「自分なんかが…」西郷真央が“狙いすまして”新人賞戴冠 ストイック娘のご褒美は?
<CMEグループ・ツアー選手権 最終日◇24日◇ティブロンGC(米フロリダ州)◇6700ヤード・パー72>
昨年の最終予選会(Qシリーズ)を突破して米ツアーメンバー入りを果たした西郷真央が『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』(新人賞)を獲得した。7月の「Danaオープン」以来、賞レーストップを走り続けてきたが、この最終日を1イーグル・4バーディの「66」でトータル8アンダー・25位タイで終えて、戴冠が決定した。
米1年目を迎えるにあたって、3つの目標を立てた。「このCMEチャンピオンシップに出場すること、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得すること、優勝すること。その2つをクリアできてうれしいし、価値ある賞をゲットしたと思います」。挑戦できるのは人生一度キリ。「本当にうれしい」と何度も喜びを表現した。
日本勢では1990年の小林浩美以来、2人目の快挙。歴代にはリディア・コ(2014年、ニュージーランド)、ポーラ・クリーマー(米国、05年)、カリー・ウェブ(96年、オーストラリア)、アニカ・ソレンスタム(94年、スウェーデン)と名だたる選手がそろう。「すごい選手ばかりですし、古江(彩佳)さんや尊敬する先輩たちでさえ成し遂げられなかった賞。自分なんかが…とは思うんですけど、目標としていたものを獲得できて良かった」と胸を張る。
7月「CPKC女子オープン」では優勝争いの末に2位に入った。ルーキーの先頭に立って賞レースを引っ張り、順位の変動や2位との差は「毎回チェックしていた」という。ただ、先週の「ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン」で11試合ぶりに予選落ちを喫すると、2番手につけていたイム・ジンヒ(韓国)が2位に入った。「気持ち的にはナーバスになっていた」。それでも自らはショットの改善に注力し、この最終戦を迎えた。
「彼女がいいプレーをしてくれたから、自分もいいプレーをしようと。感謝しています。単純に彼女より試合に出ていたり(西郷が29試合でイムが24試合)、数でカバーしてしまったところもある。でも日本ツアーで培ってきたマネジメントや得意とするショットがLPGAでも通用できたというのが一番の強みだった」
最終9番では「今週一番いいショット」で締めくくった。残り154ヤードから8番アイアンで1メートルにつけてバーディ。今年の集大成ともいえる一打だった。
帰国したら師匠のジャンボ尾崎に報告するつもり。「新人賞というものを知らないと思う…(笑)。ちゃんと挨拶をしに行って、今年の結果報告と、来年の目標などを伝えたいと思います」。常にストイックな23歳だが、「ご褒美は考えていなかったですね。帰って愛犬とダラダラしたい」と自分をねぎらう。(文・笠井あかり)
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