新女王の竹田麗央がドラディス1位に照準 兄・有男さんは小祝さくらのキャディで急きょ“参戦”
<大王製紙エリエールレディス 事前情報◇13日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>
初の年間女王に輝いた竹田麗央。充実のシーズンを締めくくる最後の目標は、やっぱり“アレ”しかない。「はい。1位で終わりたいです」。目指すはドライビングディスタンスNO.1。表彰対象外だが、誰よりも飛距離にこだわる新女王が開幕前から熱望していた飛ばし屋の称号だ。
今季ドライビングディスタンスは262.72ヤードで1位に立っているが、2位の神谷そらとの差はわずか0.39ヤードしかない。さらに3位の葭葉ルミとは0.44ヤード、4位の穴井詩とも0.53ヤードの僅差で、毎週のように順位が入れ替わる状況。「今週もしっかり飛ばしたい」と意気込む竹田にとって、計測ホールがパー5の9番と11番に変更されたのは追い風だ。
昨年はパー4の2番と6番が計測ホールで、特に2番は打ち下ろしで下り傾斜のため、300ヤード超えが続出。飛ばし屋もドライバーを使わない選手が多かった。竹田も2打目が左足下がりになることを回避して1Wを握らず、261ヤードで30位。一方でドライバーを振った穴井は321ヤードと大差がついた。今年はその心配もなく、「今週はラフもそんなに長くないので、多少曲がっても大丈夫。しっかり振っていきたいです」と言葉に力を込める。
ツアー史上3番目の若さとなる21歳222日での戴冠が決まったのは、今季4度目の予選落ちを喫した先週の「伊藤園レディス」。史上初となった“主役不在”での女王決定からの出直しを期す試合ともなるが、今週は単独8位以上に入れば、新たな勲章も手に入る。今季獲得賞金は2億5263万16円で、コロナ禍で統合された2020-21年の稲見萌寧の2億5519万2049円の史上最高額の更新は目前。単独8位の300万円を加算すれば、稲見が45試合で稼いだ額をわずか31試合で塗り替えることになる。
「先週は最終日にいなかったので、悔しかった。初めて年間女王を取れたのでうれしい気持ちでいっぱいなんですが、リセットして今週また頑張りたい」
予選ラウンドの2日間は山下美夢有、青木瀬令奈とのラウンドだが、1組前で回る小祝さくらのキャディを務めるのは兄の有男さん。小祝のオファーで急きょ実現したコンビで、小祝と大の仲良しの竹田も「びっくりしました」と驚くタッグとなった。
自宅のある熊本で両親が経営するゴルフショップで働く有男(ゆうた)さんは、竹田が2勝目を挙げた4月の「フジサンケイレディス」では兄妹タッグで優勝も経験している。今回は兄妹対決。兄の存在も力に変えて、若き女王がドライバーを振り切り、歴史を塗り替える。(文・臼杵孝志)
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