「ピリついているし、順位が分かるのも辛い」 日本女子アマ覇者・鳥居さくらが感じるプロテストの重圧
<JLPGA最終プロテスト 初日◇29日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72>
6月の「日本女子アマ」を制した高校3年生の鳥居さくらは2連続ボギーの苦しいスタートとなったものの、その後は粘りを見せ「74」のラウンド。2オーバーの36位とまずまずの滑り出しとなった。女子アマ日本一になったことで、2次までは免除されており、この日が初めてのプロテストでのラウンド。アマチュアの試合とも、ツアーとも違う独特の緊張感を肌で感じたようだ。
「練習ラウンドで経験しなかった強風で、いきなりズッコケちゃって、前半はすごく焦りがありました」。10番パー5、11番パー4といいティショットを放ったものの、2打目でピンチを招いた。「スタートの2ホールのことは忘れるつもりで」となんとか平常心を保ったが、後半も出だしの1番でボギーと、なかなか波には乗れなかった。
日本女子アマを勝った鳥居のほか、ナショナルチームメンバー、「日本女子オープン」ローアマ、ステップアップツアーの優勝者らはプロテストの1次、2次を免除されている。もちろん、これは大きなメリットだが、その反面、最終でいきなりプロテストの空気を味わうことにもなる。
「女子アマよりもピリついているし、1打の重みも重いし、途中で自分の順位が分かるのも辛かったけど、なんとかそれを糧にして頑張ろうと思いました」。コース内の茶店にあるモニターにはスコア速報が映し出されているとのこと。重圧を感じながらも、後半は2つのバーディーで盛り返した。
プロテストに向けて、ゴルフの調子が上がらず「1週間前に風邪をひいちゃって、体調もあまり良くありません」。調整は思うように進まなかったが、それでも、初日は粘り強いプレーでスコアをまとめ「そのなかでは健闘している方かなと思います」と自己評価した。
会場の大洗ゴルフ倶楽部には事前に何度か練習ラウンドに訪れた。「最初は狭いなと思ったんですけど、その後に3日連続でラウンドしてだいぶ慣れてきました」と攻略の糸口はつかんでいる様子。2日目以降に向けては「狙いどころが一点だったり、大体で攻めていけるコースではないので、風の読みも含めて、ショットの精度を上げていきたいなと思います」。さらに緊張からかショートが目立ったパッティングについて「積極的に打てるようにしたい」と付け加えた。
一発合格は当然目標にしているが「気負い過ぎると、ゴルフに影響しちゃうので、なるべく平常心で」。初日を終えた時点では合格ラインとは2打差。落ち着いてプレー出来れば、狭き門を突破する力は十分に持っているはずだ。(文・田中宏治)
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