“チーム・ギリギリ”!? 青木香奈子が滑り込みの合格「愛されるゴルファーになりたい」
<JLPGA最終プロテスト 最終日◇1日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72>
プロテストを目指す25歳以下の選手たちが出場する「マイナビネクストヒロインツアー」で先月、初優勝を果たした青木香奈子は「72」とスコアをまとめ、トータル4オーバーの19位タイ。プロテストは6度目、最終プロテストは初挑戦で合格を果たした。
4オーバーはちょうどボーダーライン上。青木がホールアウトした時点では20位タイまでの合格ラインからわずかに外れていた。当落は後続の結果次第。「私、大谷(翔平)さんみたいにいいことしてきました。ゴミも拾ったし、人に優しくしたし…」と神に祈ると、YouTubeの中継画面に向かって「みんな仲良くしよう」とプレー中の選手たちに呼びかけた。
話していないと落ち着かないのか「97期はギリギリ世代と名付けましょう。いやギリギリなのは4オーバーの選手だけなんで97期の中に“チーム・ギリギリ”を作ります」。その後は“チーム・ギリギリ”の仲間となる手束雅と結果を待った。
「最終プロテストが初めてなので、こういう最後までハラハラする緊張感が初めてだったので、じっとしていられませんでした。やっと研修生という中途半端な立場から離れられるんだと思うとすごくうれしいです」。プロテスト期間中は重圧を感じさせないような笑顔で取材に応じてきた青木も、この時ばかりは声を詰まらせた。
最終日は合格ラインに2打差の35位からのスタート。「やるしかないし、攻めるしかないし、逆に守る立場のほうがきついかなと思ってました」。スタート時点では60台を目指していたが、難しいピン位置に「とにかく潜ろう」と目標を修正した。しかし、終盤の16番をボギーとして、スタートの4オーバーに逆戻り。「終わったなと思いました」と振り返った。
プロテスト最後の1打となったのは2メートル弱のパーパット。「下りのスライスでした。ほとんど諦めてて、もう無理だなと思っていたから入ったかもしれないですね」。終わってみれば、合否を決める大きな1打だった。
プロテストではなかなか本領を発揮できなかったが、武器は飛距離とショット力。ドライバーの飛距離は250ヤードを誇る。まずはQTで来季のレギュラーツアーの前半戦出場権を獲得するのが目標。そして「愛される人気のあるゴルファーになりたいです」。明るいキャラクターとさわやかなルックスでツアーに新風を運んでくれそうだ。(文・田中宏治)
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