事故で孤児になったオポッサム、ぬいぐるみが母代わりになりすくすく成長(米)
母を事故で失った6匹のオポッサムの赤ちゃんが今年7月、動物保護団体に保護された。それから約3か月、オポッサムはぬいぐるみの背中にしがみつき、スタッフの深い愛情を受けながら元気に成長した。動物専門サイト『The Dodo』が伝えている。
米マサチューセッツ州チェルムスフォードの動物保護団体「ニューハウス・ワイルドライフ・レスキュー、以下NWR)」に7月24日、オポッサムに関する連絡があった。内容は「道路脇で車に轢かれて怪我をしたオポッサムがいる」というものだった。
オポッサムは雌の成体で、NWRのスタッフが現場に到着した時にはすでに息絶えていた。しかし、スタッフは母の死骸にしがみつく赤ちゃんが数匹いることに気づき、心を痛めながらも1匹ずつ慎重に引き離した。
当時の様子はカメラに記録されており、スタッフは「大丈夫よ。大丈夫」と優しく声をかけ、小さなオポッサムの赤ちゃんをブランケットが敷かれたペットキャリーに入れて保護した。「赤ちゃんには十分生きるチャンスがある」と判断したためだった。
そして母オポッサムが事故死して2日後の26日、NWRはFacebookで6匹の赤ちゃんを保護したことを明かし、1枚の写真とともに「子供たちは母なしでは生き延びることが難しい。でも悲しい経緯があるにもかかわらず、6匹はいずれも元気で、保育器の中で快適に過ごしているわ」と記していた。
写真は、6匹の赤ちゃんが成体と同じ大きさのオポッサムのぬいぐるみにしがみつく姿を捉えたもので、次のような説明が添えられていた。
「ぬいぐるみが母親の代わりを果たしてくれるでしょう。それにきっと死んだ母オポッサムも、赤ちゃんたちが無事に大切に世話をされていることを知れば安心するでしょう。」
なお、オポッサムはお腹にカンガルーのような袋を持つ有袋類で、赤ちゃんは生まれてからしばらくは母親の育児嚢で育ち、その後は母の背中にしがみついて移動する。そのため、赤ちゃんの成長にはぬいぐるみが重要な役割を果たしたと考えられており、NWRは9月17日、保護した頃とそれから2か月弱が経過した赤ちゃんの2枚の写真を並べてFacebookに投稿し、次のように綴った。
「多くの人はこのぬいぐるみを『ただの綿の塊』と言うでしょう。でも赤ちゃんオポッサムにとって、あのぬいぐるみは全てだったのよ!」
ちなみにオポッサムは、生後3か月頃になると小型のネズミほどの大きさに成長し、母の袋の外で過ごす時間が長くなるという。そして生後半年ほどで自立する。NWRは、先月30日に成長したオポッサムの写真を公開し、「この子たちがひとり立ちできる頃には本格的な冬が到来し、野生に慣れる時間がない。だから春になったら野生に放つ予定よ」と報告した。
また、オポッサムの成長を見守ってきたフォロワーからは、「母を亡くしたことは残念だけど、こうして愛されて育っていることに感謝」「第二の人生を与えてくれてありがとう」「この子たちが冬をあなたと一緒に過ごし、春に元気に旅立つことを祈っているわ」といったコメントが寄せられていた。
画像は『The Dodo 「Litter Of Miracle Babies Have No Idea Their ‘Mommy’ Isn’t Real」(Facebook/Newhouse Wildlife Rescue)』『Newhouse Wildlife Rescue Facebook「Cute story by The Dodo on some of the opossums we saved」「Before and After」「I know we’ve been talking about beavers and foxes a lot lately,」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
記事提供元:テックインサイト
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