます。
新九朗さんによると、人形の手を出す際、一度手を横に広げてから出すと動きが大きく見えるため、その予備の振りを利用して指を入れているそう。高度な技術に感嘆するマルタさんですが、なかなか新九朗さんのようにはできません。果たして、本番までに克服できるでしょうか?
発表会当日。16時からの本番まで、千紅さんもつきっきりで最後の練習を。客席には、座員の皆さんが集まってきました。
拍子木が鳴り、いよいよ発表の時。まずはお店に入り、商品の前に座って購入するものを選びます。しっかりと商品を目で追ったら、課題の指皮に指を通す場面。練習の甲斐あって、スムーズにできました。

と、ここまでは順調でしたが……ニンニクを持ち上げると、ネギが絡まってついてくるという想定外のハプニングが。すると、左遣いの千紅さんが、ネギを左手で持ちアシスト。マルタさんはとっさにニンニクとネギに目線を送り、どちらにするか迷うというアドリブを!
しっかりと合図を送って立ち上がると、レジ係の新九朗さんに商品を渡してお会計。最後は千紅さんと協力して襟元を正し、膝の上で手を合わせて挨拶。皆さんから拍手が送られました。
史興さんはハプニングをアドリブで返したことを褒めてくださり、「明後日から8時半出勤で(笑)」と冗談も。どうやら合格点をいただけたようです。
そして別れの時。マルタさんは「今度はもっと日本語を勉強して、皆さんともっと多くの会話ができるようになって、いつかここで長い研修が受けられるよう頑張りたいと思います」と伝えます。
座員の皆さんから、手拭いやお香、ハッピに加え、淡路人形座の写真集をいただいたマルタさん。裏表紙に書かれた皆さんからのメッセージに大感激!
「淡路人形座」の皆さん、本当にありがとうございました!

人形浄瑠璃を通して、たくさんの出会いがあったニッポン滞在。帰国を前にマルタさんは「全部が予想以上でした! 大好きな人形浄瑠璃について知識を深められたことはもちろんですが、何より素晴らしい方々に出会い、学ぶことができました。皆さんも淡路人形座にお越しください!」と語りました。
続いて紹介するのは、ポーランド在住の「炊き込みご飯」を愛するマルチンさん。

四季折々の具材とともに、出汁や醤油で米を炊く炊き込みご飯。地域によって、五目ご飯やかやくご飯とも呼ばれ、使う具材にもその土地ならではの特色が。
ポーランドでラーメン店を経営するマルチンさんが炊き込みご飯に使う具材は、ごぼう。ポーランドではなかなか手に入らないそうで、ドイツから取り寄せたごぼうで炊き込みご飯を作ります。
煮干しと昆布で出汁をとり、ごぼうを切ると、なぜかネバネバが。実はこれ「西洋黒ゴボウ」。ニッポンのごぼうとは別物で、すりおろすと山芋のような粘り気が出てしまいますが、 仕方がないのでこれで作ることに。

出汁に調味料を加え、米の上に具材をのせて炊いていきます。米と具を混ぜてしまうと熱が均等に伝わらず、中まで火が通らないそう。30分後、炊き上がりはなかなかの出来栄え!
そんなマルチンさんを、ニッポンにご招待! 5年前に初来日を果たしました。
向かったのは、三重県南部の港町、尾鷲市九鬼町。日本有数のブリの産地として知られ、「さかなご飯」という炊き込みご飯が名物です。家庭料理のさかなご飯を、田﨑ますみさんに教えていただきます。
使う魚は家庭ごとに違い、ますみさんが使うのはブリ。一口大に切り、酒をかけて臭みを取ったら、調味料と干ししいたけ、にんじん、ごぼうも入れて炊いていきます。
炊き上がるのを待つ間、ブリの握り寿しとちらし寿司も用意してくださいました。マルチンさんとますみさんはすっかり意気投合し、記念写真も!
楽しい時間を過ごすうちに、さかなご飯が炊けたよう。炊飯器を開けたマルチンさんは「ブリとごぼうの匂いがたまりません!」と感動! 最後に刻んだネギを入れて、ブリのさかなご飯が完成。

炊き立てをいただいたマルチンさんは「美味しいさかなご飯が食べられて、九鬼に来てよかったです」と伝えます。おかわりをお願いすると、「嬉しいですね」とますみさん。
実はマルチンさんに美味しいさかなご飯を食べさせてあげたいと、念入りに練習していました。「優しい心遣いに、亡くなった母を思い出しました」。
その夜は、ますみさんのお宅で夕食を。マンボウやブリしゃぶをいただき、大満足のマルチンさんでした。
お次は、九鬼町唯一の食堂「網干場(あばば)」へ。キッチンをお借りし、お世話になった方々への恩返しにポーランド風ロールキャベツ「ゴウォンプキ」を作ったマルチンさん。皆さん完食し、ますみさんからも「美味しかったです」と嬉しい言葉をいただきました。
あれから5年。ラーメン店を営んでいたマルチンさんは、帰国後、新たに2店舗を出店。フランチャイズでも6店舗を展開するなど事業を拡大していました。
さらに、日本全国の料理を紹介した本を出版。累計1000部以上を売り上げ、読者にも好評だそう。
日本料理全般に魅せられたマルチンさんですが、炊き込みご飯への情熱は変わらず、今でも定期的に作っています。以前はごぼうが手に入りませんでしたが、帰国後、ニッポンのごぼうを販売する食材店を発見。ささがきにしたごぼうに、マグロの切り身を加えた炊き込みご飯を作って見せてくれました。

そんなマルチンさんから、驚きの報告が。日本料理に関する知識や技能が認められ、ニッポンの農林水産省が定める日本食料理人の認定証を取得。来年、新たに日本料理の店を出そうと計画中だそう。
最後にマルチンさんは「招待していただいたことで、ニッポンの食文化や本物の日本食に触れて、ラーメンや寿司以外の日本料理を知ることができる場所をポーランドに作りたいと思ったんです。炊き込みご飯もメニューに加える予定ですよ!」と語ってくれました。
マルチンさんをニッポンにご招待したら、炊き込みご飯だけでなく、日本料理の魅力を伝えるお店の出店に動き出していました!
月曜夜6時25分からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送。
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ハンガリーで“柔道”に打ち込む10歳のアイシャさん&祖父ヨージェフさんが初来日☆憧れの柔道家・五輪金メダリスト“阿部一二三&詩”兄妹と感動の対面♪投げ技の極意を伝授してもらう☆さらに、全国優勝14回を誇る名門「朝飛道場」で同世代と猛稽古&試合を!他にも、聖地「講道館」を訪ね、館長の上村春樹さんや史上初の五輪3連覇・野村忠宏さんなど柔道界のレジェンドが続々登場!
【浮世絵】日本で唯一の職人がフランスへ♪
フランスで“浮世絵”の虜になっているブノワさん☆茨城で彫り師&摺り師の巧みな連携技を目の当たりに!さらに、浮世絵を摺るのに欠かせない“ばれん”を専門に作る日本で唯一の職人の元へ。ばれん作りを通して強い絆で結ばれた2人…あれから7年、ブノワさんから大ピンチの報告が!この知らせに日本の匠がフランスへ♪補修の仕方を伝授し、展覧会に向け2人の共同作品を作ることに!
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人形浄瑠璃の「3人遣い」を学びたい
紹介するのは、ポーランド在住の「人形浄瑠璃」を愛するマルタさん。

江戸時代に花開いた「人形浄瑠璃」。魂を宿したかのように感情を表したり、目の動きだけで邪悪さを表現したりと、世界にも類をみない高度な人形劇です。3人で1つの人形を操る「3人遣い」は、人形浄瑠璃で初めて行われたといわれています。
頭と右腕を動かす主遣い、左腕を動かす左遣い、足を動かす足遣い、この3人が息を合わせて人形を操り、いきいきとした人形の動きを実現。その技と多彩な表現は世界で高く評価され、大阪の「人形浄瑠璃文楽」はユネスコ無形文化遺産に登録されています。
幼い頃から役者として舞台に立っていたマルタさん。18歳の時、勉強のために観た日本映画「道成寺」が転機に。アニメーション作家の川本喜八郎さんが制作した映画で、浄瑠璃人形をコマ撮りして動かすことでいきいきとした描写を行い、国内外で多数の賞を受賞。この映画を観て以来、人形遣いを志すようになりました。

現在マルタさんは、ワルシャワにある演劇大学の人形劇学科で勉強中。まるで生きているかのように動く人形浄瑠璃に惚れ込み、学校にあった本や動画を参考に独学で人形遣いの練習を。2年前からは同じ学科の友人と2人だけで、定期的に人形浄瑠璃の人形を使った劇を上演しています。
まだニッポンには一度も行ったことがないマルタさん。今は人が足りず、1人で人形を遣っていますが、人形浄瑠璃本来の3人遣いを学びたいと話します。
そんなマルタさんを、ニッポンにご招待! 初めてのニッポンにやってきました。
向かったのは、兵庫県にある淡路島の南端、南あわじ市。今回は、大阪の人形浄瑠璃文楽座に並び、常時公演を行っている「淡路人形座」にお世話になります。実はマルタさん、大学から借りている本が淡路人形座から贈られたものということもあり、こちらで人形浄瑠璃を学ぶことが夢でした。
約500年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財にも指定されている淡路人形浄瑠璃。人形遣いの百太夫が淡路島に伝えたといわれ、神に捧げる神事として人形を操っていました。
江戸時代になると、人形を操る技術と三味線に合わせて物語を語る浄瑠璃が合わさり、人形浄瑠璃に。歌舞伎と共に大衆の娯楽となり、淡路島の多くの人形一座が全国を巡業。娯楽の少なかった地方でも人気を博し、全国に人形浄瑠璃を根付かせたといいます。
そんな淡路人形浄瑠璃の常設公演を、唯一行っているのが淡路人形座。早速公演を観せていただくことに。
この日は、恋人に会うため放火事件を起こし、火刑に処された“八百屋お七”をモデルにした物語。3人が呼吸を合わせて1体の人形を操る動きは、まるで生きているかのよう。そこに物語を語る太夫と三味線の音色が合わさり、三業一体となって舞台を作り上げています。

初めてニッポンの人形浄瑠璃を目の当たりにしたマルタさんは、「映像で見ていたものよりもはるかに素晴らしかったです!」と絶賛。
座員をまとめる芸歴40年の人形遣い・吉田新九朗さんに「まるで魔法でもかけられたように人形を操る人が見えなくなって、完全に人形の演技だけに没頭してしまいました」と感想を伝えると、「黒子が見えなくなるっていうのが、僕たちにとって一番の褒め言葉です」と笑顔がこぼれます。
どうやって人形を生きているように操っているのか、特別に舞台裏を見せていただきます。舞台上で人形にとっての地面から一段低くなっているのは、「船底」と呼ばれる部分。この凹みで人形を操ることで、観客は目線の高さで鑑賞できるのです。
すると、新九朗さんから人形遣いの正装である黒子の衣装が。淡路人形座の座員として人形遣いの技を習得し、最終日に発表させていただくことに。10年以上の経験を持つ吉田千紅さん、1年目でまだ芸名のない森田陽菜さんと一緒に、3人遣いを学びます。

まず教えてくださったのは、女性の人形で最も大事な肩の動き。直線的に動かすと力強い男性的な印象になりますが、曲線的に動かすと柔らかさが出てしなやかに。「動きの全てに肩の動きが入ってくるので、一番重要な動き」と新九朗さん。
マルタさんが挑戦すると、スムーズに動かすことができません。新九朗さんによると、手首や指先など色々な箇所を使うため、説明するのが難しいとのこと。
そもそも人形には歩く・立つなどの単純なものから、見得を切る、泣くなどの感情表現まで、動作を示す型が160近くも。さらに、人形の性別や職業によって型が変化するため、覚えなければいけない動きは数え切れないほどあります。
その後もマルタさんは「とても難しいですが、練習できることが楽しいです」と、肩を揺らす練習を重ねました。
翌日は、朝から座員としての体験を。朝一の公演では、お客さんが人形や小道具を見学できる特典があるため、若手座員の皆さんと一緒にお客さんの対応をします。若手の教育係を担う人形遣いの吉田史興さんによると「人を見ることによって、いろんな表情を見ることができる」とのこと。多くの人に接することは、人形遣いの糧になるのです。
福の神である戎様が人々の繁栄を願う「戎舞」が披露され、シメに行われるのが名物の「大道具返し」。 次々と襖が変わり、最後には巨大な千畳敷の大広間が現れるという、目の錯覚を利用したからくりです。特別に襖を引く体験もさせていただきました。

午後の公演を見学した後は、夢だった3人遣いの練習を。新九朗さんが取り出したのは、高さ約20センチの舞台下駄。3人遣いの中心となる主遣いは、この下駄を履き、お客さんの目線の高さで人形を操ります。
マルタさんも舞台下駄を履き、千紅さんが左遣い、森田さんが足遣いを務め、立って歩いて回ってみることに。しかし、どうやって皆さんと連携するのか分かりません。
そもそも操る人形の中身は、頭と木の板と布で出来た胴、手足は紐でぶら下がっているだけ。この不安定な身体を生きているように動かすには、3人の連携が不可欠。足遣いは、主遣いの腰の動きに合わせて足を動かします。
さらに、立ち上がる際は主遣いが肩の動きで合図を送ることで、足や左手は立ち上がることを察知し、それに応じた動きを。「ただ立ったり歩いたりするだけでも、こんな繊細な技が使われているんですね!」とマルタさん。
3人遣いは無数にある動きの型だけでなく、それに対応した合図も覚える必要があります。通常は足を8年、左手を8年かけて習得し、ようやく全体の指揮役である主遣いを務めることができるのです。
その後も基本的な型を練習していると、人形遣いの史興さんから発表会で演じる内容が告げられました。それは、お昼休みにスーパーで買い物した時のことを、人形で表すというもの。日常的なシチュエーションの中にある人間の基本動作を、人形で表現するのが課題です。
早速千紅さんが左遣い、森田さんが足遣い、マルタさんが主遣いを務め、練習を。千紅さんと話しながらお店に向かい、着いたら合図を出して座ります。人形の手についた輪に自分の指を通し、お弁当の代わりに置いた野菜を1つ選んだら、新九郎さんが操る店員さんにお会計をしてもらい、最後にお客さんに向けて挨拶します。

一通り終わると、史興さんから「座った時は脇をしめる。左腕はこの人の背骨なので」とアドバイスが。主遣いの左腕は人形の背骨になるため、腕が浮いてしまうと人形は不自然な姿勢になってしまうのです。
さらに、人形と物の距離が近くなりすぎているため「自分が人形にならないように」との指摘も。ポーランドでは人形になったつもりで演じていましたが、これまでとは逆に、人形と自分を分けて客観的な目を持つことが大事。その後も、本番に向けてみっちり練習を重ねました。
翌日、マルタさんが訪れたのは南あわじ市の小学校。淡路人形座では、地域の伝統芸能を若い世代に伝えたいと、市の小中学校で人形浄瑠璃を教えるワークショップを開催しています。実は千紅さんも、高校のクラブ活動で新九朗さんに指導を受け、人形遣いになることを決意したそう。
淡路人形座に戻ると、楽屋を借りて自主練習。史興さんに人形の姿勢を指摘された挨拶のところです。
すると、千紅さんが公演の合間に見にきてくださいました。「全然昨日と違うのが分かる」と千紅さん。昨日は太ももの上の手がうまく重ならず、背骨も曲がってしまっていましたが、今日は手がきちんと重なり姿勢も綺麗になっています。
一方、立ち上がる際は不自然な体勢に。主遣いの体重移動を合図に他の2人も連動して動くため、立ち上がる際には合図を出さなければいけません。千紅さんによると、足遣いは主遣いについて体重移動を習い、次に左遣いを務めて肩の動きを学ぶので、習得に時間がかかるそう。マルタさんは「主遣いをやらせてもらっているのは本当に特別なことです。だからこそ最後までやり切ります」と意気込みます。
次にマルタさんが向かったのは、徳島県徳島市。実はこの地にも古くから人形浄瑠璃が伝えられ、「阿波人形浄瑠璃」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。
自分が動かす人形がどのように作られているのか知りたいというマルタさん。今回は、職人歴50年の人形師・甘利洋一郎さんが受け入れてくださいました。
甘利さんは、2015年に現代の名工、2016年には黄綬褒章を受章したニッポンを代表する人形職人。淡路人形座でマルタさんが使った人形の腕も甘利さんの作品とのことで、マルタさんは大感激!

ポーランドでマルタさんが使っている人形は、ニッポンの人形を真似て作られているため、ニッポンの人形とは様々な違いがあります。例えば、ポーランドで使っている人形の手には、人間と同じく3つの関節が。一方、甘利さんが作った女性の人形の手は、あえて関節を2つにすることで指先の動きが滑らかに。反った時の形も、自然に可愛らしく見えるようにしています。
さらに、琴を弾く専用の手や三味線を弾くための手も。5本の指が全て動き、開いたり閉じたりできる手は「掴み手」といい、歌舞伎のように見得を切るためのもの。浄瑠璃人形には手の形だけで10 種類以上あるとか。「日本の人形は非常に考えられて作られた構造だと思います」とマルタさん。
人形の頭も同様で、頭の種類だけで80種類以上が江戸時代から変わらず作られてきました。1体の頭を作るには、最低でも1カ月、約20~60万円ぐらいかかるそう。
現在製作中の作品を見せていただくと、綺麗に彫った頭を真っ二つにして中を彫り、20分余りでほぼ空洞に。そのスピードにマルタさんはびっくり!
数百本に上る彫刻刀やノミ、小刀の柄は全て甘利さんの手作り。この柄を目印に作業することで刃物を探さずにすみ、彫ることだけに集中できるのだとか。
さらに、「できるだけ軽くするように心がけてます」と甘利さん。浄瑠璃人形は重いものだと1体5キロ近くになるため、人形遣いの負担を減らそうと軽くしています。

続いて、目が入る部分に穴を。ここで失敗すると取り返しがつきません。慎重に目の穴をくり抜いたら、今度は裏側からまぶたの部分をさらに削ります。目との隙間が空くと、老けた印象に。いきいきとした顔を作るには、まぶたと目が密接していることが大事なのです。
そして、木の表面を強化するために、貝殻からできた胡粉を塗り重ねたら、目を動かす仕掛けを入れていきます。
目を動かすバネに使われるのは、クジラのヒゲと呼ばれる部分。クジラがプランクトンを漉し取るためのもので、硬くて弾力性に富み、鉄が貴重だった江戸時代に重宝されていました。今でもクジラのヒゲを使うのは、ステンレス製のバネだと金属音がするため。人形遣いの演技の邪魔にならないようにしています。この頭の製法は、300年変わっていません。

最後に「ポーランドに帰ったら使ってみてください」と、製作に10日を費やした人形の手のプレゼントが! さらに、1カ月以上かけて作った頭まで! 素敵なサプライズに「泣きそうです……」と感動するマルタさんでした。
甘利洋一郎さん、本当にありがとうございました!
淡路人形座に戻ると、翌日の発表会に向けて猛練習。実は商品を品定めする場面がどうしても上手くいかず、新九朗さんに見ていただくことに。人形の手では野菜をつかめないため、手についた指皮と呼ばれる部分に指を通し、自分の手で掴みますが、上手くいかずもたついてしまいます。
新九朗さんによると、人形の手を出す際、一度手を横に広げてから出すと動きが大きく見えるため、その予備の振りを利用して指を入れているそう。高度な技術に感嘆するマルタさんですが、なかなか新九朗さんのようにはできません。果たして、本番までに克服できるでしょうか?
発表会当日。16時からの本番まで、千紅さんもつきっきりで最後の練習を。客席には、座員の皆さんが集まってきました。
拍子木が鳴り、いよいよ発表の時。まずはお店に入り、商品の前に座って購入するものを選びます。しっかりと商品を目で追ったら、課題の指皮に指を通す場面。練習の甲斐あって、スムーズにできました。

と、ここまでは順調でしたが……ニンニクを持ち上げると、ネギが絡まってついてくるという想定外のハプニングが。すると、左遣いの千紅さんが、ネギを左手で持ちアシスト。マルタさんはとっさにニンニクとネギに目線を送り、どちらにするか迷うというアドリブを!
しっかりと合図を送って立ち上がると、レジ係の新九朗さんに商品を渡してお会計。最後は千紅さんと協力して襟元を正し、膝の上で手を合わせて挨拶。皆さんから拍手が送られました。
史興さんはハプニングをアドリブで返したことを褒めてくださり、「明後日から8時半出勤で(笑)」と冗談も。どうやら合格点をいただけたようです。
そして別れの時。マルタさんは「今度はもっと日本語を勉強して、皆さんともっと多くの会話ができるようになって、いつかここで長い研修が受けられるよう頑張りたいと思います」と伝えます。
座員の皆さんから、手拭いやお香、ハッピに加え、淡路人形座の写真集をいただいたマルタさん。裏表紙に書かれた皆さんからのメッセージに大感激!
「淡路人形座」の皆さん、本当にありがとうございました!

人形浄瑠璃を通して、たくさんの出会いがあったニッポン滞在。帰国を前にマルタさんは「全部が予想以上でした! 大好きな人形浄瑠璃について知識を深められたことはもちろんですが、何より素晴らしい方々に出会い、学ぶことができました。皆さんも淡路人形座にお越しください!」と語りました。
三重県九鬼町の家庭の味「さかなご飯」を学ぶ
続いて紹介するのは、ポーランド在住の「炊き込みご飯」を愛するマルチンさん。

四季折々の具材とともに、出汁や醤油で米を炊く炊き込みご飯。地域によって、五目ご飯やかやくご飯とも呼ばれ、使う具材にもその土地ならではの特色が。
ポーランドでラーメン店を経営するマルチンさんが炊き込みご飯に使う具材は、ごぼう。ポーランドではなかなか手に入らないそうで、ドイツから取り寄せたごぼうで炊き込みご飯を作ります。
煮干しと昆布で出汁をとり、ごぼうを切ると、なぜかネバネバが。実はこれ「西洋黒ゴボウ」。ニッポンのごぼうとは別物で、すりおろすと山芋のような粘り気が出てしまいますが、 仕方がないのでこれで作ることに。

出汁に調味料を加え、米の上に具材をのせて炊いていきます。米と具を混ぜてしまうと熱が均等に伝わらず、中まで火が通らないそう。30分後、炊き上がりはなかなかの出来栄え!
そんなマルチンさんを、ニッポンにご招待! 5年前に初来日を果たしました。
向かったのは、三重県南部の港町、尾鷲市九鬼町。日本有数のブリの産地として知られ、「さかなご飯」という炊き込みご飯が名物です。家庭料理のさかなご飯を、田﨑ますみさんに教えていただきます。
使う魚は家庭ごとに違い、ますみさんが使うのはブリ。一口大に切り、酒をかけて臭みを取ったら、調味料と干ししいたけ、にんじん、ごぼうも入れて炊いていきます。
炊き上がるのを待つ間、ブリの握り寿しとちらし寿司も用意してくださいました。マルチンさんとますみさんはすっかり意気投合し、記念写真も!
楽しい時間を過ごすうちに、さかなご飯が炊けたよう。炊飯器を開けたマルチンさんは「ブリとごぼうの匂いがたまりません!」と感動! 最後に刻んだネギを入れて、ブリのさかなご飯が完成。

炊き立てをいただいたマルチンさんは「美味しいさかなご飯が食べられて、九鬼に来てよかったです」と伝えます。おかわりをお願いすると、「嬉しいですね」とますみさん。
実はマルチンさんに美味しいさかなご飯を食べさせてあげたいと、念入りに練習していました。「優しい心遣いに、亡くなった母を思い出しました」。
その夜は、ますみさんのお宅で夕食を。マンボウやブリしゃぶをいただき、大満足のマルチンさんでした。
お次は、九鬼町唯一の食堂「網干場(あばば)」へ。キッチンをお借りし、お世話になった方々への恩返しにポーランド風ロールキャベツ「ゴウォンプキ」を作ったマルチンさん。皆さん完食し、ますみさんからも「美味しかったです」と嬉しい言葉をいただきました。
あれから5年。ラーメン店を営んでいたマルチンさんは、帰国後、新たに2店舗を出店。フランチャイズでも6店舗を展開するなど事業を拡大していました。
さらに、日本全国の料理を紹介した本を出版。累計1000部以上を売り上げ、読者にも好評だそう。
日本料理全般に魅せられたマルチンさんですが、炊き込みご飯への情熱は変わらず、今でも定期的に作っています。以前はごぼうが手に入りませんでしたが、帰国後、ニッポンのごぼうを販売する食材店を発見。ささがきにしたごぼうに、マグロの切り身を加えた炊き込みご飯を作って見せてくれました。

そんなマルチンさんから、驚きの報告が。日本料理に関する知識や技能が認められ、ニッポンの農林水産省が定める日本食料理人の認定証を取得。来年、新たに日本料理の店を出そうと計画中だそう。
最後にマルチンさんは「招待していただいたことで、ニッポンの食文化や本物の日本食に触れて、ラーメンや寿司以外の日本料理を知ることができる場所をポーランドに作りたいと思ったんです。炊き込みご飯もメニューに加える予定ですよ!」と語ってくれました。
マルチンさんをニッポンにご招待したら、炊き込みご飯だけでなく、日本料理の魅力を伝えるお店の出店に動き出していました!
月曜夜6時25分からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送。
【柔道】阿部一二三&詩が10歳少女を応援♪
ハンガリーで“柔道”に打ち込む10歳のアイシャさん&祖父ヨージェフさんが初来日☆憧れの柔道家・五輪金メダリスト“阿部一二三&詩”兄妹と感動の対面♪投げ技の極意を伝授してもらう☆さらに、全国優勝14回を誇る名門「朝飛道場」で同世代と猛稽古&試合を!他にも、聖地「講道館」を訪ね、館長の上村春樹さんや史上初の五輪3連覇・野村忠宏さんなど柔道界のレジェンドが続々登場!
【浮世絵】日本で唯一の職人がフランスへ♪
フランスで“浮世絵”の虜になっているブノワさん☆茨城で彫り師&摺り師の巧みな連携技を目の当たりに!さらに、浮世絵を摺るのに欠かせない“ばれん”を専門に作る日本で唯一の職人の元へ。ばれん作りを通して強い絆で結ばれた2人…あれから7年、ブノワさんから大ピンチの報告が!この知らせに日本の匠がフランスへ♪補修の仕方を伝授し、展覧会に向け2人の共同作品を作ることに!
記事提供元:テレ東プラス
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