プロ10年目・村田理沙に覚醒の予感 ツアー自己ベスト「65」で2位スタート
<大東建託・いい部屋ネットレディス 初日◇18日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)◇6505ヤード・パー72>
8個のバーディを奪い、ボギーは1個だけ。村田理沙が3月の「アクサレディス」で出した自己ベストを2打更新する「65」をマークした。2015年にプロ転向し、今年で10年目。若年化が進む女子ゴルフではベテランの部類に入るが、自己最高となる2位で初日を終えた29歳は「自分ではまったくそんな感じはないんです」と笑顔で、“反論”した。
2019年に父親の母国である米国に渡り、下部ツアーに挑戦した。当時24歳。「自分では結構(年齢が)いっているなぁと思っていたけど、向こうは大卒も多いので同じくらいの年齢の選手が多かった。自分、若いじゃんなんて思っていました」。米ツアー通算2勝で1歳年上のレオナ・マグワイア(アイルランド)も同時期に下部を戦った仲間の一人という。帰国後もなかなか結果を残すことができなかったが、地道な努力がようやく実を結びつつある。
QTランク15位の資格で出場した今季は初日4位だった「KKT杯バンテリンレディス」で22位となるなどリランキングも29位でクリアした。シーズン後半戦の初戦となる今大会も安定度を増したショットを武器に「グリーンが止まるのでピンをデッドに狙っていった」と強気のプレーを続け、2打目をピンそば1,5メートルにつけた11番パー4からは3連続バーディ。16番パー3も7番アイアンでピンそば1メートルにつけた。パーオン率は94.4%(17/18)をマーク。ショットが冴えわたった。
今大会と同じクイーンズヒルGCで行われた2017年のステップ・アップ・ツアー「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」は第1ラウンドに「84」をたたき、第2ラウンドも「75」と崩れ、96位で予選落ちした。「一番悪かったころです」という辛い時期を乗り越え、コースへのリベンジは完了。昨年までの生涯獲得賞金は550万円余り。今季は既に600万円以上を稼いだ。「明日からもきょうみたいなゴルフを目指していく。強い気持ちでやっていきたい」。日米ハーフで本名は「リサ・マリ・タランティーノ」。「以前、アルバさんに書いてもらって、だいぶ反響がありました」と笑う苦労人が花を咲かせるときがやって来た。(文・臼杵孝志)
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