スズキのインド産小型SUVが受注1万台突破! つうわけで公道試乗で徹底チェック!! 噂のフロンクスの走りはどうだ!?
千葉県で開催された報道陣向けの試乗会に突撃! 一般道を中心に渡辺氏が試乗。群雄割拠のSUV市場の目玉になるか!?
ついにスズキの新型SUVが日本市場で発売となった。その実力や魅力は本物なのか? 試乗はもちろんのこと、開発陣も取材したカーライフジャーナリストの渡辺陽一郎氏が特濃解説する!!
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■スズキの新型SUVが早くも爆売れ!
スズキ フロンクス 価格:254万1000~282万7000円 高級感が漂うフロンクスは世界70ヵ国以上で販売されるグローバルモデル。クセの強いフロントマスクは中毒性アリ!
渡辺 10月16日に発売となったスズキのコンパクトSUV・フロンクスに公道試乗してきました!
――フロンクスはインド産の輸入車です。現地での売れ行きはいかがです?
渡辺 インドでは約17ヵ月で累計販売20万台を達成。この数字はインドの乗用車販売で最速となります。
――スゴっ!
渡辺 余談ですが、フロンクスはインドのグジャラート工場で生産されています。このグジャラート工場は2017年に稼働を開始した最新鋭の生産拠点になります。生産規模は年間75万台です。
――へぇー。
渡辺 加えてスズキは1983年からインドで四輪車を生産しており、累計台数は3000万台に達しています。
フロンクス開発責任者 森田祐司氏 スズキが誇る世界戦略車がフロンクス。開発責任者の森田氏は「走りにもこだわった」と語っていた
――そんなインドから鳴り物入りで日本市場に導入されたフロンクスの販売状況は?
渡辺 絶好調です。すでに受注は1万台を突破しており、フロンクスの開発責任者である森田祐司氏は、「予想を上回る反響です」とホクホク顔でした。ちなみに日本市場におけるフロンクスの月販目標は1000台です。
ボディサイズは全長3995㎜×全幅1765㎜×全高1550㎜。小回り抜群
――爆売れの秘密は?
渡辺 全長4m以下で、最小回転半径は4.8mです。それもあり狭い裏道や駐車場での取り回しが楽で、とても運転がしやすい。
小さな高級車と言いたくなる上質な室内空間。ナビは出血覚悟の標準装備!
コンパクトSUVながら後席の足元空間はマジで広い。窮屈さは感じなかった
荷室容量は控えめな210リットル。賛否があるようだが、座席を倒せば最大290リットルに
――コンパクトなクルマだと車内が狭いのでは?
渡辺 ところが、身長170㎝の大人4人が乗車した際でも、後席に座る乗員の頭上に不満のない空間がある。膝先にも握りコブシふたつ分の余裕があるのでファミリーカーとしても十分使えます。
――ちなみにフロンクスはインド仕様をそのまま日本市場に導入した感じ?
渡辺 フロンクスはインドに加えて中南米や中近東でも売られ、販売する地域の用途や好みに応じて造り分けています。気になる日本仕様ですが、別の車種かと思えるほど改良や変更が施されています。
フロンクスの日本仕様はFFも4WDも足回りを徹底的に磨き抜いたという
――例えば?
渡辺 森田氏によると、「インド仕様以上に静粛性を向上させた。電動パワーステアリングの設定も異なり、安全装備や運転支援機能も充実させている」とのこと。さらにインド仕様には設定のない4WDを日本仕様には用意しています。
パワートレインは1.5リットルの直列4気筒エンジン+マイルドハイブリッドを搭載
――試乗した率直な感想は?
渡辺 エンジンは直列4気筒1.5リットルのマイルドハイブリッド。しかも、2WDの車両重量は1070㎏と軽いため発進直後から加速力に余裕がある。
ATは6速なのでダイレクト感が伴って速度調節がしやすい。欧州車に似た運転感覚で、ステアリングホイール(ハンドル)を回し始めたときから車両の進行方向が正確に変わりクルマとの一体感も味わえます。
――上質な乗り味であると。ところでフロンクスはスズキの中でどんな位置づけのクルマなんですか?
渡辺 森田氏は「スズキの最上級車種として開発したわけではない」と語っていましたが、少なくとも日本市場のスズキ車の中で、最上級の品質を誇るクルマです。
――欠点はない?
渡辺 時速40キロ以下での乗り心地が少し硬い印象です。
――ほかには?
渡辺 繰り返しになりますが、フロンクスは月販目標の10倍に相当する1万台超を受注しているため、現状では納期が悩みの種になっています。
――現時点で納期はどの程度なんですか?
渡辺 スズキの販売店からは、「納期は約10ヵ月」という声が!
――ヤバっ!
渡辺 受注殺到で販売店はどこもてんてこ舞いのようです。
――つまり、スズキはうれしい悲鳴を上げていると。ズバリ、フロンクスのライバル車はどれ?
渡辺 トータルで考えると、ホンダのヴェゼルでしょうね。ただ、フロンクスは内外装の質感を高め装備を充実させながらも価格が安い。ズバリ、超お買い得カーです!
撮影/山本佳吾
記事提供元:週プレNEWS
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