アイデンティティと向き合う女性の心の動きを繊細に描く「今日の海が何色でも」全国公開決定
タイ南部の海辺の町でふたりの女性が出会い自然と惹かれあっていく様を、環境問題をテーマにしたアートを交えて美しく映し出し、第19回大阪アジアン映画祭で上映され話題となったタイ映画「今日の海が何色でも」が、2025年1月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開が決定。ポスタービジュアル、予告編が解禁された。
本作が長編劇映画デビュー作であるパティパン・ブンタリク監督は、本作の前に手掛けた環境ドキュメンタリーで取材した、ソンクラー市のピーラ市長が暗殺されたことをきっかけに本作を制作したという。そこに、『(自身の)映画監督や社会活動家としての背景、偏見との出会い。男性性にまつわる有害な価値観を体験したこと。そして幼少期に祖父母と過ごした記憶。それぞれの闘いを共有した友人たちの物語も織り交ぜました』とコメントしている。
第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門では『人間と人間、人間と自然をめぐるさまざまなテーマを、柔軟な姿勢で明確に提示している。人間と自然だけでなく、時間の流れ、伝統と変化、ミクロとマクロを映像で繊細につなぎ、不確かな未来への想像をかきたてる』と称賛され、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)とLG OLED New Currents賞をダブル受賞している。
Story
タイの南部の町ソンクラー。かつて美しい砂浜があったが、高潮によって侵食され、現在は護岸用の人工の岩に置き換えられている。その町の保守的なイスラム教徒の家庭で生まれ育ったシャティは親に結婚を急かされていた。しかしシャティは親が決めた相手と結婚させられることに疑問を感じていた。ある日シャティは、防波堤をテーマにした美術展のためにやって来たビジュアルアーティストのフォンと出会い、彼女のサポートをすることに。一見全く正反対に思えたふたりだったが、お互いを深く知れば知るほど惹かれ合っていき──。
「今日の海が何色でも」
監督・脚本:パティパン・ブンタリク
出演:アイラダ・ピツワン、ラウィパ・スリサングアン
2023年/タイ/タイ語・南部タイ方言/93分/1.85:1/カラー/5.1ch/映倫区分「G」
原題:ทะเลของฉัน มีคลื่นเล็กน้อยถึงปานกลาง /英題:Solids by the Seashore/日本語字幕:塩谷楽妥
製作:Diversion / 配給:Foggy / 配給協力:アークエンタテインメント
記事提供元:キネマ旬報WEB
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