ボールを強く押し込む大谷翔平と石川遼の共通点「グローブのロゴが目標を向くように…」【野球とゴルフのコーチが解説】
メジャーリーグ史上初の50-50(54本塁打、59盗塁)達成に加え、リーグ2位の打率.310、同1位の130打点を叩き出した大谷翔平が、2年連続3度目の満票MVPに輝いた。そのバッティングフォームからゴルフに応用できることはあるのか。高校、大学、社会人と野球に打ち込み、その後ゴルフに転向したティーチングプロの平野茂に聞いてみた。
大谷翔平が練習中や自分の打席を待つ時に、右手の甲を前に出し、ボールをヒットする時の手の形を確認するようなしぐさをすることがある。この動きについて平野は、「丸いバットには面はありませんが、バットを回転させずにボールにぶつけていく、そして押し込んでいくために手の甲を出していくイメージを持っているのだと思います。反対にバットを回転させるように、手の甲が空を向いてしまうと、強く押し込めず、ボールの勢いに負けてしまいます」と分析。ゴルフでも手の甲をボールにぶつけていくイメージは同じだと話を続ける。
「理想的な動きをしているのが石川遼プロです。ダウンスイングでヘッドが腰の高さに下りてきたとき、手首は手のヒラ側に曲がっていて左手甲がボールに向かっています。インパクトではグローブのロゴが目標を向くように、甲をぶつけていく。左手甲とフェース面が連動しているので、フェースコントロールがしやすく、狙った弾道が打てていると思います」。
手首の動きは、テニスラケットでトスバッティングをするとわかりやすい。「右打ちの場合は左手1本でラケットを持ち、面を意識しながら真っすぐ低く打ち返しましょう。フェース面を保つには、左手首を手のヒラ側に曲げて掌屈させるはず。一方で打ち返したボールが上に飛ぶようなら、左手首が甲側に折れ背屈に、手の甲も空を向いている可能性があります」。
また、ラケットの代わりにうちわで繰り返し素振りをするのも効果的な練習だ。「左手1本で素振りして、インパクトで左手甲とうちわの面が揃ってスクエアに戻るように振ってみましょう」。
片手では力強いインパクトがイメージできたが、クラブを両手で持つと結果に結びつかない。そんな人は、右手の使い方を見直したい。「右手で打つ意識が強いと、練習の成果が発揮できません。確かに右手はボールを押し込むためには必要ですが、ダウンスイングは左手が主役。切り返しからインパクトまでは左手主体でクラブを下ろすことで、フェースをスクエアに戻しやすくなります」。インパクトからは主役を右手に交代し、パワフルにボールを押し込んでいこう。
左手主体でクラブを下ろし、左手甲をボールにぶつけるように振る。この一連の動きは、クラブが寝てフェースが開く、プッシュやチーピン対策にもなる。「切り返しでややクラブが寝ていても、インパクト付近ではしっかりとクラブを立てて下ろすのが、プロや上級者です。左手主体で下ろし、手の甲をぶつけるようにすれば、左ワキが締まりやすく、手元も体の近くを通しやすくなり、クラブが寝にくくなるのです」。
手の甲をボールにぶつけるのは、力強さにフォーカスしがちだが、クラブの軌道やフェース面を正すためにも、大きな効果がある動き。すぐに取り入れてみよう。
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