無欲の下克上Vがあるかも⁉ メルセデス・ランキング114位の浜崎未来がプロ5年目で自己最高の7位スタート
<大王製紙エリエールレディス 初日◇14日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
来季のシードは今大会終了後のメルセデス・ランキング(以下MR)で確定する。MR114位で優勝シードによる一発逆転でしかQT(予選会)を回避できない崖っぷちで、プロ5年目の浜崎未来が首位と2打差の7位と絶好のスタートを切った。
「今週は正直、練習ラウンドからショットがよくなくて、不安なスタートでした。でも、ショットがうまくいってくれて、いいパットも入ってくれました」
パット数は全体1位の25パット。パーオン率は61.1%(11/18)と決して良くはなかったが、要所でピンに絡めて7バーディを奪った。前半のアウトは1番で残り143ヤードの2打目をピン左奥1メートルにつけ、2番は15ヤードのチップインなど5バーディ。後半は2バーディ・3ボギーと1つ落としたが、4アンダーの「67」をマークした24歳は、うれしい誤算のスタートダッシュに声を弾ませた。
昨季はMR55位で今季前半戦の出場権をつかみ取った。しかし、¨準シード¨で臨んだシーズンは厳しい現実が待ち受けていた。第1回リランキングが実施された6月の「ニチレイレディス」まで皆勤出場も16試合中11試合で予選落ち。リランキング51位で始まった後半戦も予選落ちが続き、前週と前々週は下部のステップ・アップ・ツアーで戦った。
「今季はずっとよくなくて、今週は推薦をいただいての出場ですが、なるべくいい状態で、いいプレーをして、来週のQTに行けたらいいなぁと思っていました」
4日間大会の初日が終わったばかり。優勝うんぬんを話題にするのは早計だが、昨年3月の「アクサレディス」ではQTランク181位だった山内日菜子がツアー初優勝を果たした例もある。「優勝なんて、そんなことは考えていなかったです。今週の目標は来週の1次QTにつながるゴルフをすること。その気持ちは変わらずやりたい。でも、せっかくいいスタートが切れたので、明日以降も頑張りたい」。
島根・松江市生まれの24歳は2021年6月の最終プロテストに合格し、島根県出身者では25年ぶり3人目の女子プロゴルファーとなった。今大会がツアー85試合目。残り3日間、地に足をつけ、そして、下克上Vの野心をちょっぴり胸に秘めて戦う。(文・臼杵孝志)
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