優勝=米ツアー切符=年間女王 日本勢の新エース、竹田麗央が描く最高の青写真
<TOTOジャパンクラシック 事前情報◇30日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
いつものおっとりとした口調にも気合がこもっていた。日本勢のエースとして米ツアー勢を迎え撃つ竹田麗央の目標は明確だ。優勝=米ツアー切符。今週はその一点にフォーカスする。
「優勝できればすごくいいけど、そんなにうまくはいかないと思う。しっかり自分のやることに集中して頑張りたいと思います」
4月のツアー初優勝から積み上げてきた勝利は「7」を数える。9月には「ソニー 日本女子プロ」と「日本女子オープン」を制し、国内メジャー2冠も達成した。そこから来季の米ツアー挑戦にかじを切り、12月に米アラバマ州で開かれる「最終予選会」(Qシリーズ)に出場することを決めた。「今年は考えていない」と話していた人生設計の前倒し。日米共催の今大会で今季8勝目を挙げれば、さらに前倒しで米ツアーのメンバーカードが手に入る。
「去年初めて出場して、海外の選手もいて楽しかった。年に一回の楽しみな大会です」
茨城・太平洋クラブ美野里コースで行われた昨年は、優勝した稲見萌寧に4打差の8位に入った。今年は滋賀・瀬田GCが舞台。「ティショットは広いところが多い。グリーンはやわらかいけど、傾斜の強いところはしっかり下につけるようにしたい」というコースをプレーするのは初めてだが、6年前に“下見”は済ませている。
「母と一緒に来ました。いつだったかは覚えていないけど、そのときはアリア・ジュタヌガーン選手が活躍されていて、すごく飛んでいたので、ついて回りました」
本人の記憶は定かではないが、プロであり、コーチでもある母・哲子さんがスマホで撮った写真を見ながら当時の思い出を振り返ってくれた。「『海外の選手を見たい』と言うので、熊本から飛行機で来ました。試合を見たのは1日だけで、1泊して帰りました」。
竹田が中学3年生のとき、2018年大会を母娘で訪れた。会場は今年と同じ瀬田GC。畑岡奈紗が優勝した試合だったが、天性の飛ばし屋は当時世界ランキング1位に君臨していたタイの長距離砲にくぎ付けだった。1993、94年の賞金女王で96年からは米ツアーで戦った叔母の平瀬真由美に「見た方がいいよ」と勧められての観戦でもあった。
2週前の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」は今季3度目の予選落ちを喫したが、先週の「樋口久子 三菱機電気レディス」は5位とすぐに立て直した。想定外の“休日”で疲れた体をリフレッシュし、「調子は上がってきている」と自信を持って臨む日米共催大会。米ツアー切符を手にすれば、初の年間女王にも王手をかける。(文・臼杵孝志)
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