突風も目玉もダブルボギーも…「しょうがない」 すべてを受け入れてQT突破を狙う27歳・大出瑞月の境地
<JLPGAファイナルQT 3日目◇28日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6454ヤード・パー72>
突風にあおられても、バンカーで目玉になっても、ダブルボギーをたたいても、「しょうがない」。今月21日に27歳の誕生日を迎えた大出瑞月は、すべてのことを受け入れて来季の出場権を目指している。
トータル2アンダー・12位タイから3日目を出た大出は、1番でバーディ発進するも4番で1つ落とす。7番パー4は「(2打目が)バンカーで目玉になってアンプレ(ヤブル)」などとダブルボギー。9番パー5では、風の読み間違いもあって3打目はキャリーでグリーンオーバーするなど、ここでもダブルボギー。10番パー5ではバーディチャンスを逃すと11番パー4では3パットのボギー。トータル3オーバーまで後退した。
「(スコアは)気になるけどしょうがない。ダボ2個じゃ、そうなるよね。10番でもバーディパット入れられなくて流れ悪かったけど、まあしょうがないかなと」。焦っても仕方がない。そう思いながらラウンドを続けていた。
「バーディを獲りにいっても狙ってとれる状況じゃないし、狙って取れる(体の)状態でもない」。先週行われたファーストQTの最終日のスタート前に、急に背中痛に襲われた。「ゴルフは出来ますけど、もうちょっと気持ちよく振りたいですよね。今年の最終戦だし、疲れもありますから」。体調面も万全の状態ではない。
スコアを落としてもじっくり待つと14番で1メートル強のバーディパットを沈める。15番パー3では12メートル、16番パー4では2.5メートルと3連続で息を吹き返した。
上がりの18番パー4では「フェアウェイバンカーで目玉になり、2打目は出すだけ」の状況からボギーでしのぎ、この日は4バーディ・3ボギー・2ダブルボギーの「75」。トータル1オーバー・17位タイで終えた。「きょうは80ぐらい打ってそうな雰囲気でした。しょうがないです」。順位を落としても前を向く。来季の前半戦出場権を獲得できる35位以内はまだまだキープしている。
先週行われたファーストQTの3日目に、27回目の誕生日を迎えた。「何が悲しくて(ファースト)QTの3日目に誕生日おめでとうって…(笑)。まあ、歳をとるのもしょうがない。でも今年のおめでとうは、なんだかうれしくなかったな。若くないし、だんだん、『あっ、どうも』って」。2018年にはシード権を獲得した経験もある。来年はプロ10年目を迎える。ここまで多くの経験をしてきたからこそ、受け入れられるようになった。
選手がスコアの状況を確認するためにアウトとインのそれぞれ途中のホールに速報板が置いてある。「いいところに置いてある(笑)。5番とか15番とか。嫌なところに置いてるなって。見たら焦っちゃうから、見ないですけどね。明日はイーブンパーが目標です。焦らず、慌てず、欲をかかない。しょうがないと思ってやる」。プロ9年目の27歳は、自分の目標スコアとの戦いだ。(文・小高拓)
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